(以下は、東京スター銀行、石川銀行、関西さわやか銀行、新生銀行、あおぞら銀行、の計数を含まない134行ベースで算出、分析したものである。)
図1 国内主要金利の推移

図2 海外主要金利の推移

平成13年度中間期の金融情勢をみると、短期金利については、日本銀行が平成13年3月19日に日銀当座預金残高を5兆円程度に維持するという量的指標による大幅な金融緩和策を決定し、さらに8月14日には日銀当座預金残高を6兆円に増額したことなどを受け、無担保コールレート(オーバーナイト物)は期中を通じて、ゼロ%近辺で推移した。長期金利は、前半は小泉内閣の誕生を受け、財政問題への取組みが期待されたことから1.2%台で推移し、期末に近づくにつれ、景況感の悪化、先行きの国債需給に対する懸念等を背景に若干の上昇が見られ、1.3~1.4%台で推移したが、全体としては安定的な動きであった。
株価は、日本経済の先行きに対する不透明感から軟調に推移し、9月には、大手流通業の倒産や米国同時多発テロ事件の発生に伴う米国経済への不安を反映し、大幅に下落し、当中間期末の株価(日経平均株価)は1万円台を割り込み9,774円68銭と前期末(12,999円70銭)比で3,225円安となった(前中間期末15,747円26銭)。
また、当中間期末の外国為替相場(スポット・レート)は1ドル=119.29円となり、前期末(125.27円)比で5円98銭の円高となった。
以下は、銀行単体をベースにとりまとめたものである。
全国銀行の平成13年度中間期決算をみると、資金運用益(算式は後掲(注)参照)は、資金調達費用の減少額が資金運用収益のそれを上回ったことから4兆9,252億円(前中間期比2,529億円、5.4%増)と前中間期の減益から増益に転じた。
経常利益は、株式等償却の大幅な増加や、貸出金償却、個別貸倒引当金繰入額の増加などから、前中間期の黒字(1兆1,376億円)から1兆3,139億円の赤字に転じた。
中間利益は、前中間期の黒字(3,773億円)から9,886億円の赤字に転じた。
業容面では、預金が0.7%減となり、貸出金は、1.7%減と5年連続の減少となった。
なお、全国銀行の業態別の経常利益等は表1のとおりである。
以上の結果、総資金利鞘は、同0.02%ポイント拡大して0.38%となった。
預金は、国内業務部門では、前半は減少傾向にあったが、期末にかけて法人預金が増加し、末残では458兆2,420億円(前期末比6兆4,294億円、1.4%増)となった(平残では、前中間期比1兆2,772億円、0.3%増)。他方、国際業務部門では、預金は大幅に減少した(末残ベースで前期末比9兆9,207億円、16.6%減)。この結果、預金全体では、508兆412億円(前期末比3兆4,913億円、0.7%減)となった。
譲渡性預金は、末残で50兆3,027億円(同2兆2,042億円、4.6%増)となった。
債券は、末残で20兆1,537億円(同1兆6,582億円、7.6%減)となった。
貸出金は、国内業務部門では住宅ローンを中心として個人向け貸出が増加したものの、国内の景気低迷を反映して引き続き企業の設備資金需要が後退していることから企業向け貸出は減少し、全体でも減少となった(平残では前中間期比1.0%減)。また、国際業務部門でも、貸出金は減少した。以上の結果、貸出金全体では、末残で466兆612億円(前期末比8兆205億円、1.7%減)と5年連続の減少となった。
リスク管理債権(単体ベース)の残高についてみると、破綻先債権額は銀行勘定で2兆7,509億円(前期末比868億円、3.1%減)、信託勘定で770億円(同240億円、23.8%減)、延滞債権額は銀行勘定で17兆7,954億円(同1兆1,540億円、6.9%増)、信託勘定で2,788億円(同95億円、3.3%減)、3ヵ月以上延滞債権額は銀行勘定で6,946億円(同483億円、7.5%増)、信託勘定で90億円(同16億円、15.2%減)、貸出条件緩和債権額は銀行勘定で12兆280億円(同2兆2,633億円、23.2%増)、信託勘定で1,995億円(同365億円、22.4%増)となった。(信託勘定については、元本補填契約のある信託勘定の計数。)
この結果、リスク管理債権の全体は、銀行勘定で33兆2,690億円(同3兆3,787億円、11.3%増)、信託勘定で5,645億円(同12億円、0.2%増)となった。なお、金融庁が公表(平成14年2月1日)した全国銀行のリスク管理債権額は表2のとおりである。
また、金融再生法に基づき開示が義務づけられている資産査定の各区分の内容は、それぞれ破産更生債権及びこれらに準ずる債権が6兆9,548億円(前期末比851億円、1.2%増)、危険債権が14兆8,883億円(同8,141億円、5.8%増)、要管理債権が12兆4,408億円(同2兆4,773億円、24.9%増)、正常債権が472兆2,576億円(同12兆8,663億円、2.7%減)であった(信託勘定の計数を除く)。なお、金融庁が公表(平成14年2月1日)した全国銀行の金融再生法開示債権の状況は表3のとおりである。
有価証券は、国債の減少(前年度末比7兆5,073億円、10.6%減)および株式の減少(同8兆7,525億円、19.8%減)したことを主因に、160兆6,464億円(同15兆8,242億円、9.0%減)と減少した。
資本金は、10行で増資を行ったほか、8行で転換社債の転換があったものの、合併による減少が1行であったため、12兆1,486億円(同3,987億円、3.2%減)となった。なお、増資には、金融機能早期健全化法に基づく公的資金の引受けによる資本増強に伴う地方銀行1行および第二地銀協地銀1行の優先株式の発行(近畿大阪銀行600億円、岐阜銀行120億円)が含まれている。
また、資本勘定全体では、その他有価証券を時価評価したことによる評価差額金が、国内株式市場の低迷等を受け大幅なマイナス計上となったこと(全国銀行では1兆2,308億円のマナイス計上。うち都市銀行は1兆4,769億円のマイナス計上)、また、赤字決算に伴い多くの銀行で剰余金の取崩を行ったことから、前期末比4兆5,414億円減少して32兆1,200億円となった。
図3 全国銀行の経常利益・資金運用益の推移

| 全国銀行 | 都市銀行 | 地方銀行 | 地方銀行II | 信託銀行 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 資金運用益 | 49,252 (△2,529) |
23,114 (2,362) |
16,904 (△67) |
5,845 (△1) |
2,207 (△10) |
| 役務収益等収支 | 6,217 (243) |
3,148 (130) |
1,668 (87) |
301 (23) |
783 (△45) |
| 特定取引収支 | 2,269 (1,126) |
1,913 (956) |
16 (5) |
0 (0) |
67 (27) |
| その他業務収支 | 5,049 (3,700) |
3,160 (2,530) |
709 (350) |
166 (67) |
643 (381) |
| 信託報酬 | 1,994 (△190) |
183 (△77) |
22 (0) |
- (-) |
1,789 (△113) |
| その他経常収支 | △42,071 (-) |
△23,386 (-) |
△8,754 (-) |
△2,717 (-) |
△4,568 (-) |
| 営業経費 | 35,848 (241) |
14,857 (373) |
12,630 (△33) |
4,360 (△121) |
3,293 (△13) |
| 経常利益 | △13,139 (-) |
△6,723 (-) |
△2,065 (-) |
△766 (-) |
△2,373 (-) |
| 区分 | 機関数 | 貸出金 | リスク管理債権 | 貸倒引当金 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 総額 | 破綻先 債権 |
延滞 債権 |
3カ月 以上延 滞債権 |
貸出条件 緩和債権 |
総額 | 個別貸倒 引当金 |
|||
| 都市銀行 | 8 | 2,320,960 | 148,740 | 9,760 | 78,320 | 4,980 | 55,680 | 49,180 | 27,310 |
| 長期信用銀行 | 3 | 313,580 | 32,890 | 2,660 | 12,750 | 410 | 17,070 | 10,490 | 5,050 |
| 信託銀行 | 6 | 417,950 | 35,910 | 2,260 | 18,530 | 190 | 14,940 | 9,400 | 5,470 |
| 都銀・長信銀・信託計 | 17 | 3,052,490 | 217,540 | 14,680 | 109,600 | 5,570 | 87,690 | 69,070 | 37,840 |
| 地方銀行 | 64 | 1,353,420 | 101,210 | 10,180 | 58,390 | 1,410 | 31,230 | 34,120 | 23,900 |
| 第二地方銀行 | 55 | 443,880 | 37,980 | 4,570 | 21,620 | 380 | 11,420 | 12,450 | 9,120 |
| 地域銀行計 | 119 | 1,797,300 | 139,190 | 14,750 | 80,010 | 1,790 | 42,640 | 46,570 | 33,020 |
| 全国銀行計 | 136 | 4,849,790 | 356,730 | 29,420 | 189,610 | 7,360 | 130,330 | 115,640 | 70,860 |
| 区分 | 機関数 | 金融再生法開示債権 | 正常債権 | 合計 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 総額 | 破産更生 債権及び これらに 準ずる債権 |
危険債権 | 要管理 債権 |
||||
| 都市銀行 | 8 | 155,000 | 23,510 | 70,840 | 60,660 | 2,420,560 | 2,575,560 |
| 長期信用銀行 | 3 | 33,850 | 5,420 | 10,930 | 17,510 | 359,860 | 393,710 |
| 信託銀行 | 6 | 36,260 | 5,510 | 15,640 | 15,110 | 403,680 | 439,950 |
| 都銀・長信銀・信託計 | 17 | 225,120 | 34,440 | 97,410 | 93,270 | 3,184,100 | 3,409,220 |
| 地方銀行 | 64 | 103,520 | 28,110 | 44,800 | 30,620 | 1,291,820 | 1,395,340 |
| 第二地方銀行 | 55 | 38,910 | 11,460 | 16,500 | 10,960 | 417,410 | 456,320 |
| 地域銀行計 | 119 | 142,440 | 39,560 | 61,300 | 41,570 | 1,709,230 | 1,851,670 |
| 全国銀行計 | 136 | 367,560 | 74,000 | 158,710 | 134,850 | 4,893,320 | 5,260,880 |