11月19日(水)実施

 前時に学習した「ローンの仕組み」の復習から授業は始まり、ローンを利用する場合には利息が発生すること、頭金を多く支払うことで毎月の返済額を少なく設定できることを確認しました。

 今回は頭金について、より詳しく見ていきます。前時の授業で計算した住宅ローンの返済シミュレーションから、購入金額・金利・返済期間が同じであっても頭金の額により総返済額が大きく違うことを確認しました。
 頭金が同じ場合でも金利が1%違えば毎月の返済金額に約1万円以上の差がでます。そして金利が同じ3%であっても頭金が500万円の場合に比べて1,500万円の場合のほうが毎月の返済額を約4万円少なく設定でき、その分を買い物や貯蓄に当てることができるほか、ローンを前倒し返済して返済期間を短縮することも可能だと伝えられました。

 では、実際に頭金を貯めるためにはどのような生活を送ればよいのか。【図解】頭金を貯めるには(収支モデル)を参考に、ワーク3の毎月5万円ずつ貯蓄をして10年で600万円の頭金を用意するための生活を考えてもらいました。
 生活に必要だが出費を抑えることができるもの、自分にとって不要だと思うものなど、先生から節約のヒントを聞きながら、自分が節約できそうなものを考えてみます。生徒に自分が一番節約できそうなものを挙げてもらうと、家具・被服費などは新しいものを買わずにあるものを大切に使用する、光熱費を抑えるなど、それぞれ違った節約方法がでてきました。
 こうして自分の中でお金を使う優先順位を決めて生活していくことで、頭金を貯めていけることがわかりました。
 現在高校3年生である生徒たちが将来30歳でローンを組むとすれば、約12年後のことになります。毎月確実に5万円貯蓄をしたとしても、600万円のお金を貯めるには10年かかることを覚えておき、社会人になったときにはしっかりとした生活設計をしてほしいと先生から伝えられました。

 次に、ワーク4の「ローンで大きな買い物ができる人はどんな人なのか、自分だったらどんな人にお金を貸したいと思うのか」を考えてもらうと、生徒からは、「計画性がある人」「将来性が具体的に見えている人」という答えが返ってきました。
 それを聞いて、先生から「4つのC」がポイントであり、例えばアルバイトやフリーランスは雇用がこの先も続くのかが不透明なため将来も継続的な収入が見込めるか見えずらく、いざという時にお金を貸りられない場合があること、そのため進路指導で「将来は正社員を目指そう」と言われるのは、こういうところも関係しているためだという説明がありました。
 逆に、この「4つのC」がないということは世の中のお金の取引の中で「信用がない」ということになります。雇用されている人や事業を行っている人で、かつ安定した収入があれば、お金の取引の上では「信用」が得られやすいことが伝えられ、授業は終了となりました。