知っておきたい「相続」のこと

相続とは、亡くなった人(被相続人)の財産を、残された家族など(相続人)が引き継ぐことを言います。相続には「遺言相続」と「法定相続」の2つの方法があります。なお、「遺言相続」は、原則、「法定相続」に優先します。

法律の定めより優先される遺言

遺言を残すことにより、自分の意思で遺産の分配方法を決めることができます。家族の事情などを考慮し、法定相続分と異なる割合を決めることなどができます。

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遺言相続を詳しく知りたい

民法で定めた法定相続での分割とは異なり、家族それぞれの事情に合わせた遺産分配を望む場合に有効な制度が「遺言制度」です。遺言制度のメリットは、自分の意思で遺産の分配方法を決めることができることです。満15才以上なら、この制度を利用できます。遺言には次のようなことを記載できます。

  • 「遺贈」(遺言により、特定の財産または財産の一部を、ある特定の相続人や特定の人へ与えること)
  • 「信託の設定」(公益信託などを設定すること)
  • 非嫡出子を認知すること
  • 「相続分の指定」または「指定の委託」(法定相続分と異なる割合で相続することを定めること)
  • 遺産分割方法の指定または指定の委託
  • 遺言執行者の指定や指定の委託など

法定相続を詳しく知りたい

被相続人の財産を相続できる人は、民法で定められています。民法に沿った方法で相続することを法定相続といいます。相続できる人と順位、相続分は以下の通りになっています。

「法定相続人は?」

常に配偶者は相続人。ただし婚姻の届出がされていない内縁関係の妻や夫、離婚した夫や妻は対象外です。

順位は次のとおりです。

第1順位
  • 子(養子含む)
  • 子が死亡している場合は、その子(被相続人の孫)が相続人となります。
第2順位
  • 直系尊属(両親や祖父母)
  • 祖父母は、父母の双方または一人がいる場合は相続人とはなりません。
  • 実父母と養父母は、同順位で相続人となります。
第3順位
  • 兄弟姉妹
  • 兄弟姉妹が死亡している場合は、その子(被相続人の甥や姪)が相続人となります。

「法定相続分は?」

相続人の具体例

相続人が配偶者と子の場合それぞれ2分の1ずつ
相続人が配偶者と直系尊属の場合配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1÷人数
相続人が配偶者と兄弟姉妹の場配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1÷人数
配偶者のみの場合全部(子が複数のときは全部÷人数)
子のみの場合