地方銀行の平成16年度決算をみると、資金運用益は、資金運用収益および資金調達費用がともに減少したものの、前者の減少額が後者のそれを上回ったため、前年度比2.2%の減少となった。
経常利益は、一部の銀行で個別貸倒引当金純繰入額および貸出金償却がともに大幅に減少したこと等から、4年ぶりに黒字(9,231億円の黒字)となった(前年度969億円の赤字)。また、当期純利益は、5年ぶりの黒字(6,870億円の黒字)となった(前年度6,470億円の赤字)。
なお、業容面をみると、預金は微増、貸出金はほぼ横ばいとなった。
資金運用収益をみると、有価証券利息配当金は、有価証券投資額の増加から7,177億円(同295億円、4.3%増)と増加したものの、貸出金利息は、国内金利の低下から2兆7,702億円(同1,210億円、4.2%減)と減少した。この結果、資金運用収益全体では、3兆5,408億円(同796億円、2.2%減)となった。
次に資金調達費用をみると、コールマネー利息が171億円となったものの、預金利息が、国内金利の低下や定期預金の減少等により1,071億円(同74億円、6.4%減)となったことから、資金調達費用全体では、2,819億円(同21億円、0.7%減)となった。
業務純益は、一般貸倒引当金が純取崩しとなったこと等から1兆5,604億円(前年度比1,835億円、13.3%増)となった(増益40行、減益22行、黒字転換2行)。また、国内業務粗利益は3兆5,618億円(同531億円、1.5%増)となり、国際業務粗利益は1,811億円(同407億円、18.4%減)となった。
資金運用利回りをみると、貸出金利回りは前年度比0.07%ポイント低下して2.06%、有価証券利回りは同0.03%ポイント低下して1.06%、コールローン等利回りは同0.02%ポイント上昇して0.04%となった。この結果、資金運用利回り全体では、同0.06%ポイント低下して1.70%となった。
資金調達原価をみると、預金債券等利回りは同0.01%ポイント低下して0.04%、コールマネー等利回りは同0.08%ポイント低下して1.06%となった。また、経費率は、人件費率が低下したこと等から同0.03%ポイント低下して1.20%となった。この結果、資金調達原価全体では、同0.04%ポイント低下して1.26%となった。
以上の結果、総資金利鞘は、前年度比0.02%ポイント縮小して0.44%となった。
預金は、定期性預金が減少したものの、流動性預金は増加したことから、末残で188兆2,221億円(前年度末比2兆9,450億円、1.6%増)となった。また、平残では183兆1,537億円(前年度比2兆3,735億円、1.3%増)となった。
譲渡性預金は、末残で3兆4,742億円(前年度末比438億円、1.3%増)となった。また、平残では4兆4,074億円(前年度比6,626億円、17.7%増)となった。
貸出金は、国内業務部門において住宅ローンは増加したものの、企業向け貸出が引き続き低迷したこと等から、末残で137兆3,718億円(前年度末比1,597億円、0.1%増)となった。また、平残は134兆3,269億円(前年度比3,762億円、0.3%増)となった。
銀行勘定のリスク管理債権についてみると、破綻先債権額は3,861億円(前年度末比2,082億円、35.0%減)となり、延滞債権額は4兆6,468億円(同9,451億円、16.9%減)、3カ月以上延滞債権額は654億円(同132億円、16.8%減)、貸出条件緩和債権額は2兆3,972億円(同7,583億円、24.0%減)となった。この結果、銀行勘定のリスク管理債権全体では、7兆4,956億円(同1兆9,248億円、20.4%減)となった。
なお、金融再生法第7条に基づき開示が義務づけられている資産査定の各区分の内容は、それぞれ破産更生債権及びこれらに準じる債権は1兆4,875億円(同5,119億円、25.6%減)、危険債権は3兆7,315億円(同6,694億円、15.2%減)、要管理債権額は2兆3,660億円(同7,632億円、24.4%減)、正常債権は132兆7,152億円(同2兆432億円、1.6%増)となった(信託勘定の計数は除く)。
有価証券は、国債、社債、外国証券等が増加したことから、56兆9,977億円(前年度末比4兆784億円、7.7%増)となった。また、平残は53兆4,453億円(前年度比2兆8,315億円、5.6%増)となった。
資本金は、期中に1行で増資、9行で転換社債型新株予約権付社債の転換が行われたことから、2兆3,612億円(前年度比234億円、1.0%減)となった。
資本勘定全体では、10兆3,615億円(同7,267億円、7.5%増)となった。
担当:小暮