平成29年11月10日(金)13:10~14:00

 将来設計を描くとき、そのほぼすべてに「お金」が関わっていることに気付くとともに、今後の経済的自立のために必要となる知識を身に付けることを目標とし、授業が行われました。
 前時で「経済的自立」について考えましたが、本時は、生活設計・マネープランゲームを活用し、自分のライフプランをもとに、将来の生活をシミュレーションしながら、家計管理の重要性について考えていきます。
 このゲームは、人生には様々な選択があることに気付くとともに、計画性を持って生活をしていく必要があることを体感するアクティブラーニング型の教材です。カードを引くことで、人生のさまざまなできごと(就職、生活の仕方、結婚、子育て、住宅購入等)とそれに伴う費用や満足度(思い出ポイント)を決めていき、決めた内容をシートに記録しながら振り返りを行っていきます。4~5人班で行うグループワークで、生徒たちが主体的に考え、話し合いながら進めていく教材となっています。

 はじめに先生から、ライフイベントとお金との関わりは短期、長期のそれぞれで考えていく必要があることが伝えられ、ゲームが始まりました(前時でゲーム進行に関する係や職業は決定済み)。

 就職をして自立した生活を始める20歳代の体験では、収入カードを引いて収入額を決め、税金や社会保険料などの非消費支出も記録していきます。また、どのように暮らしていくかを決める基本生活支出カードも引き、収支を計算したところ、すでに収支がマイナスになってしまった班が2班ありました。
 その後の自動車の購入を検討する場面では、先生から、広高校の近隣で生活する場合には自動車はなくてはならない物だが、都会では地下鉄やバスなど交通網が整備されているため自動車がなくてもあまり困らないなど、地域によって自動車の必要性が異なることが説明されました。
 20歳代のイベントを進めるなかで、一部の班からは「このままでは、30歳代の生活がままならないのではないか」という声があり、今後の生活について話し合う様子が見られました。
 ここで先生から、お金と時間の関係や人生の満足度について、ここまでの収支や思い出ポイントの状況から考えて欲しいと伝えられました。

 続いての30歳代の体験では、さまざまなライフイベント(結婚・子育て・住居の購入・自動車の購入・保険の選択・イベント&アクシデント)を経験しながら、それに関係するお金について学んでいきます。
 まず、人生の三大資金等についてゲームの進行スライドで確認しました。先生からは、注文住宅と建売住宅の違い、子ども1人が成人するまでに必要な教育費、日本人の平均寿命は男女共に80歳を超えており、老後の生活資金についても現役時代からしっかりと考えておく必要性があることなどが伝えられました。
 人生の三大資金と平均金額を確認した後、結婚カード、子育てカードを引いて家族構成を決めていきました。非消費支出は収入と家族構成によって金額が変わるため、結婚した人は働く人数や子どもの人数に注意して算出するように指示がありました。
 家族構成が決まった後は住宅購入について考えます。ここまでの貯蓄額を確認し、家族構成や今後の生活のことも考えながら購入するか、賃貸にするか、購入する場合はどういった家を選ぶか等、話し合って決めていきました。
 その後、自動車の購入、保険の加入について決め、宝くじや家族旅行が当たるといった良いイベントも起これば、交通事故や家事などのアクシデントも起こる「イベント&アクシデントカード」を引きました。人生には不測のアクシデントが起こる場合がありますが、その内容によっては保険でカバーできる場合もあることなどを理解していきました。

 ここで先生から、30歳代までの人生を振り返り、改善点などを班で話し合うように指示がありました。
 貯蓄額がマイナスになった班からは、収入に見合った生活をすることや、趣味の支出を控えるなどの改善点が発表されました。一方で貯蓄額が多くなった班からは、車を購入して、思い出を増やしても良かったなど、お金の使い方に関する改善点が挙がりました。

 最後に先生から「人生お金が全てではないが、思い出だけでも生きていけないのも事実。生活をするうえで、どのようにお金を使い、貯めていけば良いのか考える習慣をつけていって欲しい。」と伝えられ、授業は終了となりました。