全国銀行決算発表

平成14年12月26日
全国銀行協会
金融調査部

全国銀行の平成14年度中間決算の状況(単体ベース)

1.損益状況

(1)資金運用益

全国銀行(注)の平成14年度中間決算をみると、資金運用益は、4兆7,583億円(前中間期比2,598億円、5.2%減)と減益となった。

内訳をみると、資金運用収益は、市場金利の低下や運用量の減少から、貸出金利息および有価証券利息配当金等が減少したことから6兆2,388億円(同1兆4,436億円、18.8%減)となった。資金調達費用は、市場金利の低下により、預金利息を中心に減少したことから1兆4,805億円(同1兆1,838億円、44.4%減)となった(資金運用益=資金運用収益-資金調達費用)。

なお、業務純益は、国債等関係損益の収益超過額が小幅な増加となったものの、資金運用益の減少を主因に2兆6,935億円(同1,381億円、4.9%減)の減益となり、3年ぶりに減益となった。

(2)経常利益

経常利益は、1,207億円の黒字となり、前中間期の赤字(1兆2,667億円)から黒字に転じた(増益56行、黒字転換23行、減益34行、経常損失22行)。

これは、1.株式等売却益が減少したものの、株式等償却が大幅に減少したことから株式等関係損益(3勘定尻)の損失超過額が大幅に縮小したこと、2.個別貸倒引当金純繰入額および貸出金償却が大幅に減少したことなどによる。

(3)中間利益

中間利益は、1,988億円の黒字となり、前中間期の赤字(9,403億円)から黒字に転じた(増益63行、黒字転換28行、減益28行、中間損失16行)。

注1.
全国銀行の対象は、都市銀行7行(みずほ、東京三菱、あさひ、UFJ、三井住友、大和、みずほコーポレート)、地方銀行64行、地方銀行II(第二地方銀行協会加盟の地方銀行)54行、信託銀行8行(三菱信託、みずほアセット信託、UFJ信託、中央三井信託、住友信託、野村信託、みずほ信託、大和銀信託)、長期信用銀行2行の135行である。
なお、石川銀行、中部銀行は、全国銀行および地方銀行IIに含まれていない。
また、当中間期から東京スター銀行、新生銀行、あおぞら銀行を集計に加えた。
注2.
本表の下線個所は、平成14年12月26日の公表後に生じた修正を織り込んだ平成15年2月17日現在のものである。
(第1表)損益状況(単位:億円、%)
  平成14年度中間期
(135行ベース)
平成13年度中間期
(134行ベース)
計数 前中間期比 増減率 計数 増減率
経常収益 90,814 △18,400 △16.8 107,110 △12.5
経常費用 89,607 △32,274 △26.5 120,249 8.4
経常利益 1,207 13,874 △13,139
(業務純益) (26,935) (△1,381) (△4.9) (27,858) (19.0)
特別利益 2,413 781 47.9 1,524 △69.5
特別損失 1,894 △281 △12.9 2,108 △72.3
税引前中間利益 1,726 14,936 △13,723
法人税・住民税・事業税 1,394 △968 △41.0 2,319 △42.2
法人税等調整額 △1,657 4,512 △6,156
中間利益 1,988 11,391 △9,886
注.
平成14年度中間期の前中間期比、増減率は、135行ベースに遡及調整して算出したため、平成13年度中間期計数(134行ベース)との比較とは一致しない。

2.リスク管理債権額(銀行勘定)

平成14年9月末におけるリスク管理債権の総額(破綻先債権額、延滞債権額、3カ月以上延滞債権額、貸出条件緩和債権額)は、延滞債権額が減少したことを主因に、38兆7,221億円(前期末比2兆7,109億円、6.5%減)となった。
また、貸出金総額に占める割合は、0.23%ポイント低下して、8.68%となった。

(第2表) リスク管理債権額(銀行勘定)(単位:億円、%)
  平成14年9月末
(135行ベース)
平成14年3月末
(133行ベース)
計数 前期末比
(注2)
増減率 計数
破綻先債権額 28,694 △1,001 △3.4 27,455
延滞債権額 192,631 △27,880 △12.6 212,305
3カ月以上延滞債権額 6,832 840 14.0 5,038
貸出条件緩和債権額 159,063 931 0.6 153,580
リスク管理債権総額 387,221 △27,109 △6.5 398,380
(貸出金総額に対する比率) (8.68) (△0.23)   (8.73)
注1.
平成14年度中間期の前期末比、増減率は、135行ベースに遡及調整して算出したため、平成14年3月末計数(133行ベース)との比較とは一致しない。
注2.
前期末比とは、平成14年3月末計数との比較である。以下同じ。
(参考)金融再生法第7条に基づく「資産の査定」額(銀行勘定)(単位:億円、%)
  平成14年9月末
(135行ベース)
平成14年3月末
(133行ベース)
計数 前期末比 増減率 計数
破産更生債権 68,328 △4,248 △5.9 69,098
危険債権 162,627 △28,888 △15.1 183,891
要管理債権 164,897 2,765 1.7 156,563
正常債権 4,386,481 △227,413 △4.9 4,535,339
注.
平成14年度中間期の前期末比、増減率は、135行ベースに遡及調整して算出したため、平成14年3月末計数(133行ベース)との比較とは一致しない。

3.利回り・利鞘(国内業務)

国内業務部門の利回りをみると、貸出金利回り(A)および預金債券等原価(C)がともに低下したものの、預金債券等原価の低下幅が貸出金利回りの低下幅を上回ったことから、預貸金利鞘は、0.65%と前中間期比0.05%ポイント拡大した。

一方、総資金利鞘は、資金運用利回り(B)および資金調達原価(D)がともに低下したものの、資金運用利回りの低下幅が資金調達原価の低下幅を上回ったことから、0.36%と前中間期比0.02%ポイント縮小した。

(第3表) 資金運用利回り・資金調達原価および利鞘(国内業務)(単位:%、ポイント)
  14年度中間期
(135行ベース)
前中間期比 13年度中間期
(134行ベース)
貸出金利回り(A) 1.93 △0.09 2.05
有価証券利回り 0.92 △0.28 1.28
コールローン等利回り 0.24 △0.05 0.34
資金運用利回り(B) 1.56 △0.17 1.82
預金債券等利回り 0.11 △0.09 0.26
預金利回り 0.08 △0.08 0.23
経費率 1.16 △0.06 1.22
人件費率 0.51 △0.05 0.56
物件費率 0.58 △0.01 0.60
預金債券等原価(C) 1.28 △0.14 1.48
コールマネー等利回り 0.37 △0.18 0.58
資金調達原価(D) 1.20 △0.15 1.45
預貸金利鞘(A)-(C) 0.65 0.05 0.57
総資金利鞘(B)-(D) 0.36 △0.02 0.37
注.
平成14年度中間期の前中間期比は、135行ベースに遡及調整して算出したため、平成13年度中間期計数(134行ベース)との比較とは一致しない。

4.主要勘定(末残)

(1)資金調達

預金は、国内業務部門では、個人預金および金融機関預金が増加したものの、一般法人預金および公金預金が大幅に減少したことから減少となった。他方、国際業務部門では、海外業務の縮小などから大幅な減少となった。この結果、預金全体では、518兆9,140億円(前期末比9兆1,142億円、1.7%減)と2年連続で減少となった。

譲渡性預金は、33兆4,722億円(同6,970億円、2.0%減)となった。

(2)資金運用

貸出金は、国内業務部門では、住宅ローンを中心に個人向け貸出が微増となったものの、企業向け貸出は資金需要が引き続き低迷したことなどにより減少したため、国内全体では減少となった。また、国際業務部門も減少となった。この結果、貸出金全体では、446兆2,128億円(前期末比18兆9,210億円、4.1%減)と7年連続の減少となった。

有価証券は、株式が減少したものの、国債・外国証券が大幅に増加したことから、170兆7,087億円(同10兆7,786億円、6.7%増)と増加した。

(3)資本の部

一部都市銀行等の分割・合併に伴う減少に加え、株式市況の低迷による株式等評価差額金が1兆163億円となったことから、資本の部合計は28兆4,147億円(前期末比2兆279億円、6.7%減)となった。

(第4表)主要勘定(末残)(単位:億円、%)
  平成14年9月末
(135行ベース)
平成13年9月末
(134行ベース)
前期末比 前中間期末比 前期末比 前中間期末比
増減額 増減率 増減額 増減率 増減率 増減率
預金 △91,142 △1.7 65,666 1.3 △0.7 0.6
譲渡性預金 △6,970 △2.0 △181,041 △35.1 4.6 42.6
債券 △32,926 △14.8 △68,391 △26.5 △7.6 △13.9
貸出金 △189,210 △4.1 △295,335 △6.2 △1.7 △1.3
有価証券 107,786 6.7 65,996 4.0 △9.0 1.3
総資産 △168,421 △2.2 △350,918 △4.4 △3.8 2.2

5.自己資本比率

国際統一基準採用行(18行)をみると、単体ベース、連結ベースともに全行が8%以上であった。
国内基準採用行
(117行)をみると、単体ベース117行、連結ベース111行(注)の全行が4%以上であった。

注.
連結財務諸表規則に基づく重要性の原則を適用して、信託銀行2行、地方銀行II4行の計6行は、連結財務諸表を作成していない。
(第5表) 自己資本比率(単位:行)
      平成14年9月末
(135行ベース)
14年3月末
(133行ベース)
13年3月末
(136行ベース)
国際統一基準 単体 8%以上 18 21 26
8%未満 0 0 0
連結 8%以上 18 21 26
8%未満 0 0 0
国内基準 単体 4%以上 117 112 110
4%未満 0 0 0
連結 4%以上 111 106 105
4%未満 0 0 0

6.営業経費・職員数・店舗数

営業経費は、リストラ等経営全般にわたる合理化・効率化を進めたことにより人件費が大幅に減少したことから、前中間期比901億円、2.5%減となった。
職員数・店舗数をみると、リストラの進展等から職員数は前中間期末比5.5%減、店舗数も同3.1%減とそれぞれ減少した。

(第6表) 営業経費・職員数・店舗数

(1)営業経費 (単位:億円、%)
  平成14年度中間期
(135行ベース)
前中間期比 増減率 平成13年度中間期
(134行ベース)
営業経費 35,549 △901 △2.5 35,844
注.
平成14年度中間期の前中間期比、増減率は、135行ベースに遡及調整して算出したため、平成13年度中間期計数(134行ベース)との比較とは一致しない。
(2)職員数・店舗数 (単位:人、店、%)
  平成14年9月末
(135行ベース)
前中間期末比 増減率 平成13年9月末
(134行ベース)
職員数 334,946 △19,650 △5.5 349,280
店舗数 14,809 △468 △3.1 15,123
注.
平成14年9月末の前中間期末比、増減率は、135行ベースに遡及調整して算出したため、平成13年9月末計数(134行ベース)との比較とは一致しない。

以上

〔参考表〕平成14年度中間決算の状況(連結ベース)

1.損益状況

(1)経常利益

経常利益は、2,089億円の黒字となり、前年度の赤字(1兆3,068億円)から黒字に転じた(増益54行、黒字転換23行、減益25行、経常損失22行)。

(2)中間純利益

中間純利益は、1,008億円の黒字となり、前年度の赤字(9,082億円)から黒字に転じた(増益53行、黒字転換29行、減益27行、中間純損失15行)。

注.
連結の計数は、連結財務諸表規則に基づく重要性の原則を適用して、連結財務諸表を作成していない信託銀行2行、地方銀行II4行および他の銀行の被連結銀行である地方銀行1行、地方銀行II4行を除いた124行ベースで集計した。
以下の第2、3表および第4表も同じ。
(第1表)連結損益状況 (単位:億円、%)
  平成14年度中間期
(124行ベース)
平成13年度中間期
(123行ベース)
計数 前中間期比 増減率 計数
経常収益 107,109 △24,593 △18.7 128,489
資金運用収益 65,165 △17,364 △21.0 80,556
役務取引等収益 13,122 △260 △1.9 13,140
経常費用 105,020 △39,750 △27.5 140,946
資金調達費用 15,287 △15,380 △50.2 29,777
役務取引等費用 3,438 116 3.5 3,285
経常利益 2,089 15,156 △12,457
税金等調整前中間純利益 2,203 14,916 △12,141
法人税・住民税・事業税 2,025 △1,189 △37.0 3,183
法人税等調整額 △1,412 5,620 △7,193
中間純利益 1,008 10,091 △8,318
注.
平成14年度中間期の前中間期比、増減率は、124行ベースに遡及調整して算出したため、平成13年度中間期計数(123行ベース)との比較とは一致しない。

2.リスク管理債権額(銀行勘定)

平成14年9月末における銀行勘定のリスク管理債権の総額(破綻先債権額、延滞債権額、3カ月以上延滞債権額、貸出条件緩和債権額)は、39兆6,105億円、(前期末比3兆2,284億円、7.5%減)となった。
また、貸出金総額に占める割合は、0.26%ポイント低下して、8.83%となった。

(第2表)連結のリスク管理債権額(銀行勘定)(単位:億円、%)
  平成14年9月末
(124行ベース)
平成14年3月末
(122行ベース)
計数 前期末比 増減率 計数
破綻先債権額 29,856 △1,248 △4.0 28,623
延滞債権額 199,150 △30,734 △13.4 219,924
3カ月以上延滞債権額 7,257 915 14.4 5,358
貸出条件緩和債権額 159,840 △1,217 △0.8 154,911
リスク管理債権総額 396,105 △32,284 △7.5 408,817
(貸出金総額に対する比率) (8.83) (△0.26)   (8.89)
注.
平成14年9月末の前期末比、増減率は、124行ベースに遡及調整して算出したため、平成14年3月末計数(122行ベース)との比較とは一致しない。
(第3表)連結主要勘定(末残)(単位:億円、%)
  平成14年9月末
(124行ベース)
平成14年3月末
(122行ベース)
計数 前期末比 増減率 計数
預金 5,211,242 △116,695 △2.2 5,259,727
譲渡性預金 330,616 △11,683 △3.4 330,369
債券 190,263 △38,785 △16.9 186,503
コールマネー等 411,874 49,573 13.7 347,195
借用金 123,657 △9,826 △7.4 127,728
調達勘定計 6,267,655 △127,417 △2.0 6,251,524
負債合計 7,367,728 △212,150 △2.8 7,387,020
資本合計 271,037 △21,914 △7.5 278,953
貸出金 4,486,776 △229,249 △4.9 4,598,376
有価証券 1,688,041 93,517 5.9 1,551,767
コールローン等 178,884 79,320 79.7 95,812
運用勘定計 6,353,702 △56,413 △0.9 6,245,956
資産合計 7,674,681 △230,753 △2.9 7,698,559
注.
平成14年9月末の前期末比、増減率は、124行ベースに遡及調整して算出したため、平成14年3月末計数(122行ベース)との比較とは一致しない。

3.連結キャッシュ・フローの状況(間接法)

営業活動によるキャッシュ・フローは、4兆3,644億円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローは、14兆8,869億円の支出となった。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、1兆3,084億円の支出となった。
この結果、現金及び現金同等物期末残高は、22兆4,780億円となった。

(第4表)連結キャッシュ・フロー(間接法)(単位:億円)
  平成14年中間期(124行ベース)
営業活動によるキャッシュ・フロー 43,644
投資活動によるキャッシュ・フロー △148,869
財務活動によるキャッシュ・フロー △13,084
現金及び現金同等物期末残高(14年9月末) 224,780

以上

本件に関する照会先
金融調査部 木佐森、木村 Tel.03-5252-3778