10月29日(月)実施

神戸市立原田中学校レポート4時間目

 4時間目授業は、銀行と金融の仕組みと役割について学んでいきます。

 まずは、導入クイズに挑戦します。3問とも生徒たちは悩むことなく3択から正解を見つけ出しました。給与振込については、藤林先生が教師になったばかりのころは、現金手渡しだったというエピソードも披露されました。

 次に、銀行を利用するのはどんな時かを確認していきます。 
 預金口座を持っている生徒数名以外は、銀行を利用したことがないようです。そこで、スライドで業務について見ていくことにしました。振込や口座振替、みんなのお金を預かる預金。ここで藤林先生からの質問です。「銀行に預金している人は分かると思うけど、銀行に預金をすると利息がつきます。なぜお金を預けているだけで親切に利息をつけてくれるのでしょうか。」  
 銀行がどのように利益をあげているのか。お金を物にたとえて、銀行が利益をあげる仕組みを確認していきます。A君が銀行(藤林先生)にお金(ノート)を預けます。銀行に預けられたお金は、お金を必要としているB君に貸し出されます。B君から銀行にお金を返してもらう時に利息(眼鏡)をつけて返してもらいます。そして、A君には預けてもらった分の利息(ボールペン)を払います。貸し出す際の利息と預金の利息の差額が銀行の利益になるということが分かりました。スライドでは数字を使って理解を深めていきます。  
 預けられたお金は個人だけでなく、企業にも貸し出されており、銀行が仲介するお金のやり取りを間接金融、企業が株式などを発行して直接資金を集めることを直接金融といい、銀行は間接金融の役割を担うことで、経済活動を支えていることも見えてきました。  
 次に、経済活動で使われる「お金」について考えていきます。藤林先生が1,000円札を出し、「このお札の本名は何ですか。」と聞きます。「千円札」「野口英世」との答え。正解は「日本銀行券 千円券」です。また、硬貨は日本銀行ではなく財務省造幣局が発行していることも伝えられました。ここから、日本銀行について学んでいきます。
 日本銀行は日本の中央銀行であり、3つの役割があることが伝えられます。「発券銀行」「政府の銀行」「銀行の銀行」です。そして、金利を誘導する重要な機関であることが説明されました。日本銀行が誘導する金利が世の中の金利に波及しているのです。 
 金利水準が上がると、預金の利息は増えますがお金を借りるときの金利も上がるので、お金が借りにくくなります。反対に金利水準が下がると、預金の利息は減りますがお金を借りるときの金利も下がるので、お金を借りやすくなるという仕組みです。

 景気と金融政策についても考えていきます。物の値段が上がるときは景気が良いときですが、値段が上がり過ぎた場合、どのように調整されるのでしょうか。みんなが物を買わないことで調整ができること、物を買わない=現金を使わない(預金する)、大きな買い物をさせない(ローンを組ませない)ためには、日本銀行は金利を上げればよいのか下げればよいのか、一人ひとりが考えていきます。じっくり考えた後、「金利を上げる」という正解を導きだしました。

 最後に、現在の経済状況においては日本銀行が金利の上下によって景気を調整する金融政策に効果が出にくくなっているということが伝えられ、本時の授業は終了となりました。