Q. シングルマザーです。教育資金だけはしっかり用意したいのですが……

<私、悩んでいます>

「去年離婚し、今は2歳になる娘と2人暮しです。今年に入って正社員として採用され、生活は少し落ち着きましたが、貯蓄はまだ少ないし、前夫からの養育費も約束どおりに続く保証はありません。少なくとも、娘の教育費だけは用意したいので、そのためにはどうすればいいかアドバイスをお願いします(女性/26歳)」

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • 児童手当は貯蓄に回し、別途月1万円の積立を
  • 利用できる公的支援を家計に活かしていく
  • 無理をせず、継続的に貯蓄できる習慣を身につける
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児童手当は生活費に組み込まない

教育資金は必要な時期が明確で、かつ準備期間が長いため、計画的に用意しやすい資金という特徴があります。したがって、継続してしっかり積み立てていくことが、教育資金づくりのもっとも大事なポイントとなります。

貯める金額ですが、高校まで公立なら家計から捻出するというのが、基本的な考え方。つまり、事前に準備すべきは大学資金ということになります。公立文系であれば4年間で400万円弱というところ。
そこで児童手当はまず全額、教育費に回しましょう。生活費に組み込むことを防ぐために、先取り貯蓄を実践してください。加えて、別途月1万円を積み立てます。仮に2歳から始めたとしても18歳になった時点で350万円ほど。ほぼ大学資金が準備できたことになります。
貯める貯蓄商品は何でも構いません。積立がしやすいという点では、積立定期預金財形貯蓄といった天引きタイプが便利でしょう。

小学校入学から貯蓄ペースはグッと上がる

以前は、幼稚園・保育園費用が家計負担となるケースが多くありました。しかし、2020年からの国の「幼児教育・保育の無償化」制度がスタートし、かかる費用は大きく下がっています。また、教育費としては小学校もさほど多くはありません。この間を貯め時として、しっかり貯蓄習慣を身につけておきたいところです。
加えて、シングルマザーの場合、各自治体によって小・中学校での学用品や給食費などの援助もしくは免除があり、より負担は軽くなるはず。それに合わせて、貯蓄ペースも上がるでしょう。
そもそも、シングルマザーへの公的支援は多岐に渡ります。児童扶養手当やその他の育成手当の他、医療費の一部助成、保育料の免除・減免、所得税・住民税の減免、交通機関の割引、上下水道の減免、等々。自治体によって、内容が異なるケースもありますので、十分に確認した上で、家計に活かしていきましょう。

また、一方で注意したいのが、シングルマザーということで、過剰に節約をしたり、貯蓄を頑張り過ぎてしまうこと。そのために生活や仕事で無理をして、結果的に体を壊す、ストレスがたまるということではかえって逆効果です。ときには実家にも頼り、上手に支出もしながら、継続的に貯蓄ができることを目指してください。