以下は、都市銀行7行(みずほ、東京三菱、UFJ、三井住友、りそな、みずほコーポレート、埼玉りそな)、地方銀行64行、地方銀行II(第二地方銀行協会加盟の地方銀行)53行、信託銀行8行(三菱信託、みずほ信託、UFJ信託、中央三井信託、住友信託、野村信託、三井アセット信託、りそな信託)、長期信用銀行2行の134行ベースで算出、分析したものである(なお、本年度から、東京スター銀行、三井アセット信託銀行、新生銀行、あおぞら銀行を加えている)
以下は、銀行単体をベースにとりまとめたものである。
全国銀行の平成14年度決算をみると、まず、資金運用益は、9兆3,721億円(前年度比4,919億円、5.0%減)の減益となった。国内および海外において金利水準が低下したこと等から貸出金利息および預金利息が減少したことを主因に、資金運用収益および資金調達費用ともに減少したが、前者の減少額が後者のそれを上回ったため、資金運用益全体では減益となった。
経常利益は、株式等関係損益が大幅な損失超過となったことや貸倒引当金繰入等により、4兆8,087億円の赤字(前年度5兆6,326億円の赤字)となり、2年連続の赤字となった。また、当期利益は、4兆8,529億円の赤字(前年度4兆1,098億円の赤字)と、2年連続の赤字となった。
業容面(末残ベース)では、預金が前年度末比で0.6%減少、貸出金は同5.5%の減少となった。また、資本金は、同17.0%の減少となった。
資金運用利回りをみると、貸出金利回りは前年度比0.10%ポイント低下して1.90%、有価証券利回りは同0.25%ポイント低下して0.87%、コールローン等利回りは同0.08%ポイント低下して0.21%となった。以上の結果に加えて、金利スワップ受入利息等も含めて算出した資金運用利回りは、0.16%ポイント低下して1.53%となった。
資金調達原価をみると、預金債券等利回りは前年度比0.07%ポイント低下して0.10%、コールマネー等利回りは0.23%ポイント低下して0.35%となった。また、人件費率が低下したことから、経費率は0.07%ポイント低下して1.14%となった。以上の結果に加えて、金利スワップ支払利息等も含めて算出した資金調達原価は0.15%ポイント低下して1.17%となった。
以上のように、資金運用利回り、資金調達原価ともに低下したものの、前者の低下幅が後者のそれを上回ったため、総資金利鞘は0.01%ポイント縮小して0.36%となった。
預金は、国内業務部門において、流動性預金の増加に対し定期性預金は減少する一方、国際業務部門では、海外業務の縮小等に伴う減少が見られた。この結果、末残では524兆9,957億円(前年度末比3兆492億円、0.6%減)となった。一方、平残では、流動性預金の増加から527兆6,138億円(前年度比30兆662億円、6.0%増)となった。
譲渡性預金は、末残では27兆8,277億円(前年度末比6兆4,415億円、18.8%減)となった。一方、平残では32兆1,598億円(前年度比12兆4,652億円、27.9%減)となった。
債券は、末残では、15兆7,952億円(前年度末比6兆4,916億円、29.1%減)となった。また、平残では、18兆9,748億円(前年度比6兆8,273億円、26.5%減)となった。
貸出金は、国内業務部門では、個人向け貸出が住宅ローンの増加により増加したほか、地方公共団体向け貸出も増加した。一方、企業向け貸出は資金需要が引き続き低迷していることに加え、不良債権の売却・償却を積極的に進めたこと等から減少したため、全体としては減少した。また、国際業務部門でも、海外業務の縮小等から減少した。この結果、貸出金全体では、末残で439兆7,760億円(前年度末比25兆3,578億円、5.5%減)となった。また、平残では453兆9,333億円(前年度比3兆3,755億円、0.7%減)となった。
リスク管理債権額をみると、破綻先債権額は、銀行勘定で2兆1,625億円(前年度末比8,070億円、27.2%減)、信託勘定で408億円(同255億円、38.4%減)、延滞債権額は銀行勘定で15兆6,476億円(同6兆4,035億円、29.0%減)、信託勘定で1,067億円(同1,399億円、56.7%減)、3ヵ月以上延滞債権額は銀行勘定で4,917億円(同1,075億円、17.9%減)、信託勘定で66億円(同8億円、10.1%減)、貸出条件緩和債権額は銀行勘定で15兆9,247億円(同1,115億円、0.7%増)、信託勘定で2,154億円(同601億円、21.8%減)であった。
この結果、リスク管理債権額の総額は、銀行勘定で34兆2,267億円(同7兆2,064億円、17.4%減)、信託勘定で5,960億円(同2,263億円、38.0%減)となった。なお参考まで、金融庁が公表した全国銀行のリスク管理債権額は表1のとおりである。
また、金融再生法第7条に基づき開示された資産査定の各区分の内容(いずれも銀行勘定)は、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が5兆6,012億円(同1兆6,564億円、22.8%減)、危険債権が12兆8,173億円(同6兆3,342億円、33.1%減)、要管理債権が16兆3,067億円(同935億円、0.6%増)、正常債権が432兆6,759億円(同28兆7,135億円、6.2%減)であった。なお参考まで、金融庁が公表した全国銀行の資産査定報告書集計結果は表2のとおりである。
有価証券は、株式等が減少したものの、国債等の増加により、末残で166兆7,942億円(前年度末比6兆8,631億円、4.3%増)となった。一方、平残では169兆2,592億円(前年度比3兆9,633億円、2.4%増)となった。
当期中、都市銀行4行、地方銀行2行、第二地銀協地銀8行、信託銀行2行が増資を行い、地方銀行5行、第二地銀協地銀4行、信託銀行2行で転換社債型新株予約権付社債の転換が行われた。このほか、都市銀行において合併・会社分割に伴う資本金の減少があったことから、資本金は10兆2,106億円(前年度末比2兆851億円、17.0%減)となった。
資本勘定全体では、赤字決算に伴い当期未処理損失が3兆5,873億円となったこと等から、24兆8,382億円(同5兆6,395億円、18.5%減)と減少となった。
| 区分 | 機関数 | 貸出金 | リスク管理債権 | 貸倒引当金 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 総額 | 破綻先 債権 |
延滞 債権 |
3カ月 以上延 滞債権 |
貸出条件 緩和債権 |
総額 | 個別貸倒 引当金 |
|||
| 都市銀行 | 6 | 2,192,100 | 174,480 | 7,050 | 67,760 | 2,800 | 96,860 | 67,130 | 25,560 |
| 長期信用銀行 | 2 | 69,440 | 4,270 | 220 | 2,150 | 760 | 1,140 | 4,160 | 1,500 |
| 信託銀行 | 5 | 377,190 | 25,580 | 1,400 | 8,890 | 130 | 15,150 | 7,680 | 2,960 |
| 都銀・長信銀・信託計 | 13 | 2,638,740 | 204,330 | 8,670 | 78,810 | 3,690 | 113,160 | 78,970 | 30,020 |
(うち主要11行) |
11 | 2,569,300 | 200,060 | 8,450 | 76,650 | 2,930 | 112,020 | 74,810 | 28,520 |
| 地方銀行 | 64 | 1,354,950 | 104,230 | 9,170 | 57,900 | 1,030 | 36,130 | 34,550 | 22,350 |
| 第二地方銀行 | 53 | 429,130 | 38,230 | 4,470 | 21,670 | 210 | 11,880 | 11,980 | 8,290 |
| 地域銀行計 | 118 | 1,831,190 | 144,160 | 13,720 | 80,380 | 1,310 | 48,740 | 46,880 | 30,790 |
| 全国銀行計 | 131 | 4,469,930 | 348,490 | 22,390 | 159,190 | 5,000 | 161,900 | 125,850 | 60,810 |
| 協同組織金融機関計 | 589 | 1,265,560 | 108,270 | 13,740 | 63,090 | 920 | 30,530 | 33,310 | 24,880 |
(うち信用金庫) |
327 | 727,400 | 72,290 | 7,740 | 43,510 | 550 | 20,490 | 18,670 | 13,790 |
(うち信用組合) |
192 | 98,230 | 15,140 | 1,850 | 7,990 | 230 | 5,070 | 3,910 | 3,050 |
| 合計(預金取扱金融機関) | 720 | 5,735,480 | 456,760 | 36,130 | 222,280 | 5,920 | 192,430 | 159,160 | 85,690 |
| 区分 | 機関数 | 金融再生法開示債権 | 正常債権 | 合計 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 総額 | 破産更生 債権及び これらに 準ずる債権 |
危険債権 | 要管理 債権 |
||||
| 都市銀行 | 6 | 176,690 | 18,500 | 58,530 | 99,660 | 2,229,980 | 2,406,670 |
| 長期信用銀行 | 2 | 4,360 | 490 | 1,920 | 1,940 | 70,410 | 74,770 |
| 信託銀行 | 5 | 25,750 | 3,110 | 7,290 | 15,350 | 366,340 | 392,090 |
| 都銀・長信銀・信託計 | 13 | 206,800 | 22,100 | 67,740 | 116,960 | 2,666,730 | 2,873,530 |
(うち主要11行) |
11 | 202,440 | 21,610 | 65,820 | 115,010 | 2,596,310 | 2,798,760 |
| 地方銀行 | 64 | 105,890 | 24,660 | 45,200 | 36,040 | 1,280,550 | 1,386,450 |
| 第二地方銀行 | 53 | 38,990 | 10,420 | 16,580 | 11,990 | 399,130 | 438,120 |
| 地域銀行計 | 118 | 146,600 | 35,370 | 62,390 | 48,840 | 1,725,680 | 1,872,290 |
| 小計(全国銀行) | 131 | 353,390 | 57,470 | 130,130 | 165,790 | 4,392,410 | 4,745,810 |
| 協同組織金融機関計 | 541 | 91,680 | 29,550 | 36,070 | 26,050 | 853,530 | 945,270 |
(うち信用金庫) |
327 | 74,170 | 23,500 | 30,210 | 20,460 | 672,600 | 746,830 |
(うち信用組合) |
192 | 15,980 | 5,700 | 4,960 | 5,330 | 88,270 | 104,270 |
| 合計(預金取扱金融機関) | 672 | 445,070 | 87,020 | 166,200 | 191,840 | 5,245,940 | 5,691,090 |