平成24年12月20日(木)実施

 12月17日に実施した基本授業(+発展授業活動テーマ1)のふりかえり(銀行の三大業務、利子について)から授業がスタートしました。「銀行はどうやって儲けている?」という発問により生徒から「利子」や「貸出」などの発言を引き出し、貸出の利子と預金の利子の差額が、銀行の利益になることや、銀行が「貸出」を行うことで、多くの企業が新しい事業にチャレンジし、経済が発展していくこと(資金仲介機能)について再度確認をしました。

 ここからが発展授業の活動テーマ2になります。「銀行が貸し出した企業がつぶれたら、どうなる?」という発問に対し、生徒から「お金が返ってこない」という発言が出たところで、「じゃあ、どんな人に貸せばいい?」という発問をし、闇雲に貸出を行うと貸したお金が返ってこない可能性があることに気づかせ、貸出を行うためには審査が必要であることを伝えました。

 教員のアレンジで、「将来性」の欄を空欄にしたワークシートを配布しました。
 融資先として想定したABCの3つの企業の役を生徒たちに担わせ、「銀行から貸出を受けるためには、どんな風に自社の将来性をアピールすればよいか」を考えさせるワークに、下記のように取り組みました。

①9班に分け、企業A(1~3班)、企業B(4~6班)、企業C(7~9班)のそれぞれの将来性について考えるよう伝える

②各班代表1人が、プレゼンテーションし、残りのクラス全員で審査することを伝える

③各班にiPadを1台ずつ配布し、50文字以内で入力、投稿するよう伝える

(要点のみを入力し、詳細はプレゼンテーションに盛り込むよう指示)

④各班で割り当てられた企業の将来性について検討する

 各班では非常に活発に論議が展開され、「海外進出」「グローバル化」「●●に特化した」などのキーワードが聞こえてきました。
 また、A~Cの企業設定がゲーム会社や携帯アプリの会社であり、自分たちに身近な商品の開発が題材であったため、「自分だったら、こんな商品がほしい」「こんな商品なら売れる」とかなり具体的な「将来性」を考えることができていました。

 各班でのディスカッションの後、代表1人が、割り当てられた企業の将来性についてプレゼンテーションし、残りのクラス全員で審査をしました。
 企業の立場になり切った生徒たちは、なんとかして融資をしてもらおうと、必死に自社の将来性をアピールしました。「海外のライバル企業を買収し、事業拡大」「昨年の他社ハード普及に合わせたソフト開発によりアジア圏に進出済み。現地での技術評価が高かったことから、1年で20億円の売上を目標。」などと、具体的な事業計画案を見事にプレゼンテーションしていました。一方、銀行の立場で融資を検討する際も、「本当にこの企業にお金を貸しても大丈夫だろうか」ということをそれぞれが真剣に判断していました。 

 最後に教員からのまとめとして、貸出利子や返済計画の必要性について解説しました。また、生徒用テキストブックP.13「お金を借りるには信用がカギ」を参照しながら、住宅ローンを例にした個人レベルの「貸出」について説明。貸出には利子がかかるため、きちんとした返済計画を立てなければ、利子返済しか進まず、元金が残ってしまう可能性もあることを説明し、信用や人生設計の大切さについて触れ、授業は終了となりました。

この授業で活用されているスライドは、本ティーチャーズガイドに添って教員が作成したものです。