平成15年度中間期の金融情勢をみると、短期金利については、日本銀行が、当座預金残高目標に基づいて潤沢な資金供給を行い、25~29兆円台という高い水準で日銀当座預金残高が推移したことから、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、期中を通じて、0.001~0.002%程度と極めて低い水準で推移した。長期金利は、経済の先行き不透明感を背景として銀行を中心に国債投資が進んだことから期中前半は低下し、6月には一時0.4%台まで低下したが、その後、株価の回復や欧米の長期金利の上昇などを受けて上昇に転じ、9月初めには一時1.6%台に達した。
株価は、期初、経済の先行き不透明感や厚生年金基金の代行返上に備えた換金売りに伴う需給悪化懸念等を背景に下げたものの、5月以降、海外の株式市場に連動して上昇に転じた。その後も、わが国経済の先行きに対する見方の改善や海外投資家による日本株投資が進んだことから夏にかけて上昇基調を続けたが、高値警戒感が高まる中、期末にかけ、急激な円高の進行もあり、株価は下落した。当中間期末の株価(日経平均株価)は、10,219円5銭と前年度末(7,972円71銭)比で2,246円34銭高となった(前中間期末9,383円29銭)。
また、当中間期末の外国為替相場(スポットレート)は、1米ドル=110.48円となり、前年度末(119.02円)比で8円54銭の円高となった。
図1 国内主要金利の推移

図2 海外主要金利の推移

以下は、銀行単体をベースにとりまとめたものである。
全国銀行の平成15年度中間期決算をみると、資金運用益(算式は脚注参照)は、資金運用収益の減少額が資金調達費用のそれを上回ったことから4兆5,479億円(前中間期比2,101億円、4.4%減)と、減益となった。
経常利益は、個別貸倒引当金繰入額や貸出金償却が増加したものの、株式等関係損益が収益超過となったこと等から、2,639億円の黒字となった。 中間純利益は、繰延税金資産の取崩し等により法人税等調整額が大幅に増加(減益要因)したこと等から、前中間期の黒字(1,988億円)から、5,951億円の赤字へと転じた。
業容面では、預金は期中0.1%減、貸出金は同3.0%減となった。
なお、全国銀行の業態別の経常利益の内訳は表のとおりである。
以上の結果、総資金利鞘は、同0.02%ポイント拡大して0.37%となった。
預金は、期中、国内業務部門では、個人預金および金融機関預金が増加したものの、一般法人預金および公的預金が上回って減少したことから、全体では減少(0.1%減)となった(平残では前期比0.6%増)。他方、国際業務部門では、外貨預金の増加から増加(前期末比1.6%増)となった。この結果、預金全体では、末残で524兆6,400億円(前期末比3,557億円、0.1%減)と3年連続で減少となった。
譲渡性預金は、末残で29兆1,321億円(同1兆3,044億円、4.7%増)となった。
債券は、末残で13兆8,330億円(同1兆9,622億円、12.4%減)となった。
貸出金は、期中、国内業務部門では、住宅ローンを中心に個人向け貸出が増加したものの、低調な景気を反映して引続き企業の資金需要が低迷したこと等から企業向け貸出が減少し、全体でも減少(2.3%減)となった(平残では前期比4.2%減)。加えて、国際業務部門でも減少(前期末比13.5%減)となった。この結果、貸出金全体では、426兆4,662億円(前期末比13兆3,098億円、3.0%減)と8年連続の減少となった。
リスク管理債権(単体ベース)の残高をみると、破綻先債権額は銀行勘定で1兆7,244億円(前期末比4,381億円、20.3%減)、信託勘定で356億円(同52億円、12.8%減)、延滞債権額は銀行勘定で14兆6,063億円(同1兆413億円、6.7%減)、信託勘定で901億円(同167億円、15.6%減)、3ヵ月以上延滞債権額は銀行勘定で4,342億円(同575億円、11.7%減)、信託勘定で126億円(同60億円、89.5%増)、貸出条件緩和債権額は銀行勘定で11兆5,655億円(同4兆3,593億円、27.4%減)、信託勘定で1,529億円(同625億円、29.0%減)となった(信託勘定については、元本補填契約のある信託勘定の計数)。
この結果、リスク管理債権の全体は、銀行勘定で28兆3,305億円(同5兆8,961億円、17.2%減)、信託勘定で2,913億円(同785億円、21.2%減)となった。
また、金融再生法第7条に基づき開示が義務づけられている資産査定の各区分の内容は、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が5兆1,724億円(前期末比4,288億円、7.7%減)、危険債権が11兆6,675億円(同1兆1,497億円、9.0%減)、要管理債権が11兆9,040億円(同4兆4,027億円、27.0%減)、正常債権が424兆7,309億円(同7兆9,450億円、1.8%減)と、いずれも前期末比減少した(信託勘定を除く)。
有価証券は、外国証券が減少したものの、国債の増加(前期末比5兆924億円、6.6%増)のほか、株価上昇による株式金額の増加(同4兆4,919億円、19.3%増)等により、全体では175兆5,916億円(同8兆7,974億円、5.3%増)となった。
資本金は、一部の都市銀行において公的資金による資本増強があったこと等から、10兆7,381億円(同5,275億円、5.2%増)となった。
また、資本勘定全体では、株式相場の回復から、株式等評価差額金が1兆4,600億円のプラスとなったこと等から、前期末比2兆5,197億円、10.1%増加して27兆3,579億円となった。
図3 全国銀行の経常利益・資金運用益の推移

| 全国銀行 | 都市銀行 | 地方銀行 | 地方銀行II | 信託銀行 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 資金運用益 | 45,479 (△2,101) |
20,585 (△1,224) |
16,377 (△329) |
5,633 (△80) |
2,300 (△353) |
| 役務収益等収支 | 7,196 (971) |
4,021 (661) |
1,937 (193) |
309 (37) |
841 (85) |
| 特定取引収支 | 3,422 (684) |
3,296 (691) |
30 (△0) |
0 (△0) |
83 (2) |
| その他業務収支 | 4,229 (△612) |
2,669 (△1,092) |
413 (△222) |
132 (41) |
892 (401) |
| その他経常収支 | △24,965 (-) |
△17,130 (-) |
△6,348 (-) |
△1,284 (-) |
△203 (-) |
| 信託報酬 | 1,597 (△238) |
15 (△25) |
16 (△1) |
- (-) |
1,565 (△213) |
| 営業経費 | 34,318 (△1,335) |
14,699 (△756) |
12,059 (△299) |
4,057 (△154) |
2,971 (△127) |
| 経常利益 | 2,639 (1,390) |
△1,243 (-) |
364 (-) |
732 (670) |
2,508 (-) |