教えて!くらしと銀行
お金について役立つ読み物を集めました。
「現在所有しているクルマは、夫が独身時代に買った中古車で、すでに15年前のもの。さすがに買い替え時期かとも思いますが、資金がありません。下取り価格はほぼゼロと思われます。貯蓄は息子の教育資金とマイホーム資金として積み立てていますから、できれば取り崩したくはありません。どうすればいいでしょうか?(女性/32歳)」
クルマの買い換え費用は、どんな車種を購入するかで大きく異なりますが、平均すると200万円弱と言われています。まとまった金額であることには違いはありません。できれば、計画的に積み立てておくことが家計管理の点からも賢明でしょう。とは言え、教育費や住宅資金、日々の家計のやりくりなどで、クルマの買い換え費用まで手が回らないのも仕方のないところ。したがって、そういうケースで買い換え費用を捻出するには、軽自動車や程度のいい中古車で車両費や諸費用を下げる、あるいは燃費のいいエコカーを選ぶといったことで、維持費を抑えるという対処をするしかないでしょう。資金が不足している場合は、販売会社や銀行でローン(マイカーローン)を組むことになるはずです。ただし、安易な借入は避けたいところ。より多く頭金を入れる、繰り上げ返済が可能ならボーナス時などに積極的に行うといったことが、結果的に返済をラクにします。
また、これを機会にそもそもクルマが必要かどうかを考えてはどうでしょう。確かに地方の場合、クルマは生活に不可欠でしょう。しかし、交通機関が発達している都市部では、必ずしもクルマ所有のメリットが大きいとは言えません。
たとえば、ガソリン代から法定検査や車検の費用、税金、保険料など、クルマの年間維持コストは、軽自動車で40万~50万円、1500ccのハイブリット車で50~60万円、2500ccのワンボックス車なら70万~80万円といったところ(年間走行距離1万km、駐車場代月1万円として試算)。もし、駅までの送り迎えや買い物、たまのレジャーがもっぱらの用途なら、自転車や交通機関を使ってもカバーできるはず。クルマが必要なときにはタクシーやレンタカーを利用しても、家計負担はかなり減るはずです。
また、ここ数年大きく利用者を増やしているカーシェアリングも選択肢のひとつ。必要なときに「借りる」という意味ではレンタカーと同じですが、そのシステムは大きく異なります。パソコンや携帯、スマホで予約を取り、ステーション(駐車拠点)に出向きます。会員の認証用カードをかざせばドアが開き、車内にあるカギを受け取ればOK。レンタカーのように店舗に行き手続きをしたり、返却時にガソリンを満タンにする、といった手間もありません。利用料は15分刻みや、1kmいくらといった細かい設定が特徴。ちょっと買い物に、あるいは子どもの送迎にといった短時間利用に向いています。
一方、ステーション(駐車拠点)が近くにないと利用には不便ですし、使いたいときに必ず予約が取れるとも限りません。ステーションが集中する首都圏や主要都市に在住で、利用するのは月3~4回、長距離は多くて月1回程度。しかもクルマを所有していれば駐車場代が発生するといった環境であれば、検討の余地は十分にあるでしょう。