神戸市立西落合中学校レポート 授業のねらい

授業のねらい

【1時間目】
経済分野の導入となる授業であるため、身近な話題を取り上げながら経済に対する視野を広げられるような教材が必要と考え、「生活設計・マネープランゲーム」を活用したグループ学習を取り入れることで、学習内容や知識の共有化を図り、意欲・関心を高めたい。 

【講師派遣】
1時間目の導入授業により、「お金」に対する意識が高まったうえで、金融機関という身近でありながら、中学生にとって縁遠い存在を学習する。学習に関しては、講師派遣授業の形態を利用する。あえて講師の方にお話をしていただくことで、関心を高めるとともに、より深い知識の習得を目指す。

【3時間目】
銀行の機能や役割を理解するための講師派遣授業を受けて、3時間目は、中央銀行である日本銀行の役割を学習する。市中銀行との違いと役割の重要性を学ぶことに重点を置く。金融機関という存在の多様性を理解させるとともに、資金の流れにより経済状況が大きく動くことなど、経済分野のダイナミックな部分を理解するきっかけとしたい。 

【4時間目】
視点を身近な経済生活に戻し、1時間目にも登場した「ローン」の仕組みと「クレジットカード」の仕組みを学習する。特にメリット・デメリットが共存する仕組みであることに着目し、正しく利用できる社会人を育てる一歩としたい。

【5時間目】
本単元のまとめとして、再び「生活設計・マネープランゲーム」を実施する。本時は、個人学習の形態をとることで、自分自身もいずれ経済活動の1つとして資金利用や運用を行う立場であることを理解し、その難解さや複雑な部分を知りながらも、実践力を身につけることができるようにしたい。

教材を活用した授業の実際

 1時間目と5時間目に「生活設計・マネープランゲーム」を実施し、お金との付き合い方や経済社会の複雑さなど、体験をとおして理解を深める。   
 金融機関の機能や役割、ローンやクレジットのメリット・デメリットについては、教科書と「知ろう!学ぼう!お金の使い方」を使い、基本的な知識を身につけられるようにする。

生徒の感想

  • 社会の人々がローンの複雑なお金の計算を普通に行っていることがすごいと思いました。
  • 今から人生設計をしていこうと思いました。
  • 自分の身の丈にあったものを買って人生を過ごすべきだと思った。お金を使いすぎても使わなさすぎても損になると思うので、人生の選択はしっかりと自分で考えてすべきだと思った。
  • お金の管理ができないと人生が台無しになると思った。

先生の感想

 ゲームを利用しての授業は生徒の関心を高めるにはうってつけだった。またそれ以上に簡単に生活設計を体験できたり、イメージできたりすることが経済分野の導入の授業としては良かった。予想していた以上に生徒にとって、ローン等の計算が難しかったようで、金銭感覚や生活感覚を磨くうえでも役に立ったと感じた。大半の生徒が「無駄遣いをなくして、将来を見越して生活設計をすべきである」との感想を書いていたことから、大きな成果があったように感じている。