投資する際に消費者を守る法律

金融の自由化、さらにインターネットでの金融取引の一般化など、金融商品を取り巻く環境は大きく変化し続けています。新しい時代に対応する利用者保護のルールが制定されています。

激変する金融市場での消費者・投資者保護のルール

金融・資本市場を取り巻く環境が変化し、多種多様な金融商品が身近になりました。こうした環境変化に対して、利用者保護のルールとして「金融商品販売法」「金融商品取引法」が制定されました。

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「金融商品販売法」とは?

金融商品販売法は、正式には「金融商品の販売等に関する法律」といいます。この法律は、「金融商品販売業者等」(業者)が「顧客」に金融商品を販売するときに、元本割れのリスクなどの金融商品が持っているリスク等の「重要事項」の説明義務を定めた法律です。業者が説明義務を怠り、その結果、顧客が損害を被った場合には、業者が損害賠償責任を負わなければなりません。また、業者は、顧客に対して金融商品を勧めるにあたっては、勧誘方針を公表することが求めらてれいます。説明される内容は、元本割れ生じる恐れがある場合は、その旨およびどのような要因で元本割れが起こるかなどです。例えば、外貨預金の場合には、通貨価格の変動により、当初預け入れた日本円建ての元本を割る可能性があります。

また、金融商品販売法の大きな特徴は、「金融商品販売業者等」に説明義務を明確にし、これに違反した場合には、元本割れが生じていれば、その損害賠償責任を負わせていることです。消費者の立証責任を軽減している点で、これまでに比べ消費者の保護が大きく図られています。

「金融商品取引法」とは?

「金融商品取引法」は、金融商品によってバラバラだった法体系をできるだけ幅広く横断的にまとめ、金融商品の規制の隙間ができないようにしています。その大きな目的の1つは、横断的な利用者(投資家)保護のルールを徹底することと、利用者(投資家)利便を向上すること、です。

投資家の保護を図るため、金融商品を販売・勧誘する際には、業者は次のようなルールを守る必要があります。

  • 広告における規制
  • リスクや手数料などを大きな字で表示するなど、表示の明確化
  • 利益の見込み等について著しく事実に相違する表示をすること、および著しく人を誤認させるような表示をすることを禁止
  • 契約時・販売時等における規制
  • 契約締結前、契約締結時等の書面交付義務
  • 虚偽の説明の禁止
  • 取引によって生じた損失の補てん禁止
  • 適合性の原則(顧客の知識、経験、財産の状況および契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行わない)
  • 不招請勧誘、再勧誘の禁止など

なお、プロの投資家については、上記のルールの一部が適用されず、一般の投資家とは異なる取扱いとなります。

「金融商品取引法」の対象商品とはどんなもの?

「金融商品取引法」の対象となる主な商品は以下の通りです。

  • 金融商品取引法の対象は投資性のある金融商品
  • 仕組預金、外貨預金、変額年金保険など投資性のある金融商品も規制の対象
  • 国債、株式、投資信託などの有価証券や有価証券デリバティブ取引
  • 集団投資スキームにて投資を行うファンド等
  • 金融先物取引のほか、金利・通貨スワップ取引、さらには天候デリバティブ取引、クレジットデリバティブ取引など有価証券以外のデリバティブ取引
  • 信託受益権
  • 抵当証券