レポート

2018年11月6日(火)13:10~14:00 実施

 家庭基礎「経済生活を営む」の授業で、生活設計・マネープランゲームを活用し人生の疑似体験を通して、ライフイベントに向けた経済計画の必要性を理解することを目的とした授業が実施されました。

 この単元は5時間で構成され、前時までに家計管理やローンとクレジットのしくみについて学んだことを踏まえ、本時に将来の家計の収支やライフイベントにかかるお金について考える授業を行います。その後、多重債務や消費者トラブルについて考え、消費生活のまとめを行う予定となっています。

 はじめに先生から、ゲームについて説明がありました。このゲームは班で行うグループワークで、班で話し合いながら進めていくこと、20~30歳代の人生についてカードを引いて決めていくこと等が伝えられました。

 ゲームは、20歳代になり就職して収入を得るところからスタートしました。
 まず収入カードを引いて20歳代の年収を決めました。ここで先生から、税金や社会保険料など非消費支出を年収から引くことが伝えられました。非消費支出は、自分で使うことができない支出で、収入に応じて金額が決められていると説明がありました。生徒は資料集から収入に応じた非消費支出を探し、マネープランシートに記入していきました。

 続いて、基本生活支出カードを引いて、どのような生活をするかを決めていきました。収入カード・基本生活支出カードの内容は30歳代でも使用することが伝えられました。

 続いて大きな買い物の体験として自動車の購入を検討しました。ここまでの収入と支出を計算し、20歳代の貯蓄額と思い出ポイントをまとめました。順調に貯蓄ができている班がある一方、貯蓄額がマイナスになっている班もあるようでした。

 続いて、30歳代の人生を体験していきます。
 先生から、20歳代はまだ結婚していないので、自分で自由にお金を使うことができたが、30歳代は結婚・子育て・住居の購入など、家族のことも考えて選択していく必要があることが伝えられました。

 ここで、人生の三大資金についてスライドを使って確認をしていきました。

 住宅資金については、スライドに書かれている金額と比較して、呉市内で一戸建てを購入した場合の金額とも比較していきました。地域のほか、家の大きさや場所によって金額が変わることも伝えられました。また、教育費に関しては以前生徒に実施したアンケート調査で大学進学時に一人暮らしを希望している生徒が多かったことを踏まえ、教育資金にプラスして、子どもが生活していくためのお金も必要になることも伝えられました。生徒たちは、この先の大学進学にかかる費用の多さに驚いた様子でした。

 老後資金については、スライドでは60歳以降の20年間にかかる費用を示していますが、人生100年時代を迎えようとしている現在、生徒が大人になるころには今以上に老後資金が必要になるかもしれないという説明もありました。

 30歳代の人生体験では、まず結婚カードで結婚するかどうかを決めました。結婚するカードを引いた班は、子育てカードを引いて子育てをするかしないか・子どもの人数を決めました。年収と基本生活支出については、20歳代で引いたカードの30歳代の金額を見るよう指示がありました。そして、30歳代の年収と家族構成に応じた非消費支出を資料集から探し、マネープランシートに記入していきました。

 続いて、住居の購入を考えていきました。先生から前時に学習したローンの仕組みを利用して住宅を購入することもできると説明があったことを受け、各班でどの家に住むのか、費用はどのように工面するのかを決めていきました。

 次に自動車カードで30歳代の自動車の購入を決めました。自動車を買う班では、家族構成や家の場所などを考慮して自動車を選んでいました。

 イベント&アクシデントカードを引く前に、アクシデントに備えて保険に入るかどうか話し合いました。続いて引いたイベント&アクシデントカードでは、宝くじが当たった班もあれば、家が火事のカードを引いた班もありました。アクシデントカードを引きましたが、保険に加入していたことで支出が補填される班もありました。

 ここまでの収入と支出を計算し30歳代の貯蓄額と思い出ポイントをまとめ、30歳代までどんな人生だったか、マネープランシートにまとめました。個別のワークシートにもゲームの結果や自己評価を記入し、振り返りを行いました。

 最後に先生から、今回は20〜30歳代の人生をシミュレーションしましたが、これが自分の人生だったらどうかを考え、実生活で役立てていくことが大切であることが説明されました。それぞれのライフイベントにどのくらいお金をかけるのか自分で判断できるように、また、いろいろな選択肢の中から正しいと思える選択ができるようにお金に関する正しい知識を身につけていって欲しいと伝えられ、授業は終了しました。