平成30年9月14日(金)13:10~14:00

兵庫県立姫路商業高等学校 商業科(3時間目)

 3時間目は、家計管理に関する基礎的な知識、技能について理解し、その重要性と必要性や活用方法について考えることを目的とした授業が行われました。

 3時間目のはじめに前時の振り返りとして、ローンやクレジットを利用するときに考えるべき3つのポイント、「買う物が本当に必要かどうか考える」、「万一のときに対応できる余裕のある返済計画にする」、「複数のローンの情報を集め、金利などの条件を比較する」を確認しました。

 ここで先生から「実は高校生のみなさんも、既にクレジットの仕組みを利用している可能性があります。何を購入する際に活用しているか、班で話し合ってください」と指示がありました。生徒たちは「スマートフォンの支払いだと思う」、「利用料ではなく、本体の購入代金を分割で支払っているよね」など、意見を出し合いました。
 生徒たちの意見で出た「スマートフォンの端末代金を毎月の利用料に上乗せして支払う」ことは、具体的にはクレジット会社が端末代金を販売会社に立て替えて払い、利用者は後からその代金を払うということです。これはクレジットカードやローンと同様、信用取引の一つであり、信用取引を利用した全ての人の取引記録は個人信用情報として「個人信用情報機関」に登録されます。金融機関は、クレジットやローンの申込みを受けると、その取引の判断のために個人信用情報も確認するため、返済の延滞などの情報が登録されると、新たな信用取引ができなくなるなど、人生の選択肢を自分で狭めてしまう可能性もあることが伝えられました。
 就職や進学でひとり暮らしを始めるタイミングでスマートフォンの端末代金や毎月の利用料を自分で支払うようになることもあるため、個人信用情報についてしっかりと理解して、支払いが滞らないようにして欲しいということも併せて伝えられました。

 続いて、来年4月から就職や進学でひとり暮らしを始める生徒が多いことから、ひとり暮らしの家計管理について考えていきました。
 まずは、ひとり暮らしをスタートする際に必要な初期費用について、班で意見を出し合った後、クラス全体で確認していきました。初期費用は「部屋を借りるための費用(家賃、敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料、鍵の交換費用)」、「引っ越し費用」、「家具・家電など生活必需品を購入するための費用」の3つに分けて考えることができます。そこで、家賃を70,000円とした場合を例に、初期費用がどのくらい必要になるか試算してみたところ、50万円近くかかることが分かりました。先生からは、礼金や手数料、前家賃が必要ない物件を選ぶなどの工夫をすることで、初期費用を抑えることができることが伝えられました。
 ここで実際に、賃貸物件情報をネットで検索して、礼金が必要ない物件や、立地条件などから家賃が低く設定されている物件などを確認していきました。
  次時は、ひとり暮らしをスタートした後の生活に必要なお金について考えていくことが伝えられ、授業は終了しました。