平成17年度中間期の金融情勢をみると、短期金利については、日本銀行が、当座預金残高目標に基づいて潤沢な資金供給を行い、概ね30~35兆円台という高い水準で日銀当座預金残高が推移したことから、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、期中を通じて、0%近傍で推移した。長期金利は、欧米の金利低下を背景に、一時1.1%台後半まで低下したが、わが国の景況感改善等を背景に上昇し、9月末には1.4%台後半となった。
株価は、わが国経済指標が予想に比して下振れしたことや米国の株価の軟調を背景に、一時11,000円を割り込んだが、企業収益の好調が続くもと、景気回復期待の高まり等から上昇し、当中間期末の株価(日経平均株価)は、13,574円30銭と前年度末(11,668円95銭)比で1,905円35銭高となった(前中間期末10,823円57銭)。
また、当中間期末の外国為替相場(スポットレート)は、1米ドル=113円28銭となり、前年度末(106円97銭)比で6円31銭の円安となった(前中間期末110円92銭)。
担当:加藤、小暮
図1 国内主要金利の推移

図2 海外主要金利の推移

(以下は、銀行単体ベースでとりまとめたものである。)全国銀行129行の平成17年度中間期決算をみると、資金運用益(算式は後掲(注)参照)は、資金運用収益、資金調達費用ともに増加したものの、費用が収益を上回って増加したため、4兆3,523億円(前中間期比301億円、0.7%減)と減益となった。
経常利益は、不良債権処理の進展から個別貸倒引当金純繰入額や貸出金償却が大幅に減少したことに加え、株式等関係利益が増加したこと等から、2兆2,860億円(同1兆2,280億円、116.1%増)と大幅な黒字となった。
中間純利益は、経常利益が大幅に増加したうえ、貸倒引当金の戻入れ益もあって特別損益の利益超過額が増加し、さらに法人税等調整額が減少したこと等から、2兆1,233億円(同1兆7,234億円、430.9%増)と大幅な黒字となった。
業容面では、預金は期中0.7%増、貸出金は同1.0%増と、いずれも増加に転じた。
なお、全国銀行の業態別の損益状況は表のとおりである。
以上の結果、総資金利鞘は、同0.03%ポイント拡大して0.42%となった。
預金は、期中、国内業務部門では、一般法人預金および公金預金が減少したものの、個人預金が増加したことから、全体では増加(0.4%増)となった(平残では前期比1.6%増)。また、国際業務部門も増加(4.9%増)した。この結果、預金全体では、末残で544兆6,348億円(前期末比3兆8,711億円、0.7%増)となった。
譲渡性預金は、末残で27兆9,870億円(同1兆5,432億円、5.2%減)となった。
債券は、末残で9兆3,405億円(同6,529億円、6.5%減)となった。
貸出金は、期中、国内業務部門では、企業向け貸出は、一部回復の動きも見られたものの総じて資金需要は低迷したが、個人向け貸出は、住宅ローンを中心に増加し、全体でも若干の増加(0.5%増)となった(平残では前期比1.3%減)。また、国際業務部門も増加(11.5%増)した。この結果、貸出金全体では、418兆2,029億円(前期末比4兆1,291億円、1.0%増)となった。
有価証券は、国債は減少となったものの、株価の上昇による株式の増加のほか、外国証券や社債を中心に増加し、全体では209兆9,690億円(同9兆7,007億円、4.8%増)となった。
リスク管理債権(銀行勘定の単体ベース)の残高をみると、破綻先債権額は6,950億円(前期末比458億円、6.2%減)、延滞債権額は9兆4,092億円(同1兆983億円、10.5%減)、3ヵ月以上延滞債権額は1,969億円(同226億円、10.3%減)、貸出条件緩和債権額は4兆9,363億円(同6,697億円、11.9%減)となった。この結果、リスク管理債権の全体は、15兆2,376億円(同1兆8,364億円、10.8%減)となり、貸出金総額に占める割合は、前期末に比べて0.48%ポイント低下して、3.64%となった。
また、金融再生法第7条に基づき開示が義務づけられている資産査定の各区分の内容は、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が2兆7,234億円(前期末比3,787億円、12.2%減)、危険債権が7兆8,087億円(同8,324億円、9.6%減)、要管理債権が5兆336億円(同6,930億円、12.1%減)といずれも減少した。なお、正常債権は430兆8,274億円(同7兆3,426億円、1.7%増)と増加した。
資本金は、10兆5,954億円(同174億円、0.2%増)となり、資本の部合計では、33兆7,238億円(同2兆2,889億円、7.3%増)となった。
なお、参考までに繰延税金資産の残高を見ると、4兆4,724億円(前期末比1兆3,828億円、23.6%減)となった。
担当:増田
図3 全国銀行の経常利益・資金運用益の推移

| 全国銀行 | 都市銀行 | 地方銀行 | 地方銀行II | 信託銀行 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 資金運用益 | 43,523 (△301) |
19,247 (319) |
16,196 (△325) |
5,319 (△55) |
2,215 (△242) |
| 役務収益等収支 | 9,901 (1,555) |
5,584 (782) |
2,362 (278) |
401 (67) |
1,444 (393) |
| 特定取引収支 | 627 (△313) |
447 (△149) |
53 (△5) |
- (-) |
△3 (△104) |
| その他業務収支 | 6,044 (1,768) |
4,697 (735) |
451 (304) |
121 (28) |
483 (517) |
| その他経常収支 | △6,485 (9,723) |
△2,968 (8,673) |
△2,405 (△38) |
△791 (212) |
△422 (867) |
| 信託報酬 | 1,804 (△135) |
82 (45) |
5 (△2) |
- (-) |
1,717 (△177) |
| 営業経費 | 32,555 (18) |
13,558 (△54) |
11,789 (5) |
3,813 (13) |
2,804 (34) |
| 経常利益 | 22,860 (12,280) |
13,531 (10,458) |
4,871 (207) |
1,237 (239) |
2,631 (1,220) |
| 中間純利益 | 21,232 (17,234) |
13,923 (14,635) |
3,671 (275) |
757 (205) |
2,038 (1,963) |
| (参考)業務純益 | 30,643 (△8,978) |
17,429 (△9,238) |
7,312 (△417) |
2,105 (△145) |
3,282 (653) |