2006年4月 3日

全国銀行協会
会長 前田晃伸

郵政民営化委員会の発足について

 私どもはこれまで、郵便貯金事業の本質的な問題は、その規模が極めて大きいことに加え、その資金が市場原理の埒外に置かれていることにより、わが国金融市場の公正な価格形成を歪め、効率的な資金配分を阻害している点にあり、こうした問題点を解決することこそが、郵政民営化本来の目的であると主張して参りました。また、最終的な民営化に至る移行期間において、仮に、公正な競争条件が確保されないまま、経営の自由度が先行して拡大されることになれば、実質的な官業の一段の肥大化を招き、問題を一層深刻化させかねないとの懸念を持っております。
 今般、郵政民営化委員会が発足する運びとなりましたが、今後、平成19年10月の民営化に向け具体的な検討が加速されていくものと思われます。かかる過程においては郵政民営化委員会のチェック機能が極めて重要であると考えます。全国銀行協会としては、引き続き、「民間にできることは民間に委ねる」との構造改革の原則に則った形で検討が行われるとともに、私ども民間金融機関との競争条件においてイコールフッティングが実現されることを強く要望いたします。