以下は、都市銀行7行(みずほ、東京三菱、UFJ、三井住友、りそな、みずほコーポレート、埼玉りそな)、地方銀行64行、地方銀行II(第二地方銀行協会加盟の地方銀行)48行、信託銀行8行(三菱信託、みずほ信託、UFJ信託、中央三井信託、住友信託、野村信託、三井アセット信託、りそな信託)、その他2行の129行ベースで算出、分析したものである。
担当:加藤
以下は、銀行単体の決算をとりまとめたものである。
全国銀行129行の平成16年度決算をみると、資金運用益は、資金調達費用が増加となるなか、資金運用収益が減少したため、8兆6,886億円(前年度比3,167億円、3.5%減)と減益となった。
業務純益は、資金運用益が減益となったものの、役務取引等利益の増加、営業経費の減少に加え、一般貸倒引当金の大幅な純取崩し等から、6兆4,432億円(同9,714億円、17.8%増)と増益となった。
経常利益は、業務純益が増益となったことに加えて、個別貸倒引当金繰入額や貸出金償却といった不良債権処理額が減少したこと等から、1兆9,019億円(同1兆3,891億円、270.8%増)と大幅な増益となった。
当期純利益は、経常利益が大幅な増益となったことに加え、特別収支(特別利益-特別損失)の利益超過額が増加し、法人税等調整額(税金費用)も減少したこと等から、1兆2,943億円となり、5年ぶりに黒字となった(前年度は7,796億円の赤字)。
業容面(末残)は、預金が前年度末比で1.4%の増加、貸出金は同2.0%の減少、有価証券は同3.5%の増加となった。
資金運用利回りをみると、貸出金利回りは前年度比0.06%ポイント低下の1.84%、有価証券利回りは同0.02%ポイント低下して0.74%、コールローン等利回りは同0.05%ポイント上昇して0.28%となった。以上に加えて、金利スワップ受入利息等も含めて算出した資金運用利回りは、同0.06%ポイント低下して1.44%となった。
資金調達原価をみると、預金債券等利回りは前年度比0.02%ポイント低下して0.06%(預金利回りは0.05%)、コールマネー等利回りは同0.03%ポイント低下して0.29%となった。また、人件費率等が低下したことから、経費率は同0.04%ポイント低下して1.07%となった。以上に加えて、金利スワップ支払利息等も含めて算出した資金調達原価は同0.06%ポイント低下して1.05%となった。
以上のように、資金運用利回り、資金調達原価ともに同幅低下したことから、総資金利鞘は前年度比不変の0.39%となった。
預金は、国内業務部門では、年度中、定期性預金は減少したが、流動性預金が増加し、全体でも増加した。一方、国際業務部門では、外貨預金を中心に減少した。この結果、末残では540兆7,637億円(前年度末比7兆2,051億円、1.4%増)となった。また、平残では526兆7,893億円(前年度比10兆1,472億円、2.0%増)となった。
譲渡性預金は、末残では29兆5,302億円(前年度末比2,656億円、0.9%減)となり、平残では32兆7,737億円(前年度比2兆6,092億円、8.6%増)となった。
債券は、末残では9兆9,934億円(前年度末比2兆2,485億円、18.4%減)となり、平残では11兆29億円(前年度比2兆8,902億円、20.8%減)となった。
貸出金は、国内業務部門では、年度中、住宅ローンを中心とする個人向け貸出や地方公共団体向け貸出が増加した。一方、企業向け貸出は借入需要が引続き低迷していることに加え、不良債権の売却・償却を進めたこと等により減少したため、全体としても減少した。一方、国際業務部門では、年度中、アジア向け貸出の伸び等から増加した。この結果、貸出金全体では、末残で414兆738億円(前年度末比8兆4,324億円、2.0%減)となった。また、平残では412兆5,541億円(前年度比8兆7,307億円、2.1%減)となった。
不良債権の状況として、銀行勘定のリスク管理債権額をみると、破綻先債権額は7,409億円(前年度末比4,744億円、39.0%減)、延滞債権額は10兆5,076億円(同2兆3,991億円、18.6%減)、3ヵ月以上延滞債権額は2,195億円(同908億円、29.3%減)、貸出条件緩和債権額は5兆6,059億円(同3兆9,957億円、41.6%減)であった。この結果、リスク管理債権額の総額は、17兆740億円(同6兆9,600億円、29.0%減)となり、貸出金総額に占める比率も同1.57%ポイント低下して4.12%となった。なお参考までに、金融庁が公表した全国銀行のリスク管理債権額は表2のとおりである。
また、金融再生法第7条に基づき開示された資産査定の各区分の内容(いずれも銀行勘定)は、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が3兆1,021億円(同9,371億円、23.2%減)、危険債権が8兆6,411億円(同1兆9,379億円、18.3%減)、要管理債権が5兆7,266億円(同4兆817億円、41.6%減)、正常債権が423兆4,849億円(同1,214億円、0.0%減)であった。なお参考まで、金融庁が公表した全国銀行の資産査定報告書集計結果は表3のとおりである。
有価証券は、年度中、国債および社債が増加したことにより、末残で200兆2,683億円(前年度末比6兆7,070億円、3.5%増)となった。また、平残では195兆7,775億円(前年度比16兆8,071億円、9.4%増)となった。
当期中、都市銀行4行、地方銀行1行、第二地銀協地銀2行が増資を行い、地方銀行9行、第二地銀協地銀2行、信託銀行2行で転換社債型新株予約権付社債の転換が行われた。この結果、資本金は10兆5,780億円(前年度末比6,610億円、6.7%増)となった。また、資本勘定全体でも、31兆4,348億円(同2兆4,748億円、8.5%増)と増加した。
担当:増田
| 全国銀行 | 都市銀行 | 地方銀行 | 地方銀行II | 信託銀行 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 資金運用益 | 86,886 (△3,167) |
37,441 (△2,378) |
32,589 (△775) |
10,771 (109) |
4,982 (△37) |
| 役務収益等収支 | 17,930 (2,738) |
10,298 (1,672) |
4,199 (304) |
730 (98) |
2,504 (658) |
| 特定取引収支 | 3,418 (△3,029) |
2,815 (△3,306) |
144 (58) |
- (-) |
178 (△10) |
| その他業務収支 | 7,766 (1,530) |
6,490 (2,209) |
475 (△72) |
270 (96) |
285 (△724) |
| その他経常収支 | △36,761 (12,524) |
△27,612 (2,896) |
△5,056 (9,833) |
△2,420 (201) |
△1,875 (△677) |
| 信託報酬 | 4,003 (192) |
99 (50) |
11 (△17) |
- (-) |
3,893 (159) |
| 営業経費 | 64,222 (△3,102) |
26,981 (△1,907) |
23,131 (△869) |
7,511 (△28) |
5,475 (△357) |
| 経常利益 | 19,019 (13,891) |
2,551 (3,049) |
9,231 (10,201) |
1,840 (532) |
4,492 (△274) |
| 参考:業務純益 | 64,432 (9,714) |
36,670 (7,061) |
15,604 (1,835) |
4,645 (320) |
6,760 (313) |
| 区分 | 機関数 | 貸出金 | リスク管理債権 | 貸倒引当金 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 総額 | 破綻先 債権 |
延滞 債権 |
3カ月 以上延 滞債権 |
貸出条件 緩和債権 |
総額 | 個別貸倒 引当金 |
|||
| 都市銀行 | 6 | 1,959,940 | 62,100 | 1,720 | 36,850 | 1,310 | 22,230 | 40,770 | 17,150 |
| 長期信用銀行等 | 2 | 60,490 | 1,480 | 30 | 1,300 | 30 | 120 | 2,580 | 1,050 |
| 信託銀行 | 5 | 340,510 | 9,320 | 370 | 5,070 | 30 | 3,850 | 4,040 | 1,800 |
| 都銀・長信銀等・信託 | 13 | 2,360,960 | 72,900 | 2,120 | 43,210 | 1,370 | 26,200 | 47,390 | 20,000 |
(うち主要11行) |
11 | 2,300,450 | 71,420 | 2,090 | 41,920 | 1,340 | 26,070 | 44,810 | 18,950 |
| 地方銀行 | 64 | 1,374,920 | 75,840 | 4,060 | 47,130 | 660 | 23,980 | 29,380 | 18,240 |
| 第二地方銀行 | 48 | 403,400 | 25,590 | 2,030 | 16,640 | 130 | 6,790 | 8,220 | 5,480 |
| 地域銀行計 | 113 | 1,831,540 | 102,480 | 6,120 | 64,320 | 840 | 31,210 | 37,960 | 23,860 |
| 全国銀行計 | 126 | 4,192,490 | 175,390 | 8,240 | 107,530 | 2,210 | 57,400 | 85,350 | 43,860 |
| 協同組織金融機関 | 537 | 1,201,960 | 83,020 | 7,980 | 53,220 | 450 | 21,360 | 27,190 | 19,980 |
(うち信用金庫) |
299 | 693,800 | 55,470 | 4,350 | 37,830 | 240 | 13,050 | 15,100 | 11,360 |
(うち信用組合) |
176 | 97,360 | 11,660 | 1,290 | 7,120 | 120 | 3,130 | 3,500 | 2,780 |
| 合計(預金取扱金融機関) | 663 | 5,394,460 | 258,400 | 16,220 | 160,750 | 2,660 | 78,760 | 112,540 | 63,840 |
| 区分 | 機関数 | 金融再生法開示債権 | 正常債権 | 合計 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 総額 | 破産更生 債権及び これらに 準ずる債権 |
危険債権 | 要管理 債権 |
||||
| 都市銀行 | 6 | 64,630 | 9,270 | 31,830 | 23,530 | 2,112,170 | 2,176,790 |
| 長期信用銀行等 | 2 | 1,500 | 90 | 1,260 | 150 | 60,940 | 62,440 |
| 信託銀行 | 5 | 9,470 | 1,230 | 4,380 | 3,860 | 344,300 | 353,770 |
| 都銀・長信銀・信託 | 13 | 75,600 | 10,580 | 37,470 | 27,550 | 2,517,400 | 2,593,000 |
(うち主要11行) |
11 | 74,100 | 10,500 | 36,210 | 27,390 | 2,456,470 | 2,530,560 |
| 地方銀行 | 64 | 76,740 | 15,220 | 37,840 | 23,670 | 1,327,470 | 1,404,210 |
| 第二地方銀行 | 48 | 25,870 | 6,380 | 12,610 | 6,890 | 384,130 | 410,000 |
| 地域銀行計 | 113 | 103,670 | 21,720 | 50,900 | 31,050 | 1,764,600 | 1,868,270 |
| 小計(全国銀行) | 126 | 179,270 | 32,310 | 88,360 | 58,600 | 4,282,000 | 4,461,270 |
| 協同組織金融機関 | 489 | 69,780 | 22,350 | 31,040 | 16,390 | 838,290 | 908,080 |
(うち信用金庫) |
299 | 56,610 | 17,260 | 26,470 | 12,880 | 652,070 | 708,680 |
(うち信用組合) |
176 | 11,830 | 4,490 | 4,050 | 3,290 | 87,840 | 99,670 |
| 合計(預金取扱金融機関) | 615 | 249,040 | 54,660 | 119,400 | 74,990 | 5,120,290 | 5,369,350 |