以下は、都市銀行6行(みずほ、三菱東京UFJ、三井住友、りそな、みずほコーポレート、埼玉りそな)、地方銀行64行、地方銀行II(第二地方銀行協会加盟の地方銀行)47行、信託銀行7行(三菱UFJ信託、みずほ信託、中央三井信託、住友信託、野村信託、三井アセット信託、りそな信託)、新生銀行、あおぞら銀行の126行ベースで算出、分析したものである。
担当:加藤
(以下は、銀行単体の決算をとりまとめたものである。)
全国銀行126行の平成17年度決算をみると、資金運用益は、資金運用収益が資金調達費用を上回って増加したため、8兆7,451億円(前年度比565億円、0.7%増)と、若干の増益となった。また、各種手数料等の受払収支を示す役務取引等利益は、2兆1,281億円(同3,351億円、18.7%増)と、増益となった。
経常利益は、以上に加えて、不良債権処理が進展して貸出金償却等が2兆円以上減少し、株式等関係収支も利益に転じたこと等から、4兆7,500億円(同2兆8,481億円、149.7%増)と、大幅な増益となった。
当期純利益は、経常利益が大幅な増益となったことに加え、貸倒引当金の戻入れ等により特別利益が増加した一方で、法人税等について繰越欠損金による控除が行われたこと等から、4兆2,033億円(同2兆9,090億円、224.7%増)と、過去最高益を記録した。
なお、参考までに業務純益をみると、5兆7,110億円(同7,322億円、11.4%減)と減益となったが、その要因は、前年度に一般貸倒引当金の大幅な取崩しがあったこと等による。
業容面(末残)は、預金が前年度末比で1.5%の増加、貸出金は同3.4%の増加、有価証券は同3.5%の増加となった。
資金運用利回りをみると、貸出金利回りは前年度比0.14%ポイント低下の1.70%、有価証券利回りは同0.22%ポイント上昇して0.96%、コールローン等利回りは同0.15%ポイント上昇して0.43%となった。以上に加えて、金利スワップ受入利息等も含めて算出した資金運用利回りは、同0.02%ポイント低下して1.42%となった。
資金調達原価をみると、預金債券等利回りは同0.01%ポイント低下して0.05%(預金利回りは0.04%)、コールマネー等利回りは同0.09%ポイント低下して0.20%となった。また、人件費率・物件費率がともに低下したことから、経費率は同0.03%ポイント低下して1.04%となった。以上に加えて、金利スワップ支払利息等も含めて算出した資金調達原価は同0.03%ポイント低下して1.02%となった。
以上のように、資金運用利回り、資金調達原価ともに低下したが、資金調達原価の低下が資金運用利回りの低下を上回ったことから、総資金利鞘は同0.01%ポイント拡大して0.40%となった。なお、預貸金利鞘は、貸出金利回りの低下を主因に、同0.11%ポイント縮小して0.60%となった。
預金は、国内業務部門では、年度中、定期性預金は減少したが、流動性預金が増加し、全体でも増加した。一方、国際業務部門では、外貨預金は減少したが、海外店は定期預金を中心に増加し、全体でも増加した。この結果、末残では548兆6,374億円(前年度末比7兆8,737億円、1.5%増)となった。また、平残では550兆9,231億円(前年度比24兆1,338億円、4.6%増)となった。
譲渡性預金は、国際業務部門で増加が見られ、末残では31兆3,096億円(前年度末比1兆7,794億円、6.0%増)となり、平残では32兆6,703億円(前年度比1,034億円、0.3%減)となった。
債券は、末残では8兆7,598億円(前年度末比1兆2,336億円、12.3%減)となり、平残では9兆3,565億円(前年度比1兆6,463億円、15.0%減)となった。
貸出金は、国内業務部門では、年度中、住宅ローンを中心とする個人向け貸出や、中央政府・地方公共団体等向け貸出が増加した。また、企業向け貸出も、不良債権の売却・償却がピークアウトしたことや、景気の回復基調から借入需要が一部に出始めたことから、概ね横這いとなった。これにより、国内業務部門全体としても増加した。また、国際業務部門では、年度中、アジア向け貸出の伸びや円安に伴う為替換算等から大幅に増加した。この結果、貸出金全体では、末残で428兆625億円(前年度末比13兆9,887億円、3.4%増)となった。また、平残では425兆9,201億円(前年度比13兆3,660億円、3.2%増)となった。
ここで、不良債権の状況として、銀行勘定のリスク管理債権額をみると、破綻先債権額は6,058億円(前年度末比1,350億円、18.2%減)、延滞債権額は7兆6,835億円(同2兆8,241億円、26.9%減)、3カ月以上延滞債権額は1,306億円(同889億円、40.5%減)、貸出条件緩和債権額は4兆5,413億円(同1兆647億円、19.0%減)であった。この結果、リスク管理債権額の総額は、12兆9,614億円(同4兆1,127億円、24.1%減)となり、貸出金総額に占める比率も同1.09%ポイント低下して3.03%となった。
また、金融再生法第7条に基づき開示された資産査定の各区分の内容(いずれも銀行勘定)は、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が2兆3,154億円(同7,867億円、25.4%減)、危険債権が6兆2,799億円(同2兆3,612億円、27.3%減)、要管理債権が4兆6,311億円(同1兆955億円、19.1%減)、正常債権が442兆785億円(同18兆5,936億円、4.4%増)であった。
有価証券は、年度中、国債が減少した一方で、社債が増加したほか、市況の回復により株式が増加、また、円安に伴う為替換算等もあって外国証券が増加したことから、末残で207兆3,114億円(前年度末比7兆431億円、3.5%増)となった。また、平残では209兆1,932億円(前年度比13兆4,157億円、6.9%増)となった。
当期中、地方銀行8行、第二地銀協地銀8行が増資を、また、第二地銀協地銀1行が減資を行い、地方銀行12行、第二地銀協地銀2行、信託銀行2行で転換社債型新株予約権付社債の転換等が行われたほか、都市銀行で2件、信託銀行で1件合併が行われた。この結果、資本金は9兆1,591億円(前年度末比1兆4,189億円、13.4%減)となった。また、資本勘定全体では、37兆3,058億円(同5兆8,710億円、18.7%増)と増加した。
担当:増田
| 全国銀行 | 都市銀行 | 地方銀行 | 地方銀行II | 信託銀行 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 資金運用益 | 87,451 (565) |
37,935 (461) |
32,700 (111) |
10,744 (7) |
5,044 (62) |
| 役務取引等収支 | 21,281 (3,351) |
12,050 (1,748) |
4,880 (680) |
926 (200) |
3,176 (672) |
| 特定取引収支 | 1,160 (△2,258) |
715 (△2,100) |
105 (△40) |
- (-) |
60 (△119) |
| その他業務収支 | 7,603 (△163) |
6,737 (247) |
226 (△249) |
△118 (△388) |
234 (△50) |
| その他経常収支 | △8,587 (28,174) |
△3,464 (24,153) |
△3,451 (1,605) |
△1,405 (1,010) |
△601 (1,274) |
| 信託報酬 | 3,849 (△154) |
162 (63) |
8 (△3) |
- (-) |
3,679 (△214) |
| 営業経費 | 65,256 (1,034) |
27,575 (562) |
23,352 (221) |
7,532 (53) |
5,595 (120) |
| 経常利益 | 47,500 (28,481) |
26,562 (24,009) |
11,115 (1,884) |
2,614 (776) |
5,997 (1,504) |
| 当期純利益 | 42,033 (29,090) |
26,072 (24,911) |
8,410 (1,540) |
1,446 (558) |
4,157 (1,682) |
| 参考:業務純益 | 57,110 (△7,322) |
29,998 (△6,678) |
15,231 (△373) |
4,232 (△406) |
6,712 (△48) |