Q. 独身時代の保険のままでいいですか?

<私、悩んでいます>

「結婚して3年目、まだ子どもはいません。実は私も夫も、保険が独身時代のまま、ずっと手を付けずにいます。とは言え、お互い保険に知識がなく、加入しているのは独身時代に共通の知人にすすめられて入った医療保険だけ。結婚したことで、何か新たに保険に入る必要があるかどうか……。それとも独身のままでいいのでしょうか?(25歳/女性)」

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • 「最小限必要な保障を合理的に確保する」ことが保険の基本
  • 子どものいない若い世帯なら死亡保障は300万~500万円
  • 医療保障は日額5,000円を目安に考えよう
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家族構成や年齢などで必要な保障額は変わる

保険によって得られる保障は、それが手厚いほど安心も高まるでしょう。しかし、保障額が大きくなれば、その分、支払う保険料もアップします。その結果、保険料が家計を圧迫し、貯蓄もできないのであれば、それは本末転倒。したがって、保険は「最小限必要な保障を合理的に確保する」ことが基本となります。
また、最小限必要な保障額はそのときの家族構成や年齢、持ち家のあるなしなどによって異なってきます。結婚前に加入していた保険がそのままであるなら、現状に合った保障内容であるかどうかの確認が必要でしょう。

では、まず死亡保障について考えてみます。そもそも死亡保障は、家族の誰かに万が一のことがあった場合、その遺族が困らないよう生活資金を準備することが目的です。つまり、結婚して間もない家庭でまだ子どもがいない場合、お互い遺族になったとしても、働くことで生活は可能と考えられるため、夫、妻ともさほど大きな死亡保障は必要ないと判断できるわけです。
具体的には、300万~500万円がひとつの目安となります。また、保険のタイプとして貯蓄性のある終身型と、保険料は掛け捨ながら、その分割安な定期型があります。家計負担を考慮して選択すればいいでしょう。

「貯蓄の不足分をカバーする」という考えが基本

次に医療保障です。医療保障は、病気やケガによる医療費負担をカバーするのが目的です。ただし、ここで理解しておきたいのは、公的な健康保険に加入していることで「高額療養費制度」が利用できるということです。1ヵ月の医療費の自己負担が一定額を超えると超過分は健康保険から出るという制度で、自己負担額の上限は、一般的には6〜9万円程度(収入に応じて、自己負担額がこれより多い場合もあります)。仮に、その月の医療費が100万円かかっても、最終的に支払うのは、6〜9万円程度ということです。

そう考えると、大きく医療費が発生しても、多くは貯蓄でカバーできるとも考えられます。したがって、医療保障は貯蓄の不足分をカバーするといった考え方を基本に加入するといいでしょう。
その保障額ですが、とくに若い世帯の場合、入院給付日額5,000円が目安となります。1万円ならばより安心でしょうが、保険料も倍近くにアップします。今後、出産、教育費、住宅購入などのライフイベントを考慮すれば、やはり保険料負担は抑えることが賢明と言えます。