銀行の業務と役割について理解を深めるための講師派遣授業が実施されました。

 明治6年に、埼玉県出身の渋沢栄一が日本最初の商業銀行(第一国立銀行)を創設したところから、日本の銀行の歴史が始まったという説明から授業が始まりました。

 銀行は金融機関の代表的なものであり、「金融」という言葉の意味について、講師から説明がありました。お金が余っている家計や企業と、お金が足りない家計や企業の橋渡し、つまり、資金を融通することから「金融」と言い、資金の融通(橋渡し)を行うのが金融機関だということが分かりました。
 現在日本には196の銀行があり、埼玉県内には29行あること、そのうち2行(埼玉りそな銀行、武蔵野銀行)は本店をおいているということでした。
 銀行の営業時間(9時~15時)や取り扱う商品は、銀行法という法律で決められていること、15時以降はコンピューターに入力した数字と伝票内容の照らし合わせ、手形・小切手の処理など、様々な業務を行っていることが分かりました。

 次に、クイズの答えを考えながら銀行の三大業務について確認していきました。
 預金:銀行に預けたお金のこと「安全」、「便利」、「有利」
 貸出:お金が必要な人や会社にお金を貸すこと貸出先は「個人」、「企業」、「国・都道府県・市区町村」
 為替:離れたところにいる人どうしが銀行を使ってやりとりする仕組みのこと「振込」、「代金取立」、「外国為替」
 預金の「安全」については、「あなたと銀行のかかわり」p6コラムより、銀行がつぶれた場合に預金はどのように守られるのかを確認しました。お金を貸し出す際には「信用」が必要であり、企業への貸出す場合には、事業に関する公共性、売上計画や返済計画、経営者の考え方などが審査のポイントになっていることが伝えられました。
 上記の業務を銀行の三大業務と言い、銀行は、預金利息と貸出利息の差額から利益を出しているということも分かりました。
 ここで「信用創造」という銀行特有の機能について、「あなたと銀行のかかわり」p11「信用によってお金を増やす銀行の機能」を確認していきました。銀行では預金の引出しに備えて、ある一定の割合でお金を残して、貸出すことにしており、最初の預金以上のお金が世の中に出回るというマジックが起こります。この仕組みは銀行に信用がなくなると預金する人が減るため成り立たないということでした。
 銀行は、預金・貸出・為替の三大業務をとおして、社会のいろいろなところにお金を流す仲介役として、豊かな社会を作る役割を担っているということが理解できたようです。

 最後に講師から、生活のなかで銀行は欠かせない存在であることを理解し、卒業後など銀行と賢く関わっていって欲しいことが伝えられ、授業は終了となりました。