以下は、東京スター銀行、石川銀行、中部銀行、新生銀行、あおぞら銀行、および平成5年10月以降に業務を開始した信託銀行(野村信託銀行、みずほ信託銀行および大和銀信託銀行を除く)の計数を含まない133行ベースで算出、分析したものである。本年度から、大和銀信託銀行および関西さわやか銀行を加えている。なお、当期の平残の算出上、三和銀行と合併前の東海銀行、三菱信託銀行と合併前の日本信託銀行の計数は含まれていない。
以下は、銀行単体をベースにとりまとめたものである。
全国銀行の平成13年度決算をみると、まず、資金運用益は、9兆6,793億円(前年度比3,137億円、3.3%増)と前年度の減益から増益に転じた。国内および海外において金利水準が低下したこと等から貸出金利息および預金利息が減少したことを主因に、資金運用収益および資金調達費用がともに減少したが、後者の減少幅が前者のそれを上回ったため、資金運用益全体では増益となった。
経常利益は、株式等関係損益が大幅な損失超過となったことや貸倒引当金繰入額等が大幅に増加したことにより、5兆7,029億円の赤字となり、3年ぶりに黒字から赤字に転じた(前年度4,753億円の黒字)。また、当期利益は、4兆1,989億円の赤字(前年度1,427億円の赤字)と、2年連続の赤字となった。
業容面(末残ベース)では、預金が前年度末比で2.3%の増加となった一方、貸出金は同3.8%の減少となった。また、資本金は、同9.4%の減少となった。
資金運用利回りをみると、貸出金利回りは前年度比0.12%ポイント低下して1.99%、有価証券利回りは同0.14%ポイント低下して1.13%、コールローン等利回りは同0.15%ポイント低下して0.29%となった。以上の結果に加えて、金利スワップ受入利息等も含めて算出した資金運用利回りは、0.15%ポイント低下して1.68%となった。
資金調達原価をみると、預金債券等利回りは前年度比0.11%ポイント低下して0.17%、コールマネー等利回りは0.26%ポイント低下して0.58%となった。また、人件費率が低下したことから、経費率は0.04%ポイント低下して1.21%となった。以上の結果に加えて、金利スワップ支払利息等も含めて算出した資金調達原価は0.18%ポイント低下して1.31%となった。
以上のように、資金運用利回り、資金調達原価がともに低下したものの、後者の低下幅が前者のそれを上回ったため、総資金利鞘は0.03%ポイント拡大して0.37%となった。
預金は、国内業務部門では、個人預金および一般法人預金がともに増加した。内訳をみると、ペイオフ解禁を控え、定期性預金から流動性預金に振り替える動きが顕著であった(普通預金の末残は前年度末比63兆1,556億円、50.1%増、定期預金の末残は同42兆7,430億円、14.4%減)。国際業務部門では、海外業務の縮小等から減少した。この結果、末残では523兆5,353億円(前年度末比11兆7,655億円、2.3%増)と、3年連続の増加となった。一方、平残では、492兆6,619億円(前年度比12兆7,536億円、2.5%減)となった。
譲渡性預金は、末残では33兆2,454億円(前年度末比14兆8,531億円、30.9%減)となった。一方、平残では、43兆2,817億円(前年度比9兆1,446億円、26.8%増)となった。
債券は、末残では、18兆814億円(前年度末比3兆7,306億円、17.1%減)となった。また、平残では、20兆2,669億円(前年度比3兆1,902億円、13.6%減)となった。
貸出金は、国内業務部門では、個人向け貸出が住宅ローンの増加により増加したほか、地方公共団体向け貸出も増加した。一方、企業向け貸出は資金需要が引き続き低迷していることに加え、不良債権の売却・償却を積極的に進めたこと等から減少したため、全体としては減少した。また、国際業務部門でも、海外業務の縮小等から減少した。この結果、貸出金全体では、末残で456兆3,184億円(前年度末比17兆8,636億円、3.8%減)と、5年連続の減少となった。また、平残では448兆3,327億円(前年度比21兆230億円、4.5%減)となった。
リスク管理債権額をみると、破綻先債権額は、銀行勘定で2兆7,455億円(前年度末比902億円、3.2%減)、信託勘定で663億円(同347億円、34.3%減)、延滞債権額は銀行勘定で21兆2,305億円(同4兆6,042億円、27.7%増)、信託勘定で2,467億円(同417億円、14.5%減)、3ヵ月以上延滞債権額は銀行勘定で5,038億円(同1,431億円、22.1%減)、信託勘定で74億円(同33億円、30.9%減)、貸出条件緩和債権額は銀行勘定で15兆3,579億円(同5兆5,782億円、57.0%増)、信託勘定で2,755億円(同1,126億円、69.0%増)であった。
この結果、リスク管理債権額の総額は、銀行勘定で39兆8,379億円(同9兆9,489億円、33.3%増)、信託勘定で5,960億円(同329億円、5.8%増)となった。なお参考まで、金融庁が公表した全国銀行のリスク管理債権額は表1のとおりである。
また、金融再生法第7条に基づき開示された資産査定の各区分の内容(いずれも銀行勘定)は、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が6兆9,098億円(同425億円、0.6%増)、危険債権が18兆3,891億円(同4兆3,297億円、30.8%増)、要管理債権が15兆6,564億円(同5兆6,770億円、56.9%増)、正常債権が453兆5,339億円(同31兆6,983億円、6.5%減)であった。なお参考まで、金融庁が公表した全国銀行の資産査定報告書集計結果は表2のとおりである。
有価証券は、株式等が減少したことから、末残で156兆9,927億円(前年度末比19兆4,932億円、11.0%減)と3年ぶりに減少となった。一方、平残では、162兆7,126億円(前年度比5兆2,896億円、3.4%増)となった。
当期中、信託銀行3行、地方銀行9行、第二地銀協地銀12行が増資を行い、都市銀行1行、信託銀行2行、地方銀行6行、第二地銀協地銀2行で転換社債の転換が行われた。一方、信託銀行1行で減資が行われた。このほか、都市銀行および信託銀行において合併・会社分割に伴う資本金の減少があったことから、資本金は11兆3,925億円(前年度末比1兆1,769億円、9.4%減)となった。なお、増資を行った銀行のうち、地方銀行1行に対しては公的資金による株式の引受けが実施されている。
資本勘定全体では、赤字決算に伴い剰余金が5兆791億円(同2兆9,544億円、36.8%減)と減少したことや、評価差額金が683億円の評価損となったことから、29兆3,023億円(同7兆3,801億円、20.1%減)と減少となった。
| 区分 | 機関数 | 貸出金 | リスク管理債権 | 貸倒引当金 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 総額 | 破綻先 債権 |
延滞 債権 |
3カ月 以上延 滞債権 |
貸出条件 緩和債権 |
総額 | 個別貸倒 引当金 |
|||
| 都市銀行 | 7 | 2,256,850 | 211,800 | 9,800 | 111,020 | 3,360 | 87,620 | 66,440 | 37,150 |
| 長期信用銀行 | 3 | 275,140 | 26,470 | 3,670 | 12,370 | 1,020 | 9,410 | 9,620 | 3,690 |
| 信託銀行 | 5 | 400,240 | 37,990 | 1,820 | 18,860 | 180 | 17,130 | 10,510 | 5,850 |
| 都銀・長信銀・信託計 | 15 | 2,932,230 | 276,260 | 15,290 | 142,240 | 4,560 | 114,170 | 86,570 | 46,690 |
| 地方銀行 | 64 | 1,363,180 | 104,880 | 10,290 | 59,110 | 1,210 | 34,270 | 34,870 | 23,670 |
| 第二地方銀行 | 54 | 437,010 | 39,140 | 4,770 | 21,620 | 300 | 12,450 | 12,090 | 8,510 |
| 地域銀行計 | 118 | 1,800,190 | 144,020 | 15,070 | 80,720 | 1,510 | 46,720 | 46,960 | 32,170 |
| 全国銀行計 | 133 | 4,732,420 | 420,280 | 30,360 | 222,960 | 6,070 | 160,890 | 133,530 | 78,860 |
| 協同組織金融機関計 | 619 | 1,331,300 | 110,210 | 14,810 | 61,660 | 1,090 | 32,650 | 34,030 | 24,890 |
(うち信用金庫) |
344 | 729,130 | 72,990 | 8,190 | 42,410 | 640 | 21,750 | 18,250 | 13,240 |
(うち信用組合) |
205 | 115,830 | 14,840 | 2,050 | 7,880 | 210 | 4,700 | 4,330 | 3,380 |
| 預金取扱金融機関計 | 752 | 6,063,730 | 530,490 | 45,170 | 284,630 | 7,160 | 193,540 | 167,560 | 103,750 |
| 区分 | 機関数 | 総与信 | 金融再生法開示債権 | 正常債権 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 総額 | 破産更生 債権及び これらに 準ずる債権 |
危険債権 | 要管理 債権 |
||||
| 都市銀行 | 7 | 2,503,960 | 218,120 | 25,260 | 101,890 | 90,980 | 2,285,840 |
| 長期信用銀行 | 3 | 346,260 | 27,420 | 5,620 | 11,300 | 10,500 | 318,840 |
| 信託銀行 | 5 | 419,400 | 38,310 | 4,410 | 16,610 | 17,300 | 381,080 |
| 都銀・長信銀・信託計 | 15 | 3,269,620 | 283,850 | 35,290 | 129,790 | 118,770 | 2,985,770 |
| 地方銀行 | 64 | 1,402,920 | 107,810 | 27,500 | 46,410 | 33,900 | 1,295,110 |
| 第二地方銀行 | 54 | 448,230 | 40,410 | 11,250 | 16,950 | 12,210 | 407,820 |
| 地域銀行計 | 118 | 1,851,150 | 148,220 | 38,750 | 63,360 | 46,110 | 1,702,920 |
| 全国銀行計 | 133 | 5,120,760 | 432,070 | 74,040 | 193,150 | 164,880 | 4,688,690 |
| 協同組織金融機関計 | 571 | 955,590 | 92,350 | 29,920 | 35,970 | 26,460 | 863,240 |
(うち信用金庫) |
344 | 750,180 | 75,930 | 23,580 | 30,850 | 21,510 | 674,250 |
(うち信用組合) |
205 | 118,580 | 15,100 | 5,980 | 4,360 | 4,760 | 103,480 |
| 預金取扱金融機関計 | 704 | 6,076,350 | 524,420 | 103,960 | 229,120 | 191,340 | 5,551,930 |