平成30年10月12日(金)14:10~15:00

兵庫県立姫路商業高等学校 商業科(8時間目)

 8時間目は前時に引き続き、金融のしくみや銀行の役割について理解することを目的に、資金を借りる企業と融資する銀行の立場になって考えるロールプレイング授業が行われました。

 まず、前時の話し合いで決まった事業について、売上や必要経費の予測など、より具体的な内容を班で話し合い、「創業計画書」を完成させていきました。これを踏まえ、どのくらい融資を受ける必要があるか、どのように返済していくかを決めていきました。

 駅そば屋の出店を計画している4班は、生徒自身がチェーン店のうどん屋に行った経験をもとに、商品の値段や1時間毎の来客数を予測し、1日の売り上げを考えていきました。また、必要な従業員数など人件費についても考えていきました。
 DVD等のレンタル事業を計画している2班は、貸出しが少ない商品は中古品として販売することにしました。実際にあるインターネット上の物品売買サービスのスマートフォン用アプリ登録数を先生に調べてもらい、サービスの利用者数から売上を予測していきました。

 各班のプレゼン準備ができたところで、企業役の班と銀行役の班に分かれプレゼンを行いました。先生からプレゼンをする際のポイントとして、以下の点が伝えられました。

  • 企業側は、事業の説明と必要な融資額、返済計画を伝え、銀行側に「創業計画書」を提出する
  • 銀行は、プレゼン内容をメモして、質問できるようにする
  • 銀行は、事業を成功させるためのアドバイスをする(計画を取り止めさせるための批判ではない)
  • 銀行は、融資したお金を回収できるか、返済計画の実現性を見極めて融資を決める(将来性のある事業には融資することが銀行の利益につながる)

 3班の「老人ホーム兼幼稚園」事業のプレゼンでは、創業の動機、サービスの内容、利用料・利用者数から予測した売り上げ、従業員の人件費など運営にかかる経費、返済計画の説明を行い、1億円の融資を希望しました。
 プレゼンを受けて、銀行役の4班からは「送迎バスは1台で足りるか」、「子どもと遊ぶことができる元気なお年寄りは老人ホームには来ないのではないか」、「子どもと触れ合うというのは具体的に何をするのか」、「子ども・お年寄りの安全性に問題はないか」など、融資すべき事業なのか判断するための様々な質問が出ました。

 続いて、企業役と銀行役の班を入れ替えて、プレゼンを行いました。銀行役の時に相手にした質問は自分たちの計画を考えるうえでも大切なポイントになるので、しっかり振り返るよう先生から指示がありました。
 各プレゼンが終わると先生から、実際には1度のプレゼンで融資が決まることはほとんどなく、銀行からの質問や指摘を受け、計画の修正を繰り返して希望通りの融資が受けられるようになることが伝えられました。また、計画性や将来性も大事だが、どれだけこの事業を立ち上げたいか、社会的なニーズがあるのかという事業に対する想いや熱意も必要であると補足されました。

 計画には、飲食店の営業に必要な許可のことや経理簿記など、これまでの授業で身に付けた知識を活用して考えていく必要があることが伝えられ、授業は終了しました。