令和元年12月3日(火)10:45~11:35

 5時間目は単元のまとめで、「社会の変化に対応するために、どのような力を身に付けるべきか」がテーマです。

 これまでの4時間の授業で学んできた「キャッシュレス化が進むとどのような変化が起きるか、その際、どのような力が必要になるか」、「ひとり暮らしをするときのお金の使い方の注意点」、「消費者トラブルに遭わないための注意点」、「ネットショッピングの普及により、どのような変化が起きるか。その際、どのような力が必要になるか」を振り返り、生徒一人ひとりが社会に出るまでにどのような力を身に付けておく必要があるか考え、まとめていきました。

 はじめに、前時のまとめとして、ネットショッピングの普及から、どのような変化が起こるか等を班で考え、発表しました。

 【各班のまとめ】 
まとめ(どのような変化が起こるか等)
1 ・倒産が増えるから空き地も増える ・詐欺が増える ・失業者が増える 
・お年寄りはインターネットを使えない ・配送業が増えるので、二酸化炭素の排出量が増える
2 ・専門店(自営業)がなくなる ・詐欺が増えると思うので対策を考える必要がある 
・トラブル(発注ミスなど)が増える ・地球温暖化が進む(二酸化炭素増加)
3 ・人と人とのコミュニケーションがなくなる ・小さな会社は倒産しやすくなる ・失業者が増える
・地球温暖化が進む
4 ・万引きがなくなる ・失業者が増える(スーパーやショッピングモールで働いていた人) 
・詐欺が増えると思うので、日本語表記におかしなところがないか気をつけなければいけない
5 ・店が減る→宅配業者が増える/空き地が増える ・飲食店が増える ・店員が減る ・詐欺が増える 
・新鮮な食材が手に入りにくくなる
6 ・レジ打ちの人が必要なくなる ・実物を見て買い物ができないのでトラブルが起きる
・運送会社が成長する
7 ・配達員が増える ・外出が減るため肥満の人が増えるかもしれない 
・インターネット経由での買い物になるため、全ての人がスマホやパソコンを持たないといけない
8 ・インターネットが主流→物を運ぶためにトラックが必要→二酸化炭素が増える→地球温暖化
9 ・現金を扱う仕事が減る ・専門店などは営業方法を変えなければいけない
・配送時にトラックなどから排出される二酸化炭素が環境問題につながってしまう

 ここで先生から、ある仕事の一覧が提示されました。各班の発表にもあった「レジ係」が含まれています。生徒たちからは「AIでもできる仕事なのでは」、「これから必要なくなる仕事だと思う」など意見が出ました。ここで先生から、この一覧はオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が2014年に発表した論文の中に出てくる「10年後になくなる仕事」であることが説明されました。コンピュータの発達による自動化が急速に進み、人間が必要なくなってしまう。そのような未来になることを予測した内容であり、社会の変化を踏まえた一つの考えであることが伝えられました。

 この予測が現実になるとは限らないものの、この4時間で学んだ社会の変化を踏まえ、社会に出るまでにどのような力を身に付けておかなければいけないか、それぞれの考えをワークシートにまとめていきました。

 先生からは、まとめの文章を作るポイント(評価基準)として、下記2点が伝えられました。

  • 今後、日本の社会でどのような変化が起きるか説明できている
  • 社会の変化に合わせて、なぜそれを学び、身に付けておくべきかを記入している

 社会の変化とその中で生活していく自分をイメージしながら、改めて4時間分のワークシートを見返し、各課題に対しての自分の考えやポイントをワークシートで再確認しながら、まとめの活動を行っていきました。

 キャッシュレス化が進むことで社会はどのように変化していくかを考えることからスタートした本単元の取組みでしたが、自分自身が経済活動に参加している消費者であること、消費者としての役割と責任を理解し行動すること、適切な判断をするためには正しい知識を身につけておく必要があること、そして様々な社会的課題に興味を持ち、自分ごととして課題解決に取り組む態度の重要性に気付くことができた5時間の授業となりました。