平成30年11月2日(金)13:10~14:00

兵庫県立姫路商業高等学校 商業科(9時間目)

 9時間目は、将来の経済的自立のために必要となる知識を、実感を持って身に付けることを目的とした授業が行われました。

 前時までに学んできた、ライフイベントにかかる資金を準備する方法や、家計管理に関する基礎的な知識を踏まえ、生活設計・マネープランゲームを活用し、将来の生活をシミュレーションしながら長期的な資金計画について考えていきます。

 このゲームは、人生には様々な選択があることに気付くとともに、計画性を持って生活をしていく必要があることを体感するアクティブラーニング型の教材です。カードを引くことで、人生のさまざまなできごと(就職、生活の仕方、結婚、子育て、住居購入等)とそれに伴う費用や満足度(思い出ポイント)を決めていき、決めた内容をシートに記録しながら振り返りを行っていきます。4~5人班で行うグループワークで、生徒たちが主体的に考え、話し合いながら進めていく教材となっています。

 班の中で係を決め、カードを並べてゲームが始まりました。
就職をして自立した生活をはじめる20歳代の体験では、収入カードを引いて収入額を決め、税金や社会保険料などの非消費支出も記録していきます。給与の支払総額から非消費支出を引いた残りを「可処分所得」ということも、既習内容として確認しました。
 次に、どのように生活していくのかを決める基本生活支出カードを引き、収支を計算しました。この時点で収支がマイナスになっている班はひとつもありませんでした。
 その後、自動車の購入を決め、20歳代の収支と思い出ポイントを計算しました。ある班からは「このままでは、結婚とか子育てとか難しいかもしれない」という声があがり、30歳代以降の生活についてどのようにしていくのが良いか話し合う様子が見られました。

 続いて30歳代の体験では、さまざまなライフイベント(結婚・子育て・住居の購入・自動車の購入・保険の選択・イベント&アクシデント)を経験しながら、それらに必要なお金について学んでいきます。
 まず、人生の三大資金等について進行スライドで確認しました。特に、老後の生活資金については、年金の支給開始年齢が引き上げられていること、可能な限り働き続けられるようにしておくことの重要性が伝えられました。
 人生の三大資金と平均金額を確認した後、結婚カード、子育てカードを引いて家族構成を決めていきました。非消費支出は収入と家族構成によって金額が変わるため、結婚した班は働く人数や子どもの人数に注意して算出するよう指示がありました。
 家族構成が決まった後は住宅購入について考えます。ここまでの貯蓄額を確認し、家族構成や今後の生活のことも考えながら、購入するか、賃貸にするか、購入する場合はどのような支払方法にするか等、話し合って決めていきました。この時点で貯蓄額がマイナスの班は賃貸しか選択できないことを知ると、「貯蓄額がマイナスだと信用がないから、新しくお金を借り入れることができないということか」という声が聞かれました。
 その後、自動車の購入、保険の加入について決め、株価急騰や宝くじが当たるという嬉しいイベントも起こることもあれば、火事や病気で入院などアクシデントも起こる「イベント&アクシデントカード」を引きました。人生には不測の事態が起こることがありますが、アクシデントの内容によっては保険でカバーできる場合もあることを理解していきました。

 ここで先生から、次時は40歳代~60歳の人生の疑似体験をしていくので、班で30歳代までの人生を振り返り、今後の人生をどのように進めていけばよいのか話し合いまとめておくよう指示があり、授業は終了しました。