令和元年11月28日(木)13:25~14:15

 2時間目は、自分の生活と経済との関わりについて考える授業が実施されました。

 まず、前時に実施した「生活設計・マネープランゲーム」の振返りを行いました。
 貯蓄ができた班とできなかった班の差はどこにあったのか、収支バランスの崩れを確認しました。そのことを踏まえて、本時は自分のお金の使い方と経済活動がどのように関係しているのか考えていくことが伝えられました。

 「あなたがこの1週間でお金を払った(使った)ものは何ですか」と先生から問いかけたところ、生徒からは「CDやDVD」などの回答がありました。ここで、この1週間で先生がお金を払ったものがスライドに例示されました。雑誌や菓子、スマホゲームのアイテム、電車や病院の診察代などが並んでいます。このうち、雑誌や菓子など形があるものを「財」、電車代や診察代など形がないものを「サービス」といい、お金を払って財やサービスを得るという「お金とものの流れ」のことを「経済」ということを確認しました。

 続いて、お金はどのようにして自分の手元に来るのかを考えながら、「家計」とは何かを確認していきました。働いて得られる給料や事業を営んで得られる収入を「所得」といい、生活をするためのお金になります。財やサービスへの支出を「消費支出」、税金や社会保険料など自分では使うことができない支出を「非消費支出」といいます。そして、家族や個人の家の中でのお金とものの流れを「家計」ということを確認しました。
 ここで先生から、「貯蓄と支出、どちらが多い方が豊かな人生だと思うか」について隣同士で話し合って発表するよう指示がありました。
 生徒からは、「貯蓄が多いと嬉しい」、「貯蓄があれば、いざという時に安心だ」、「欲しい物をたくさん買えた方が楽しい」など、それぞれの考えが発表されました。
 先生からは、前時の「生活設計・マネープランゲーム」において「基本生活支出①」のカードは支出額も多かった分、思い出ポイントも多かったことを例に、「消費が多いと、その時点での楽しみは増え、貯蓄が多いと、未来の楽しみが増える可能性がある」こと、収入と支出、貯蓄のバランスが大切であることが伝えられました。

 次に、お金を支払う際の支払手段について考えていきました。
 先生から、先に見た「この1週間でお金を払ったもの」のスライドの中で「現金」以外で支払いを行ったものはどれか、考えるよう指示がありました。「スマホゲームのアイテム」は、生徒たちの中でも購入経験者がいるようで、現金以外で購入するものとしてすぐに分かりました。
 続けてスライドに映し出された3つのカードを見て、それぞれの違いを隣同士で話し合うよう指示がありました。映し出されたのは「プリペイドカード」、「クレジットカード」、「交通系ICカード」で、現金以外で支払いをすることを「キャッシュレス」ということ、財やサービスを手に入れる際に直接現金は払わないが、いずれかのタイミング(前払い・同時払い・後払い)でお金を払う必要はあることを確認しました。

 また、実際に買い物をする際の「売る側」と「買う側」の立場についても考えていきました。財やサービスを購入するかどうか(契約するか)は購入者の自由であり、これを「契約自由の原則」ということ、意識はしていなくても、普段の生活の中で様々な契約を結んでおり、日常的な買い物も契約のひとつであることが分かりました。
 
 ここで、買い物をする際に買う側(消費者)は、どのように商品を選んでいけばよいか考えていきました。
 例えばペンを買う場合であれば、一般的に用途や金額によって選んでいきます。一方で自動車のように大きな費用がかかるものを買う場合は、用途や金額だけで決定することは難しく、色やサイズなども基準として考えられるため、情報収集を広く行う必要があることが分かりました。
 売る側が商品やサービスに関する情報を出す場合、競合同士が互いに消費者に有益な情報を出し、消費者が正しく判断できることが望ましいですが、一方で「判断を誤らせるような広告」があり、社会問題にもなっていることが伝えられました。
 食品の偽装表示やインターネットのトラブルなど、消費者に被害や不利益をもたらす問題は消費者問題と呼ばれること、こうした消費者問題から消費者を守る仕組みとして、消費者庁の設置やクーリングオフ制度、PL法の制定等が行われてきた流れを確認しました。
 
 しかし、これらの仕組みは消費者自身が知らなければ権利を行使することができないため、自立した消費者になるためには自分を守る仕組みを正しく知っておくことが重要であることが伝えられ、授業は終了しました。