地方銀行の平成17年度決算をみると、資金運用益は、資金運用収益および資金調達費用がともに増加したものの、有価証券利息配当金が増加したことから、前者の増加額が後者のそれを上回ったため、前年度比0.3%の若干の増加となった。
経常利益は、資金調達費用が増加したものの、一部の銀行で個別貸倒引当金繰入額が減少したこと等から、1兆1,115億円の黒字となった。また、当期純利益についても、8,410億円と、過去最高益を記録した。
なお、業容面をみると、預金、貸出金ともに微増となった。
資金運用収益をみると、貸出金利息は、国内金利の低下から2兆7,212億円(同490億円、1.8%減)と減少したものの、有価証券利息配当金は、有価証券利回りの上昇および有価証券投資額の増加から8,463億円(同1,286億円、17.9%増)と増加した。この結果、資金運用収益全体では、3兆6,560億円(同1,152億円、3.3%増)となった。
次に資金調達費用をみると、国内金利は低下したが、米国短期金利の上昇や円安に伴う為替換算等から預金利息が1,455億円(同384億円、35.9%増)、コールマネー利息が339億円(同168億円、98.4%増)と増加したこと等から、資金調達費用全体では、3,860億円(同1,041億円、36.9%増)となった。
当期純利益は、一部の銀行で法人税等調整額(税金費用)等が増加したものの、経常利益が増益となったことに加え、貸倒引当金の戻入れ等により特別利益が増加したことから、8,410億円(前年度比1,540億円、22.4%増)と、過去最高益を記録した(増益42行、減益17行、黒字転換2行、当期純損失3行)。
業務純益は、有価証券利息配当金が増加したものの、資金調達費用が増加したこと等から1兆5,231億円(前年度比373億円、2.4%減)となった(増益28行、減益31行、赤字1行)。また、国内業務粗利益は3兆6,355億円(同737億円、2.1%増)となり、国際業務粗利益は1,573億円(同238億円、13.2%減)となった。
資金運用利回りをみると、貸出金利回りは前年度比0.08%ポイント低下して1.98%、有価証券利回りは同0.05%ポイント上昇して1.11%、コールローン等利回りは同0.08%ポイント上昇して0.12%となった。この結果、資金運用利回り全体では、同0.04%ポイント低下して1.66%となった。
資金調達原価をみると、預金債券等利回りは同0.01%ポイント低下して0.03%、コールマネー等利回りは同0.54%ポイント低下して0.52%となった。また、経費率は、人件費率が低下したこと等から同0.01%ポイント低下して1.19%となった。この結果、資金調達原価全体では、同0.04%ポイント低下して1.22%となった。
以上の結果、総資金利鞘は、前年度比不変の0.44%となった。
預金は、定期性預金が減少したものの、流動性預金は増加したことから、末残で189兆2,703億円(前年度末比1兆481億円、0.6%増)となった。また、平残では186兆3,273億円(前年度比3兆1,735億円、1.7%増)となった。
譲渡性預金は、末残で4兆1,090億円(前年度末比6,347億円、18.3%増)となった。また、平残では4兆6,871億円(前年度比2,797億円、6.3%増)となった。
貸出金は、国内業務部門において住宅ローンなどが増加したことに加え、企業向け貸出も増加に転じたことから、末残で140兆5,137億円(前年度末比3兆1,419億円、2.3%増)となった。また、平残では136兆8,591億円(前年度比2兆5,322億円、1.9%増)となった。
銀行勘定のリスク管理債権についてみると、破綻先債権額は3,150億円(前年度末比711億円、18.4%減)、となり、延滞債権額は4兆377億円(同6,091億円、13.1%減)、3カ月以上延滞債権額は470億円(同185億円、28.2%減)、貸出条件緩和債権額は1兆8,504億円(同5,468億円、22.8%減)となった。この結果、銀行勘定のリスク管理債権全体では、6兆2,502億円(同1兆2,454億円、16.6%減)となった。
なお、金融再生法第7条に基づき開示が義務づけられている資産査定の各区分の内容は、それぞれ破産更生債権及びこれらに準じる債権は1兆2,592億円(同2,283億円、15.3%減)、危険債権は3兆2,019億円(同5,295億円、14.2%減)、要管理債権額は1兆8,562億円(同5,098億円、21.5%減)、正常債権は137兆1,123億円(同4兆3,971億円、3.3%増)となった(信託勘定の計数は除く)。
有価証券は、市場の回復により株式が増加したことに加え、国債や外国証券等が増加したことから、末残で61兆8,472億円(前年度末比4兆8,495億円、8.5%増)となった。また、平残では57兆5,800億円(前年度比4兆1,346億円、7.7%増)となった。
資本金は、当期中に8行で増資が、また、12行で転換社債型新株予約権付社債の転換等が行われたことから、2兆4,609億円(前年度比997億円、4.2%増)となった。また、株式等評価差額金が2兆2,219億円(同6,838億円、44.5%増)と評価益となり、資本勘定全体では、11兆8,641億円(同1兆5,025億円、14.5%増)となった。
担当:石井