12月20日(木)実施

川崎市立菅生中学校レポート3時間目

 3時間目の授業は、金融経済に関するまとめを行いました。
 前時の「生活設計・マネープランゲーム」の各班の結果を振り返り、中学校を卒業した後の人生がどのように進んでいくのかを考えることから始まりました。

 中学校卒業後、公立高校か私立高校に進学するのか、高校卒業後は大学進学をするのか就職をするのか、社会人になったら結婚したいか、子どもは何人欲しいか、車や家を買いたいと思っているのか。  
 ここに出てきた項目の中で、収入にあたるものは「就職して給与をもらう」部分、支出はそれ以外の項目になることを確認し、収入と支出のバランスを考えていくことが、生活設計を立てるうえで重要になるということが見えてきました。

 ここで、それぞれの人生設計により近い設定で生活設計・マネープランゲームを再度行うことが古頭先生から伝えられました。  
 今回は、イベント&アクシデントカードは使わない、退職金カード以外は全て表向きにして、班で相談しながらカードを選んで人生設計をしていくという進め方です。

 20歳代では、収入を決めます。金額だけでなく、働き方の特徴も理解したうえで決めていきます。どの班も②のカードを選択していました。基本生活支出については、どのような生活をしていきたいのかを考え、無理のない選択をしていきました。  
 決定するまでにどの班も時間をかけていたのは、30歳代での結婚・子どもの人数・家の購入です。昨日のゲーム時とは全く様子が違っていました。20歳代での貯蓄、結婚した後の働き方によって変わる収入を念頭に置き、子どもの人数や家の購入も現実的に考える様子がありました。家の購入については、昨日のゲーム時に学んだローンの仕組みも思い出しながら、頭金と利息も含めた毎年の支払額と一括購入の金額を比較検討していきます。今お金があるからと一括で購入すると、貯蓄が無くなってしまうということも考え、ほとんどの班がローンを活用しました。  
 車の購入はより現実的で、子どもの人数などを考えながら車の種類や値段を選んでいきました。

 40歳代、50歳代の収入・支出の計算を進めながら人生を考え、60歳で退職金カードを引きました。必ず退職金がもらえるわけではないということを前時のゲームで理解している生徒たちは、退職金カードを引く前までに、ある程度貯蓄ができるように考えていたようでした。

 各班の貯蓄額と思い出ポイントの結果は次のようになりました。

貯蓄額思い出ポイント
12,800万円42
21億2,300万円39
33億7,500万円35
48,500万円47
53,145万円45
6-4,800万円40

 前時の結果と比較すると、どの班も貯蓄額と思い出ポイントのバランスを取ることに重きを置いて人生を組み立てていったようです。

 2回のゲーム体験を通して、知ろう!学ぼう!お金の使い方p21のまとめを行いました。
 今日のゲームで真剣に人生設計やお金の使い方・貯め方を考えた生徒たちは、あっという間にワークシートに書き込みをしていきます。  
 今のことだけでなく、将来のことも考えてお金を貯めたり使ったりすることが大切、お金も大切だが、自分が満足のいく人生を送るためにも賢いお金の使い方を考えるなど、自分の理想とする生活を送るためにどうすればよいのか、授業のなかで実感を持って理解できたようでした。

 最後に、借金が残った班もあったことを受けて、「無計画にお金を借り続けるとどうなってしまうのか」について古頭先生から説明がありました。ローン&クレジットのABCp33の多重債務に陥った原因のグラフを確認しました。授業でも学んだように、経済状況がよくないなかで多重債務に陥る原因は、生活苦や低所得、借金の返済が、浪費や遊興費などから比べるとはるかに多いことが分かりました。また自分の借金ではなく、第三者の借金を肩代わりすることで多重債務になってしまう場合もあるので、友だち同士だからといって安易に保証人にはならないようにという説明もありました。  
 キャッシュカードや電子マネーなど、実際に現金のやり取りが発生しない支払い手段が増えてきた社会では特に、お金との関わり方については正しい知識を身につけ考えていく必要があるということも、古頭先生から伝えられました。

 経済の中心に銀行があり経済を動かしていること、お金を預ける・お金を借りるという行動が経済活動の一部であることを自分ごととして学んだ生徒たちは、金融や経済、お金との関わり方について身近に感じとることができたようでした。 
 今後も学んでいきたいという新たな意欲がうかがえる金融経済のまとめ授業となりました。