2003年7月27日

全国銀行協会
会長 三木 繁光

金融審議会第二部会報告について

本日、金融審議会第二部会において、「金融機関に対する公的資金制度のあり方」に関する報告が了承されるとともに、「自己資本比率規制のあり方」に関して経過報告がなされ、公表された。

本日、金融審議会第二部会において、「金融機関に対する公的資金制度のあり方」に関する報告が了承されるとともに、「自己資本比率規制のあり方」に関して経過報告がなされ、公表された。

1.「金融機関に対する公的資金制度のあり方について」報告

「報告書」では、新しい公的資金制度のあり方について、方向性が取り纏められた。銀行界として、公的資金の注入は、銀行が徹底した自助努力を積み重ねた上で、なおその必要性が認められ、かつそれが個別行救済ではなく、金融システムの安定・強化に資するものでなければならないと考えている。「報告書」には、こうした点も含めて、様々な角度からの多様な意見・考え方が示されており、今後の対応にあたっては、そうした点も踏まえて十分かつ慎重な検討が行われることが必要と考える。
とりわけ、公的資金注入に係る損失負担を他の金融機関に求めることは、市場原理を損い、我が国金融機関全体の弱体化に繋がる懸念が大きく、慎重な対応が必要だと思う。

2.「自己資本比率規制に関する」経過報告

繰延税金資産の算入規制導入に関しては、両論併記となった。そもそも税効果会計は税制と会計のギャップを埋めるものとして導入されたものであり、グローバルスタンダードでもある。銀行界はこうした枠組みの下で金融再生プログラム等を踏まえて、不良債権処理の促進に注力している真只中にある。集中処理期間中に自己資本比率規制といった根幹ルールを変更することは回避すべきであり、引き続き銀行界としてはこうした点について理解を求めていく考えである。