(以下は、石川銀行および中部銀行の計数を含まない135行ベースで算出、分析したものである。)
平成14年度中間期の金融情勢をみると、短期金利については、4月中に大手行におけるシステム障害問題で流動性需要が高まったものの、日本銀行が潤沢な資金供給を行ったことで、日本銀行当座預金残高がほぼ一貫して15兆円程度という高い水準で推移したことから、無担保コールレート(オーバーナイト物)は期中を通じて、0.001%~0.002%程度と極めて低い水準で推移した。長期金利は、期初から夏頃にかけて、景気回復期待による高値警戒感から1.3%~1.4%台で推移したものの、8月以降は、内外株価の下落や景気の先行きが不透明となったことから、国債への買いが広がり、一時的に1.0%台まで低下した。
株価は、期初、安定的に推移したものの、米国での相次ぐ不正会計事件を受けた企業会計への不信から米国株価の下落傾向が続いた影響で、6月以降、わが国の株式相場も下落した。9月に入ると、月初に日経平均株価は急落し、バブル崩壊後の最安値を更新した。一方、9月18日に公表された「金融システムの安定に向けた日本銀行の新たな取り組みについて」で、日本銀行による銀行保有株式の直接買取り策が示されたことから、株価が一時的に下げ止まる場面もあったが、基本的に株式相場は軟調に推移した。当中間期末の株価(日経平均株価)は、9,383円29銭と前期末(11,024円94銭)比で1,641円65銭安となった(前中間期末9,774円68銭)。
また、当中間期末の外国為替相場(スポットレート)は1米ドル=121.79円となり、前期末(132.71円)比で10円92銭の円高となった。
図1 国内主要金利の推移

図2 海外主要金利の推移

以下は、銀行単体をベースにとりまとめたものである。
全国銀行の平成14年度中間期決算をみると、資金運用益(算式は後掲(注)参照)は、資金運用収益の減少額が資金調達費用のそれを上回ったことから4兆7,583億円(前中間期比2,598億円、5.2%減)と、前中間期の増益から減益へと転じた。
経常利益は、株式等関係損益の損失超過額が減少したことや、個別貸倒引当金繰入額および貸出金償却の減少などから、前中間期の赤字(1兆2,667億円)から、1,202億円の黒字へと転じた。
中間利益は、前中間期の赤字(9,403億円)から、1,983億円の黒字へと転じた。
業容面では、預金が1.7%減と2年連続の減少、貸出金は4.1%減と6年連続の減少となった。
なお、全国銀行の業態別の経常利益等は表のとおりである。
以上の結果、総資金利鞘は、同0.02%ポイント縮小して0.36%となった。
預金は、国内業務部門では、個人預金および金融機関預金が増加したものの、一般法人預金および公的預金が大幅に減少したことなどから末残では480兆5,019億円(前期末比6兆826億円、1.3%減)と減少となった(平残では、前中間期比27兆4,913億円、6.0%増)。他方、国際業務部門では、海外業務の縮小などから大幅な減少となった(末残ベースで前期末比3兆316億円、7.3%減)。この結果、預金全体では、518兆9,140億円(前期末比9兆1,142億円、1.7%減)と3年連続の減少となった。
譲渡性預金は、末残で33兆4,722億円(同6,970億円、2.0%減)となった。
債券は、末残で18兆9,943億円(同3兆2,926億円、14.8%減)となった。
貸出金は、国内業務部門では住宅ローンを中心に個人向け貸出が増加したものの、低調な景気を反映して引き続き企業の資金需要が低迷したことなどから企業向け貸出が減少し、国内全体でも減少(末残ベースで3.1%減)となった。加えて、国際業務部門でも大幅な減少(末残ベースで16.2%減)となった。以上の結果、貸出金全体では、446兆2,128億円(前期末比18兆9,210億円、4.1%減)と6年連続の減少となった。
リスク管理債権(単体ベース)の残高をみると、破綻先債権額は銀行勘定で2兆8,694億円(前期末比1,001億円、3.4%減)、信託勘定で687億円(同24億円、3.5%増)、延滞債権額は銀行勘定で19兆2,631億円(同2兆7,880億円、12.6%減)、信託勘定で1,706億円(同760億円、30.8%減)、3ヵ月以上延滞債権額は銀行勘定で6,832億円(同840億円、14.0%増)、信託勘定で78億円(同5億円、6.5%増)、貸出条件緩和債権額は銀行勘定で15兆9,063億円(同931億円、0.6%増)、信託勘定で2,551億円(同205億円、7.4%減)となった。(信託勘定については、元本補填契約のある信託勘定の計数。)
この結果、リスク管理債権の全体は、銀行勘定で38兆7,221億円(同2兆7,109億円、6.5%減)、信託勘定で5,024億円(同937億円、15.7%減)となった。
また、金融再生法に基づき開示が義務づけられている資産査定の各区分の内容は、それぞれ破産更生債権及びこれらに準ずる債権が6兆8,328億円(前期末比4,248億円、5.9%減)、危険債権が16兆2,627億円(同2兆8,888億円、15.1%減)、要管理債権が16兆4,897億円(同2,765億円、1.7%増)、正常債権が438兆6,481億円(同22兆7,413億円、4.9%減)であった(信託勘定を除く)。
有価証券は、株式が大幅に減少(前期末比5兆3,685億円、15.6%減)したものの、国債が増加(同10兆9,153億円、16.6%増)したほか、外国証券も増加(同5兆1,734億円、19.4%増)したこと等から、全体では170兆7,087億円(同10兆7,786億円、6.7%増)となった。
資本金は、一部の都市銀行において、合併・分割に伴う資本の減少があったほか、7行において増資、8行において転換社債(新株予約権付社債)の転換があったことから、10兆9,730億円(同1兆3,116億円、10.7%減)となった。
また、資本勘定全体では、株式等評価差額金(前期までの「評価差額金」)が1兆163億円のマイナス計上となったことなどから、前期末比2兆284億円減少して28兆4,142億円となった。
図3 全国銀行の経常利益・資金運用益の推移

| 全国銀行 | 都市銀行 | 地方銀行 | 地方銀行II | 信託銀行 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 資金運用益 | 47,583 (△2,598) |
21,758 (△2,539) |
16,551 (△353) |
5,918 (△120) |
2,656 (449) |
| 役務収益等収支 | 6,223 (△33) |
3,358 (△106) |
1,745 (76) |
272 (△25) |
754 (△29) |
| 特定取引収支 | 2,738 (466) |
2,605 (419) |
30 (14) |
0 (△0) |
81 (14) |
| その他業務収支 | 4,841 (△277) |
3,759 (227) |
631 (△78) |
98 (△101) |
491 (△152) |
| 信託報酬 | 1,672 (△322) |
40 (△143) |
17 (△5) |
- (-) |
1,615 (△174) |
| その他経常収支 | △26,304 (-) |
△14,884 (-) |
△6,740 (-) |
△1,858 (-) |
△2,912 (-) |
| 営業経費 | 35,549 (901) |
15,413 (△154) |
12,259 (△371) |
4,352 (△89) |
2,995 (△298) |
| 経常利益 | 1,202 (-) |
1,224 (-) |
△26 (-) |
76 (-) |
△310 (-) |