平成29年11月21日(火)13:10~14:00

 身近な事例から、多重債務にならないために注意すべき事項について考え、将来の自分の消費行動について自覚を持てるようになることを目標に、授業が行われました。

 先生から、以下のとおり本時の目標が説明されました。

  • 多重債務について理解する
  • 多重債務にならないためには、どうすればよいのか考える


 はじめに、多重債務に陥ってしまった大学生の動画(シリーズ教材お金のキホン動画「導入 ある家族の休日」)を視聴しました。動画の内容を踏まえ、まずは個人で「なぜ多重債務に陥ってしまったのか」を考えた後、班で考えを共有しながら意見をまとめていきました。
 いくつかの班に発表してもらったところ「自分が使えるお金をしっかりと計算していなかったから」や、「欲に負けて自分の計画を崩してしまったから」という意見が出てきました。
 その後、動画の続き(シリーズ教材お金のキホン動画「ストーリーA 無計画な利用で多重債務に」 )を確認し、班の意見と比較をしていきました。動画の続きは、大学生は「支払いに困ったら売ればいい」と安易に考えて欲しかったヴィンテージギターをクレジットカードで購入したところ、いざ売ろうとした際に期待していたほど査定額が出ず、クレジットカードの支払いだけが残ってしまったという内容でした。
 思わぬ収入の減少や予期せぬ急な出費、詐欺被害など、多重債務に陥る原因は色々考えられること、高校を卒業したらますますお金の管理は自分で行わないといけなくなるが、動画の大学生の事例を決して他人事と考えないでもらいたいということが、先生から伝えられました。
 ここであらためてシリーズ教材お金のキホン動画「クレジットとローン解説映像」を視聴し、クレジットやローンのメリット・デメリット、多重債務になってしまう原因やその仕組み等を確認しました。

 続いて、動画視聴や班で考えたことを踏まえ、動画の大学生が多重債務に陥らないように、新たにお金を借りることを踏みとどめるための「一言」を考えていきました(アクティブラーニング型授業プログラムガイド 多重債務編「ポスター作成用ワークシート〔2〕」 使用)。
 個人で考えた後、班でディスカッションして意見をまとめていきました。イラストをもとにアイディアを集約していく班、先に「一言」を決めてポスターにイラストなどを書き足していく班など、それぞれに活動が展開されていきました。各班が考えた「一言」は以下のとおりで、お金を借りるには「信用」が重要であること、必要なものと欲しいものを考えて選択する必要があること、選択した結果には「責任」が伴うことなど、既習内容が反映されていました。
 

各班が考えた「一言」

1班 あなただけの借金(もの)じゃないんだよ
  理由)多重債務をすると自分が困るだけではなく、家族の信用や友人関係を失ってしまうから。
2班 返しても増える借金返せるのか?
  理由)借りたお金と利息で増えていくお金をちゃんと返せるのかを呼び掛ける。
3班 その収入で本当に払える?
  理由)自分の収入に合った買い物をして欲しいから。
4班 無計画な利用の先に魔の手がのびる
  理由)無計画な利用を繰り返せば、自分の気づかないところで多額の借金がたまり、抜け出せなくなるから。
5班 欲望が満たされても、あなたの財布は空になるよ
  理由)物が欲しい気持ちがあっても、お金がないと意味がないから。
6班 多重債務は雪だるま
  理由)多重債務は雪だるま式にどんどん借金がたまっていくから。
7班 本当に「今」必要ですか?それは無いと生きていけない物ですか?
  理由)カードがなくてもいいと思うし、ギターも今あるもので十分だから。
8班 本当にあなただけで払えますか?
  理由)何かを買う時に、クレジットや安定しないバイト代を頼るのではなく、家族や恋人に相談してその選択が本当に正しいか振り返らせる一言だと思ったから。
9班 その買い物に人生をかけられますか?
  理由)多重債務は人生に影響することだから。
10班 先のことを考えろ!!
  理由)先のことを考えてクレジットカードを使用していれば、借金を借金で返す事態にはならないから。

 ホワイトボードに掲示して各班の結果を共有した後、各班が考えたポスターを生徒一人一人が評価し、良いポスターには「いいね付箋」が貼られていきました。
 一通り評価が済んだところで授業は終了となりました。