講師派遣(2.3時間目)
講師派遣授業実施 講師:全国銀行協会 企画部広報室室長 小倉康介
平成25年10月10日(木)実施●教材:生活設計・マネープランゲーム
総合的な学習の時間を活用した、安心・安全教育の2.3時間目として講師派遣授業が実施されました。
授業のはじめに、本時に学ぶ3つの項目を確認しました。
1. 「使う」と「貯める」
2. 「借りる」~ローンとクレジット
3. 生活設計・マネープランゲーム
授業の始まりは、お金に関する三択クイズからです。
「平成23年度の大学卒平均初任給は?」という問題です。正解は20万2000円。全体の3分の1の生徒が正解でした。ここから、授業の本題であるお金を「使う」と「貯める」を考えていきました。
給与明細例をもとに、支給額と手取り額の金額は違うこと、支給額から税金や社会保険料が差し引かれた分が手取り額になること、手取り収入の範囲で支出と貯蓄を考える必要があることが伝えられました。
社会人になって一人暮らしをする場合、住居費や食費、光熱水道代など、生きていくために必要なお金がどれくらいかかるのかが分かりました。
併せて、お金を貯めることについても考えていきました。
30歳未満の独身の人の平均貯蓄額は、約180万円です。20代若者の約8割が毎月貯蓄をしており、目的は様々ですが「いざという時のため」や「病気や事故の備え」「老後の備え」など、早くから先を見据えてコツコツと貯蓄をしていることが分かりました。
手取り収入から支出と貯蓄を考えていく時には、人生の中で訪れる様々なライフイベント(就職、結婚、老後の生活など)を踏まえ、長期的な生活設計とマネープランを立てることの重要性が伝えられました。
次に、お金を「借りる」について考えていきました。
1つめはローンについてです。ローンは、銀行などからお金を借りて、後から少しずつ返済する約束です。ローンの役割や留意点について確認しました。
住宅ローンの場合、頭金・金利・返済期間により、総支払額に大きな差が出ること、ローンには、住宅ローン、自動車ローンなどいくつか種類があるが、学生向けの奨学金も貸与の場合はローンと同じように返済が必要であることが伝えられました。
2つめはクレジットについてです。クレジットは、先に商品を買ったりサービスを受けたりして、その代金を後で支払う約束のことで、カード利用者・クレジット加盟店・クレジット会社の三者間契約で、カード利用者はクレジット会社に後からお金を支払うという仕組みを確認していきました。
お金の支払い方法には、一括払い・ボーナス一括払い・分割払い・リボルビング払いがあり、一括払い・ボーナス一括払いには原則手数料(利息)がかからないこと、分割払いやリボルビング払いは便利な反面手数料もかかることが伝えられました。
クレジットのメリットとデメリットを正しく知り、賢く活用していくことの大切さが理解できたようでした。
授業の後半は、授業で学んだ内容を実感を持って理解できるよう、生活設計・マネープランゲームを体験しました。6クラス42班に分かれてのゲーム体験でした。
時間の都合により、20代・30代の人生までしか経験できませんでしたが、収入と支出のバランス、結婚や住宅購入、イベントやアクシデントなどライフイベントとお金の関係を、ゲームを通して実感することができたようでした。
「貯蓄はたくさんできたが、結婚はせず、思い出も少ないさみしい人生だった」、「貯蓄はマイナスになったけど、家族もできて愛情があるから大丈夫」など、班ごとに感想も様々でした。
ゲーム上で展開された人生を振り返り、自分だったらどのような人生設計をしていくか、その中で、お金とどのように関わっていけばよいのかを具体的に考えるきっかけとなる授業となったようでした。