レポート

 社会科(公民的分野)の授業で、「生活設計・マネープランゲーム」を活用した授業が実施されました。
 はじめに先生から、20〜30歳代の人生の体験を通して「生活設計」と「マネープラン」について学習していくことが伝えられました。あわせて「生活設計(どのような人生にしたいか考えること等)」と「マネープラン(どのくらいお金を使うか、貯めるか)」について説明がありました。

 3~4人の班を作り、カードセット、資料集、マネープランシートが配布されました。カードは机の上に種類ごとに重ねて並べるよう先生から指示がありました。ここでゲームを進める上で気をつけて欲しいポイントとして、「収入と支出のバランス」と、人生の満足度である「思い出ポイント」も貯めることの2点が伝えられました。

 20歳代は自立して人生を歩みだす時期ということで、就職し収入を得る体験をし、さらに20歳代の基本生活支出、大きな買い物として自動車の購入を決めていきました。
 はじめに、前時に決めておいた将来就きたい職業を班ごとに発表していきました。次に収入カードを引き、20歳代の年収が決まりました。20歳代の収入が決まったところで、スライドの給与明細図を使い、非消費支出について先生から説明がありました。非消費支出についてはすでに学習していましたが、具体的な金額を知ることで、より実感を持って考えられるようになりました。生徒からは「せっかく稼いだお金からこんなに引かれるのか」など驚きの声もありましたが、社会人として欠かせない支出であることを学びました。
 続いて、基本生活支出のカードを引き、生活にかかるお金が決まりました。この時点ですでに貯蓄額がマイナスになってしまった班もありました。
 次に、大きな買い物の体験として自動車の購入を検討しました。自動車カードを引いて、「自動車を買う」カードを引いた班は、どの自動車を購入するか班で話し合って決め、20歳代の貯蓄額と思い出ポイントを計算しました。

 続いて、30歳代の人生体験に進みます。30歳代の人生では、結婚、子育て、住居の購入、保険の加入など様々なライフイベントがあることが伝えられました。ここで人生の三大資金について資料集p4、5を見ながら説明がありました。資料集に掲載されている金額はあくまで平均額であり、この金額よりも多い場合も少ない場合もあることが先生から伝えられました。老後資金については、家計に関する授業で学習した「定年後は収入より支出が増える」ということを振り返り、あらかじめ準備しておかなくてはいけない金額であることが伝えられました。続いて、結婚カードを引いて結婚するかどうかを決め、結婚する班は子育てカードを引いて子どもの人数を決めました。結婚しないカードを引いた班は、そのほかに結婚カードや子育てカードにどのようなことが書かれているかを確認していました。
 30歳代の収入は20歳代より上がっていることを確認し、結婚して2人で働く場合は30歳代の収入を1.5倍することが伝えられました。また、収入や家族構成により非消費支出も変わるため、30歳代の非消費支出を資料集p2で確認しました。
 次に住居の購入を検討します。ここで貯蓄額が少ない場合でも住宅が買える方法として、ローンの説明がありました。ローンを利用する場合は、借りたお金を返せる見込みがあることが前提であり、返せない状態が続くと自己破産等をせざるを得ず、生活がしにくくなる可能性があることなど、以前学習した内容を振り返りました。
 住居の購入は貯蓄額や家族構成を踏まえ、班で話し合って決めました。
 次に保険の加入を検討して、イベント&アクシデントカードを引きました。「自宅で火事」、「交通事故」、「盗難被害」のカードを引いた班は、保険に加入していることで、アクシデント支出が補填されることを体験しました。
 30歳代までの貯蓄額、思い出ポイントをまとめたところで時間となったため、次時に授業のねらいが達成できたかどうかや、30歳代までの人生のタイトルなどを発表していくことが伝えられ、班ごとにまとめておくよう指示がありました。

 30歳代までの人生を体験した生徒からは、お金のあるなしで出来ること出来ないことがあり、人生の選択をする際は優先順位を考えて決める必要がある、などの感想がありました。また、30歳代まで順調な人生だったがイベント&アクシデントカードが「インフレにより物価が高騰」だったため、最後に支出が増えてしまい、「人生何が起こるかわからない」ということを体験出来た生徒もいました。

 40歳代〜60歳の人生体験については次時に実施されるとのことです。