Q. まったくのビギナーは、何から投資を始めればいい?

<私、悩んでいます>

「今までほとんど投資には縁がありませんでした。しかし、最近物価も上がり始め、将来もしインフレになった場合、投資をして備えるべきという気がしています。そこで、まったくのビギナーはどのような投資商品がおすすめでしょうか。また、どのくらい資金があれば始められるのでしょうか?(29歳/男性)」

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • ビギナーであれば「少額投資」が基本
  • 積立投資なら月額数千円で「時間の分散」の効果が期待できる
  • 株式も1株から購入できるが、コストにも気をつけよう
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「おこづかい投資」から始めよう

投資経験のない人が投資を始める場合、ぜひ実践してほしいのが、リスクを抑えられ、しかも手軽にできる「少額投資」です。投資と聞くと「まとまった資金が必要」というイメージを持つ人もいますが、実はそんなことはありません。投資商品によっては1,000円程度から、それこそおこづかいで始められるのです。

少額で行うのにもっとも適した投資法が「積立投資」です。
そのメリットは2つ。まず、毎月決まった額を投資するため、購入時期を気にしなくて済みます。また、一定額で買い続けるため、価格が下がれば多く、上がれば少なく買うことになり、結果的に平均購入価格を下げる効果(ドルコスト平均法)も生みます。投資商品は絶えず価格が変動しています。安いところで購入できれば、より高い利益が期待できますが、その動きを予測することは難しいもの。逆に高いところで買ってしまうリスクもあります。積立投資はそういったリスクを抑える効果的な方法というわけです。

少額投資にとってNISAはうってつけの制度

具体的な商品として、ビギナー向けの代表は「投信積立」でしょう。証券会社や銀行などで扱っています。積立額は「月額1,000円~」が主流。気になる投資信託を数本、分散投資でという場合でも、月3,000〜5,000円もあれば十分。また、ほとんどの証券会社が普段利用している銀行口座から、手数料無料で引き落としをしてくれる利便性も見逃せません。

証券会社で扱う株式も、積立購入が可能です。通常、株式購入単位は各銘柄の1単元(多くは100株か1000株単位)×株価(時価)となっています。しかし、「株式累積投資(るいとう)」は、株式数や株価に関係なく、1銘柄につき毎月1万円以上1,000円単位で買い付けることが可能となります。
また、積立以外に、通常より少額で売買できる少額投資商品もあります。「ミニ株」は、 単元株の10分の1の単位での購入が可能。「単元未満株取引」は1株から購入できます。どちらも単元株のように指値注文はできませんが、配当は保有株式数 に応じて受け取れ、単元未満株取引では株主優待が受け取れるケースもあります。

少額投資で注意したいのはコスト管理です。とくに株式の場合、売買手数料が結果的に割高になってしまうこともあります。また、NISA(少額投資非課税制度)を利用すれば、売却益や分配金、配当金が非課税となります。1年間120万円という枠は少額投資なら十分な大きさ。また、「つみたてNISA」の投資枠は年間40万円ですが、20年間積み立て可能と長期投資に向いています。コスト意識を持ちながら、これらを活用することが大事なポイントと言えるでしょう。