平成26年12月16日(火)実施

千葉県立東金商業高等学校レポート 基本授業

 商業科「ビジネス経済」の授業で、生活設計・マネープランゲームを活用した授業が実施されました。
 「ビジネス経済」は、経済に関する基礎的な理論をもとに、経済事象を主体的に考える能力を育てるために、新たに設定された科目です。先生は、一見難しく思える経済に関する内容についても自分ごととして生徒たちに理解してもらい、実生活の中で役立つ知識として身に付けて欲しいというねらいから、生活設計・マネープランゲームを活用したまとめ授業を80分で実施することとしました。

 はじめに4人ずつの班を作り、ゲームに必要な資材が配布されました。
 生活設計・マネープランゲーム資料集を開き、「非消費支出」や「キャリアカード一覧」など、興味のあるページを読み始める生徒が多くみられました。
 係を決め、さっそく20歳代の人生体験からスタートしました。
 20歳代では、就職をして自立する(収入を得て生活をする)ことを体験します。資料集p10~11を開き、班で1つの職業を決めていきました。先生は、「自分の好きな仕事に就くことは、なかなか難しい。たとえ好きな仕事に就けなかったとしても、就職をして働き始めることで、本当に自分がやりたい事が見つかる場合も多い」という説明をしながら、どの職業を選択するか促していきました。
 職業が決まったら、収入カードを引いて収入が決まりました。ここで、スライドと資料を使って先生は「給与明細の項目と非消費支出」の説明をしていきました。税金には所得税・住民税があること、徴収された社会保険料は相互扶助の考えのもと活用されていることなどが伝えられました。支給額合計と差引支給額を確認した生徒たちは、手取り収入の範囲で生活にかかる支出の計画を立てていく必要性を理解したようでした。
 先生の説明の後、資料集p2~3の非消費支出一覧から該当する非消費支出額を見つけ、生活設計・マネープランシートに金額を記入していきました。使えるお金が決まったところで、基本生活支出カードを引き、支出についても決めていきました。この時点ですでに収支がマイナスになった班もあり、この後どのように生活していけばよいのか話し合う姿も見受けられました。自動車を購入するかどうか決まった後、20歳代の収支と思い出ポイントをまとめていきました。

 続いて30歳代の人生体験です。
 30歳代では、さまざまなライフイベント(結婚・子育て・住居の購入・自動車の購入・保険・イベント&アクシデント)とそれらにかかる費用について体験を通して理解していきました。
 人生の三大資金と結婚資金について先生は説明をしていきました。生徒たちは、住宅資金や老後資金にはまだ実感を持てない様子でしたが、教育資金については実際に自分の成長に伴ってどのくらいお金がかかっているのかを知ることで、ゲーム体験の中で「何人子どもがほしいか、その場合どのくらい費用がかかるのか」を考え始めた班もありました。
 結婚カード、子育てカードを引いて家族構成が決まった後、収入と家族構成に合わせた非消費支出を見つけ、生活設計・マネープランシートに記入していきました。
 家族構成が決まったら、次は住居の購入を考えます。大きな買い物をする際には、お金を借りて先に買い物をし、後から少しずつ返すローンという仕組みを活用できることを先生は伝えていきました。実際に住宅ローンを活用している先生の体験なども交えながら、頭金や金利、信用について確認をしていきました。
 ローンの仕組みが分かったところで、住居の購入を班ごとに話し合い決めていきました。この時点で収支がマイナスの班は「賃貸」しか選択肢がなく、収入に見合った支出で生活していくことの大切さを痛感したようでした。
 保険に入るかどうかを決めた後、イベント&アクシデントカードを引きました。人生には、思いもよらない出来事が起こることがあること、保険に加入していればアクシデントの種類によっては補てんされることなど体験から理解していきました。

 30歳代の人生までを振り返り、シートの内容をまとめた後、3つの班に代表で結果を発表してもらいました。
先生からは、収入と支出、家族構成、思い出ポイントなど班ごとに違いはあるが、まずは収支のバランスを考えて生活設計をしていくことが重要であるこが伝えられ、授業は終了となりました。