Q. iDeCoとNISA、投資にはどっちが向いている?

<私、悩んでいます>

投資未経験の専業主婦です。今後いろいろとお金が必要なので、勉強をして少しずつ投資を始めたいと考えていますが、iDeCoとNISAではどちらを利用した方がいいでしょうか? 
(33歳/女性)

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • 両者の特徴を十分理解し、「使い分ける」という発想が大切
  • 老後資金づくりならiDeCo。掛け金が全額所得控除となる点も大きい
  • NISAは運用できる商品の選択肢が広く、いつでも売却し現金として引き出せる
さらに読む

iDeCoの強みは「老後資金づくり」と「節税効果」

iDeCo(個人型確定拠出年金)もNISAもその制度を利用して投資を行うと、運用益や配当にかかる税金20.315%(所得税15.315%[※1]、地方税5%)が非課税となります。低金利が続く今、十分に大きな利点と言っていいでしょう。
では、ご相談者の場合、どちらの制度を選択すべきでしょうか。投資に回せる金額にもよりますが、基本的には両者の特徴を十分理解したうえで、より自分に適したかたちで「使い分ける」という発想がいいと考えます。

iDeCoは、積み立て時もその掛け金(拠出金)が全額、所得控除になります。会社員やパートなどはもちろん、現在は専業主婦であっても、今後働いて一定の収入を得ることになれば、所得税と住民税において確実に節税となるわけです。これはNISAにはない大きなメリットです。

また、掛け金を老後資金として引き出す際は所得税が発生しますが、一括で受け取るなら退職所得控除、年金として受け取るなら公的年金等控除の対象となります。

ただし、老後の備えに特化した制度ですから、掛け金は原則60歳以降にならないと引き出すことができません。教育資金や住宅資金など他の備えのための貯蓄もするためには、あまりこちらに資金をシフトすることはできません。iDeCoは何度でも積み立ての停止が可能ですし、掛け金の変更もできます。絶えず家計のバランスを考えて利用するといいでしょう。

幅広く投資ができるNISA

一方、NISAのメリットは、利用できる投資商品が多岐に渡っているという点です。証券取引所に上場している国内外の個別株、投資信託、REIT、ETFなどが対象となります。10数本の投資信託から選択するiDeCoとは、選択の幅が異なります。
また、iDeCoは積み立てという形でしか運用できませんが、NISAはそのような制限はなく、年間120万円の範囲での商品購入が可能。もちろん、いつでも売却して現金として引き出すこともできます。

デメリットとしては、非課税で運用できる期間が5年以内[※2]に限られている点があります。確定拠出年金のように長期間非課税での運用はできません。また、一般の投資では、他の投資などで生じた損失を利益と合算することで節税できる「損益通算」という仕組みがありますが、NISAの投資では損益通算をすることはできないので、注意が必要です。
また、「ジュニアNISA」や、2018年1月から開始の、積み立て方式での資産形成に適した「つみたてNISA」によって、さらに利用する側の状況に応じたNISAの活用が可能となります。例えば、「ジュニアNISA」の対象者は0〜19歳。運用による子どもの教育資金づくりに適しています。また、「つみたてNISA」の投資額は最大で年間40万円と「NISA」よりも少額ですが、非課税で運用できる期間は20年と長く、非課税枠を利用した長期投資が可能となります。

もちろん、iDeCoとNISAは併用して利用できます(ただし、NISAとつみたてNISAの併用はできません)。投資に回せる金額にもよりますが、基本的には両者の特徴を十分理解したうえで、より自分に適したかたちで「使い分ける」という発想が望ましいでしょう。

[※1]本来の所得税率15%に「復興特別所得税」として0.315%が加算されている(所得税率に2.1%を乗じた数値が加算分)。
[※2]5年間の運用期間終了後、翌年のNISAの投資枠に最長5年、再投資(ロールオーバー)ができます。