平成30年10月12日(金)13:10~14:00

兵庫県立姫路商業高等学校 商業科(7時間目)

 7時間目は、資金を借りる企業の立場と融資をする銀行の立場になってロールプレイングを行い、融資における信用とは何かを考え、金融の仕組みや銀行の役割について理解することを目的とした授業が行われました。

 はじめに先生から、本時で実施するロールプレイングの説明がありました。

  • 班ごとにベンチャー企業として新しいビジネスモデルを考え、その計画に必要な資金について、銀行役から融資審査を受ける(プレゼン資料を作成する)。
  • 各班は他の班の銀行役として、融資審査を行う。その際、適切な返済計画が立てられているか考え、融資するかどうか決める。また、必要に応じて、計画に足りないものを追加してもらう。

 次に、新しいビジネスモデルを考える前提として、次の条件が伝えられました。

  • 新規で創業する
  • 手元資金は500万円
  • 姫路市の駅近くに500㎡の自宅所有(不動産を持っている)
  • 代表者は姫路商業銀行出身(金融の知識があり、地元にも人脈がある)
  • 扱う商品は既存のもの
  • 誰に、何を、どのように販売するか考える

 各班に日本政策金融公庫ホームページに掲載されている、新たに事業を始める際に事業計画を提出するための「創業計画書」と事業資金を借りるための「借入申込書」が配付されました。
 どのような事業をするか班で話し合ったことを「創業計画書」に、銀行から融資を受ける必要がある金額を「借入申込書」にそれぞれ記入していくよう指示がありました。

 ある程度話合いが進んだところで、各班に中間発表をしてもらいました。

  • 1班:中高生向けの食べ歩きができるもの
    1,000円程度の低めの価格設定にして、誰でも買いやすいものを販売する。
  • 2班:DVD、コミック、雑誌などのレンタル事業
    家庭ごとにレンタル契約をして、次に借りたい人の家に直接送ることで発送費をかけず、多くの人にレンタルができるようにする。
  • 3班:老人ホーム兼幼稚園
    少子高齢化や待機児童対策として有効なのではと考えた。
    1億円借りて30年で返済する。
  • 4班:駅そばを駅前の複合商業施設に出店
    これまで駅の中にしかなく場所も不便で、カウンターだけで入りにくかった。
    女性が一人でも入りやすい店にする。出汁のいい香りで集客できる。

 各班の中間発表を受けて、先生から話し合いを進めていく際のポイントが伝えられました。
まずは、誰に何をどのように販売するか、資金はいくら必要か、どのような売上が見込めるか、どのように返済するかを考えること。1か月にかかる費用(ランニングコスト)が想定できれば、必要な収益について試算することができる、ということでした。
 事業計画をもとに銀行から融資を受けるには、全体をイメージして、そこから一つ一つを具体的に考え、輪郭を明確にしていくことでゴールにつながりやすいことが伝えられました。 
 生徒は、これらのポイントを踏まえ改めて話し合いを進め、創業計画書を作成していきました。

 次時では、「創業計画書」を仕上げ、各班が企業側・銀行側のそれぞれの立場で、計画のプレゼンと融資審査を行うことが伝えられ、授業は終了しました。