神戸市立横尾中学校レポート 基本授業

 社会科公民的分野の「わたしたちの暮らしと経済」の授業の中で、収入と支出を考える授業が実施されました。  
 生活設計・マネープランゲームで身近な家計についての疑似体験をすることで、自分自身とお金・金融・経済との関係を実感することが授業のねらいです。  

 授業のはじめに榎戸先生から「人生に必要なことはなんですか」という質問が投げかけられました。「人生を楽しむこと」「お金を稼ぐこと」「お金の使い方を考えること」など、生徒からは堅実な意見が出てきました。  

 そこで、これからの人生の中で、どのくらいお金が必要となるのかゲームを通して疑似体験をしていくことが伝えられ、6つの班に分かれ係を決めました。  
 班長にカードとマネープランシートが配られ、生活設計・マネープランゲームのスタートです。  

 20歳代の人生を体験していきました。収入カードを1枚引き、カードに書かれている職業の特徴を班長に発表してもらいました。職業や生活の特徴について理解したうえで、収入の金額に注目するよう榎戸先生から指示が出ました。  
 収入と支出が決まったところで、各班に発表してもらいました。この時点ですでに貯蓄がマイナスになっている班もありました。

 30歳代の人生体験では、結婚・子育て・住宅や車の購入・保険に入るかどうかなど、収入と貯蓄額を踏まえて、選択をしていかなければならないことを体験していきました。  
 結婚や子育てに思いの外お金がかかること、貯蓄がなければローンを活用して住宅を購入することもできないこと、不測の事態に備えるための保険にもお金がかかることなど、ゲームと分かっていても、カードを1枚引く姿は真剣そのものでした。  

 保険に入るかどうか決めた後、イベント&アクシデントカードを引きます。宝くじに当選する班もあれば、株価急騰や急落、病気で入院してしまう班もありました。ここでの体験を通して、人生は思った通りにはいかないこともあるということ、リスクに備えることの重要性などを理解していきました。  

 ここで授業の終了時間が近づいてきたため、もう1枚イベント&アクシデントカードを引いて30歳代の人生体験は終了となりました。  
 30歳代までの人生体験でしたが、生徒たちは収入と支出のバランス、生活をしていくうえで何にどのくらいの費用がかかるのか、思い出ポイントから見る人生の満足感など、楽しい活動の中から実感を持って理解を深めることができたようでした。