外国為替円決済制度

 海外の企業や個人が日本国内へ円資金の送金を依頼した場合や、銀行間で外国為替の売買を行った場合において、銀行間の円資金の決済を集中的に行うための制度が「外国為替円決済制度」です。

 この制度は、昭和55年10月に東京銀行協会(現在は全銀協)を運営主体に、支払指図を東京手形交換所で交換していましたが、平成元年3月からは、支払指図の交換や決済を日本銀行に委託し、日銀ネットを利用したオンライン処理に移行しました。

 その後、平成10年には、国際基準に合致した決済リスク対策を導入して、支払指図1件毎に決済するRTGS(Real-Time Gross Settlement)モードを新設し、平成14年5月には、CLS銀行※が本制度に参加して、CLS決済(多通貨同時決済)を開始しています。また、平成20年10月には、それまでの時点ネット決済方式を、日本銀行の当座預金決済を利用した次世代RTGS(流動性節約機能付)に全面的に移行し、時点ネット決済方式やこれに伴う担保・流動性供給スキームを廃止しました。

外貨売買に伴う時差リスク解消のための特別目的銀行(本店ニューヨーク)。
外為円決済取引の流れと外国為替円決済制度(事例)