〔以下は、都市銀行6行(みずほ、三菱東京UFJ、三井住友、りそな、みずほコーポレート、埼玉りそな)、地方銀行64行、地方銀行II(第二地方銀行協会加盟の地方銀行)44行、信託銀行7行(三菱UFJ信託、みずほ信託、中央三井信託、住友信託、野村信託、中央三井アセット信託、りそな信託)、新生銀行、あおぞら銀行の123行ベースで算出、分析したものである。〕
(以下は、銀行単体の決算を取りまとめたものである。)
全国銀行123行の平成20年度決算をみると、資金運用益は、国内業務部門では減益となったものの、金融危機による米欧政策金利の引き下げを主因に国際業務部門で大幅な増益となったことから、8兆7,037億円(前年度比1,116億円、1.3%増)と、前年度に引続き増益となった。また、各種手数料等の受払収支を示す役務取引等収支は、投資信託販売手数料が大幅に減少したことから、1兆6,896億円(同3,198億円、15.9%減)と、減益となった。
経常利益は、以上に加えて、金融危機による市場の混乱により株式等関係損益、国債等関係損益が大幅な損失超過となったほか、国内景気の悪化により建設業・不動産業を中心に与信関係費用が大幅に増加したことから、1兆6,096億円の赤字(前年度は3兆4,497億円の黒字)と6年ぶりに赤字に転じた。
当期純利益は、以上の結果、1兆9,956億円(注)の赤字(前年度は2兆1,246億円の黒字)と5年ぶりに赤字に転じた。
資金運用利回りをみると、貸出金利回りは前年度比0.03%ポイント低下して1.98%、有価証券利回りは同0.08%ポイント低下して1.12%、コールローン等利回りは同0.02%ポイント上昇して0.96%となった。以上に加えて、金利スワップ受入利息等も含めて算出した資金運用利回りは、同0.03%ポイント低下して1.65%となった。
資金調達原価をみると、預金債券等利回りは前年度比0.01%ポイント上昇して0.31%(預金利回りは0.29%)、コールマネー等利回りは同0.07%ポイント低下して0.75%となった。また、経費率は前年度比変わらず1.11%となった。以上に加えて、金利スワップ支払利息等も含めて算出した資金調達原価は前年度比変わらず1.37%となった。
以上のように、資金運用利回りが低下したことから、総資金利鞘は前年度比0.03%ポイント縮小して0.28%となった。なお、預貸金利鞘は、貸出金利回りが低下し、預金債券等原価は上昇したことから、前年度比0.05%ポイント縮小して0.56%となった。
預金は、国内業務部門では、個人の選好により定期性預金が増加したこと等から、全体でも増加した。一方、国際業務部門では、米欧政策金利の引き下げにより定期性預金を中心に減少したことから、全体でも減少した。この結果、末残では576兆3,524億円(前年度末比11兆781億円、2.0%増)となった。また、平残では558兆2,165億円(前年度比6兆3,482億円、1.2%増)となった。
譲渡性預金は、末残では、国際業務部門における増加を主因に35兆4,364億円(前年度末比1兆8,912億円、5.6%増)となり、平残では、国内業務部門における増加を主因に36兆5,777億円(前年度比2兆2,445億円、6.5%増)となった。
債券は、末残では4兆4,731億円(前年度末比1兆4,307億円、24.2%減)となり、平残では5兆3,912億円(前年度比1兆614億円、16.4%減)となった。
貸出金は、国内業務部門では、金融危機による大企業のCPや社債発行の急減による振り替わり、および中小企業の信用保証協会の緊急保証制度の利用等から増加した。また、国際業務部門では、米欧金融機関における信用収縮の影響によりシンジケートローンが増加したこと等から、貸出金全体では、末残で465兆9,970億円(前年度末比20兆214億円、4.5%増)となった。また、平残では451兆112億円(前年度比17兆2,896億円、4.0%増)となった。
ここで、不良債権の状況として、銀行勘定のリスク管理債権額をみると、破綻先債権額は1兆5,646億円(前年度末比9,554億円、156.8%増)、延滞債権額は7兆8,218億円(同1兆64億円、14.8%増)、3カ月以上延滞債権額は1,697億円(同603億円、55.1%増)、貸出条件緩和債権額は1兆9,460億円(同1兆5,804億円、44.8%減)であった。この結果、リスク管理債権額の総額は、11兆5,023億円(同4,416億円、4.0%増)となったものの、貸出金総額に占める比率は同0.01%ポイント低下して2.47%となった。
また、金融再生法第7条にもとづき開示された資産査定の各区分の内容(いずれも銀行勘定)は、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が3兆3,748億円(前年度末比1兆3,789億円、69.1%増)、危険債権が6兆3,723億円(同7,078億円、12.5%増)、要管理債権が2兆1,177億円(同1兆5,196億円、41.8%減)、正常債権が485兆8,265億円(同16兆7,229億円、3.6%増)であった。
有価証券は、株価の大幅な下落による減損等の影響により株式は減少したものの、国債が大幅に増加したことから、末残で194兆8,133億円(前年度末比7兆1,168億円、3.8%増)となった。また、平残では190兆5,233億円(前年度比2兆1,317億円、1.1%増)となった。
当期中、都市銀行1行、地方銀行4行、第二地銀協地銀8行、信託銀行1行が増資を、地方銀行2行、第二地銀協地銀2行が減資を行った。また、地方銀行4行で転換社債型新株予約権付社債等の転換が行われた。この結果、資本金は9兆6,921億円(前年度末比3,098億円、3.3%増)となった。また、純資産の部合計では、その他有価証券評価差額金が1兆8,852億円の評価差損(前年度末は2兆4,597億円の評価差益)となったこと等から、28兆9,676億円となった。
[担当:竹内]
| 全国銀行 | 都市銀行 | 地方銀行 | 地方銀行II | 信託銀行 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 資金運用益 | 87,037 (1,116) |
37,576 (1,732) |
33,467 (175) |
9,985 (△479) |
4,591 (△256) |
| 役務取引等収支 | 16,896 (△3,198) |
10,152 (△995) |
4,000 (△873) |
687 (△247) |
1,913 (△974) |
| 特定取引収支 | 5,116 (△6,368) |
5,146 (△5,832) |
130 (△22) |
- (-) |
△416 (△605) |
| その他業務収支 | △6,526 (△2,358) |
△274 (2,197) |
△3,390 (△2,194) |
△2,742 (△2,489) |
1,456 (1,312) |
| その他経常収支 | △52,417 (△37,233) |
△28,848 (△20,779) |
△11,027 (△6,705) |
△4,745 (△3,102) |
△4,814 (△3,762) |
| 信託報酬 | 3,146 (△586) |
93 (△31) |
7 (△0) |
- (-) |
3,047 (△555) |
| 営業経費 | 69,348 (1,967) |
29,908 (948) |
24,527 (659) |
7,695 (47) |
5,950 (371) |
| 経常利益 | △16,096 (△50,593) |
△6,064 (△24,656) |
△1,341 (△10,278) |
△4,510 (△6,365) |
△173 (△5,211) |
| 当期純利益 | △19,956 (△41,202) |
△11,056 (△22,083) |
△699 (△5,805) |
△3,755 (△4,645) |
△423 (△4,078) |
| 参考:業務純益 | 34,953 (△15,128) |
21,765 (△5,314) |
9,957 (△3,320) |
28 (△3,606) |
5,131 (△922) |