お金はよく私たちの社会生活における血液に例えられます。ある時は企業から個人へ、ある時は個人から企業へ、またある時は個人・企業から国・地方公共団体へと、ちょうど人間の体の中を血液が循環するように流れ動いて、経済社会に活力を与えているのです。こうしたお金の流れのことをマネー・フロー(資金循環)といいます。

私たちの経済社会を大きな視点で眺めると、3つの参加者(経済主体)によって構成されている事がわかります。
個人や企業が物を買ったり、国や地方公共団体が学校や道路を建設したりと、お金は私たちが豊かな社会生活を営むために活動するあらゆるシーンで使われます。しかし、個人も、企業も、そして国や地方公共団体も、いつも必要なだけのお金を持っているとは限りません。
そこで、お金の不足している者がお金の余っている者に、利息を支払うことを条件にお金を融通してもらうことになります。銀行をはじめとした金融機関がこのお金の橋渡しをすることを資金の融通、略して「金融」といいます。
金融には、企業や国・地方公共団体が銀行などを通してお金を借りる間接金融と、借り手自らが株式や債券などを発行して資金調達する直接金融の2つの方式があります。最近ではわが国でも直接金融の比率が高まってきましたが、間接金融の占める割合は約50%と他の先進国と比べると間接金融のウェイトが高くなっています。

銀行は経済社会の中で、個人、企業、国や地方公共団体にお金という血液を送り込む心臓のような存在といえます。銀行は新鮮で清潔な血液をつねに送り続けていかねばならず、その責任は重大です。
銀行は、預金というかたちでお客さまからお金を預かります。これにより、お客さまは火災や盗難などの危険や、金庫や警備システム設置などのコストを伴うことなく、お金を安全に保管・管理することができます。
また、銀行は、預金を企業に融資するなど、運用を行なって収益をあげることができますので、預かったお金に利息をつけてお客さまに提供することができます。
つまり銀行は、貯蓄の運用手段を提供しているといえます。
銀行に預けられた預金は、お金を必要とする個人や企業、国・地方公共団体に貸し出されます。
お金を借りた個人・企業などは銀行に対して利息を支払います。
つまり銀行は、個人・企業などの重要な資金調達手段となっているといえます。
銀行は、振込み、代金取立、手形・小切手による支払いの決済や、公共料金、クレジットカードの利用代金などの口座振替(自動引き落とし)を行なっています。
これにより、預金者は支払い、受け取りに伴う時間や労力、現金の運搬に伴う盗難の危険を回避することができます。
つまり銀行は、支払い決済手段を提供することによって、経済活動を効率化し、拡大しているといえます。
例えば、東京にいるXさんが、北海道にいるYさんに100万円を送ろうとする時、Xさんが口座をもっている近くのA銀行に100万円を持っていき、北海道のYさん宛に送金依頼をします。するとA銀行はYさんが口座をもっているB銀行宛にXさんから送金があったことを知らせ、B銀行はYさんに100万円を支払います。このように、離れた人にお金を送る時、銀行と銀行の間で決済を行うことで、安全、かつスピーディーにお金を送れるしくみを「為替」といいます。そして、国内で行われる為替業務全てを中心的に取り扱う、全国規模の共同オンラインシステムが全国銀行資金決済ネットワークが運営する「全国銀行データ通信システム」です。

このシステムは、全国すべての民間金融機関と全国銀行データ通信センターを専用通信回線で結び、各金融機関の間の為替処理をコンピュータで一括して行うものです。現在、約1,400の金融機関の32,000以上の店舗をつないでおり、1日の平均取り扱い件数は約560万件と、世界に類を見ない共同オンラインシステムが構築されています(平成22年3月末時点)。
1980年代、円高を背景に、わが国の多くの企業が海外に進出したのに伴い、銀行も海外に支店や駐在員事務所などを設置していきました。さらに現地で金融機関の設立、買収などを行いながら、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどに世界的なネットワークを築きました。それに伴って、銀行の国際業務は企業の貿易に関する決済・貸し出しや海外への送金だけでなく、海外の金融市場での資金調達や運用、海外の政府・公共部門や企業への貸し出し・投資などにも広がってきています。1990年代には、国際的な自己資本比率規制(BIS規制)が実施されたことや、日本版金融ビッグバンによる金融・経済環境の変化から、国際業務の集約化、海外資産の圧縮など、規模よりも収益性や資産の質を重視した方向に転換してきています。