平成25年12月18日(水)実施

揖斐川町立谷汲中学校レポート 発展授業(活動テーマ3)

 導入として、基本授業で学んだ「金融機関とは」というふりかえりからはじまり、銀行の三大業務や日本銀行の役割について確認しました。

 次に、生徒用テキストのP.12「アーティストと銀行のかかわり」の漫画を参照させ、アーティストが自分の音楽制作会社を立ち上げたというストーリー展開を提示しました。さらに、P.13「お金を借りるには信用がカギ」まで読み進め、アーティストが銀行とかかわりながら、お金のやりくりをして、自分の夢を叶えようとしているという前提を説明しました。

 ここから、活動テーマ③のワークに入ります。「アーティストが新規授業としてテーマパークをつくる」という設定を説明し、まずは「アーティストの立場」で考えるように促します。「自分がアーティストだったら、どんなテーマパークをつくる?」と、生徒の興味関心を惹きながら、授業を進めていき、テーマパークの建設費用に10億円かかるため、その費用をどのように調達するか、しばらく考えさせ、何人かに発表させました。「銀行から借りる」という意見のほかにも、「自分で稼ぐ」「会社に協力してもらう」「募金を募る」「宝くじを当てる」など、さまざまな意見が出てきたあと、最後に、「実現の可能性が高い方法はどれか」を考えさせ、各自ワークシートに記載させました。

 生徒たちの発言の中にもあった「銀行にお金を借りる」という方法は、【銀行融資】という調達方法であること、実はその他にも、他の人や企業に協力してもらって資金を調達する方法として【株式発行】という方法があることを、教員より説明します。このクラスでは「株式会社のしくみ」については既習ではないため、教員と生徒のロールプレイ形式で説明をしました。(株券を模した大きなカードに金額を書いてやりとりをして、メリットとデメリットを簡単に説明)

 次に、アーティストの「ファンの立場」として考えさせましたが、「CD・DVDを買う」という意見が出ただけで、発言が止まってしまいました。生徒たちにとっては、少し難しかったようです。
 そこで教員から、新たな視点として、【銀行預金】【株式投資】という方法を提示しました。あなたのお金を【銀行預金】【株式投資】に使うとして、それが、アーティストの会社の資金調達につながるか、つながらないか、どちらともいえないか、いずれかに○をつけさせ、その理由も書いてもらい、全体で共有しました。

※ティーチャーズガイドでは、「あなたの銀行預金が銀行を通じてどの会社に融資されたかわからないから、アーティストの資金調達につながるか否かは、どちらといえない」、というのが正解となっていますが、この授業では、「直接金融」も「間接金融」もいずれも「つながっている」、ただしそれが、直接的か間接的か、というところをシンプルに理解させるために、「銀行預金」も「アーティストの資金調達につながる」という説明をしました。(生徒用テキストP.9-10参照)

 さらに、【銀行融資】【株式発行】のお金の流れについて、ワークシート1-⑤の模式図を使って、教員が板書をしながら、「間接金融」「直接金融」についてしっかり解説し、最後にワークシート1の終わりにある「直接」「間接」のワードを入れる穴埋め問題をクラス全体で共有して、授業終了となりました。