Q. 住宅ローンが負担になっています。軽減策はありますか?

<私、悩んでいます>

「住宅を購入して今年で8年目です。転職して給与が下がってしまったこと、加えて教育費が思った以上にかかっていることもあり、ここ数年、住宅ローンの負担がきびしくなっています。出費が重なる月は赤字になることもめずらしくありません。最近は金利もグッと下がり、借り換えをすればローン負担は軽くなるのでしょうか?(男性/42歳)」

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • 住宅ローンの借り換えは諸費用を十分に考慮しよう
  • 繰り上げ返済で返済額を減らすにはまとまった資金が必要
  • これを機会に再度、家計を見直してみよう
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長い目で見れば「住宅ローンの借り換え」は効果的

「住宅ローンの借り換え」とは、現在の残高分をより金利の低い住宅ローンで新たに借り入れ、それまでの住宅ローンを完済してしまうことです。負担増になった住宅ローンの代表的な軽減策と言えるでしょう。
その効果の目安ですが、一般には「ローン残高が1,000万円以上、返済期間が残り10年以上、そして借り換えるローンとの金利差が1%以上」と言われていますが、実際はもっと条件が下がっても効果はあるようです。

ただし、借り換えは新たに住宅ローンを組むため、保証料や登録免許税、司法書士手数料、印紙代などの諸費用が発生します。一般的なその費用額は50万~70万円といったところ。
たとえば、返済期間が残り20年として、ローンの支払いが月1万円軽減できれば、総額240万円が減額(金利変動など考慮せず)されることになるので、諸経費を差し引いても、軽減効果は十分あったことになります。
しかし、諸費用を支払って貯蓄が大きく減ってしまう、あるいは教育費を取り崩してそれに充てるというのであれば、逆に家計リスクとなってしまいます。

また、借り換えによって返済期間も延長できれば、さらに支払額を下げることができますが、一部の金融機関を除いて延長はできません。ともあれ、金融機関で十分試算した上で、利用するかどうかを決めることが賢明でしょう。

繰り上げ返済なら手間要らず、コストも抑えられる

もうひとつの軽減法に、繰り上げ返済の「返済額軽減型」があります。借り換えと異なり、手続きの手間が少なく、手数料(0~数万円程度)も格段に低いというのが大きなメリット。しかし、ある程度の軽減効果を生むには、まとまった額を返済する必要があります。
一例をあげると、10年前に2,500万円を35年返済、金利2.5%(全期間固定、ボーナス払いなし)で借り入れた場合、来月から毎月の返済額を1万円減らすには220万円ほどを繰り上げ返済しなくてはいけません。1万5,000円減額するには約330万円(ともに手数料を除いた額)が必要です。

一方、資金が必要のない方法もあります。家計の見直しです。家計の無駄や使途不明金はないか。加入している保険の見直しなどは、固定支出の削減になりますのでより効果的です。地道な作業ではありますが、これを機会に家計支出を見直すことも同時に行ってみてください。