11月14日(水)実施

香川県立観音寺中央高等学校レポート4時間目

 4時間目は、ローン・クレジットの返済と多重債務について学んでいきます。

 はじめに、消費者信用について確認をします。2時間目のローン・クレジットの復習として、消費者信用とは、消費者の信用にもとづいた契約のことで、商品やサービスを後払いで販売する販売信用と、金銭を直接貸し付ける消費者金融があることが今滝先生から説明され、生徒たちはワークシートに書き込みをしていきます。

 次に、ローンやクレジットの返済時に支払う利息について理解を深めていきます。
 ローン&クレジットのABCの例題を計算してみます。「金融機関から30万円を年利10%で1ヶ月借りました。利息がいくらになるか計算してみよう。」という問題です。利息=元金×金利×借入期間という式に数字を当てはめて計算していきます。答えが出たところで、今滝先生から金利の種類が説明されました。固定金利と変動金利の特徴については、ローン&クレジットのABCで詳細を確認しました。

 利息の計算方法、金利の種類が理解できたところで、様々な返済方法とメリット・デメリットについて確認をしていきます。返済方法には、一括返済・分割返済・リボルビング返済があること、分割返済には、元金均等返済と元利均等返済の2種類があり、返済方法によって返済総額が変わることが分かりました。また、リボルビング返済については、エクセルデータを用いた返済シミュレーションを確認することで、返済額が一定で返済計画が立てやすい半面、返済がいつ終わるのかわかりにくいというデメリットを実感することができたようです。

 授業の後半は、多重債務と自己破産についてです。 
 名義貸し詐欺を例に、多重債務に陥る原因について考えていきました。多重債務に陥った原因として、負債の返済、保証債務・第三者の債務の肩代わりがあげられていることを、グラフを提示しながら今滝先生が説明していきます。あわせて、多重債務を防ぐための取組みとして平成22年に総量規制が規定されたこと、返済能力を超えた貸出を防ぐためにも個人信用情報機関を通じてローンやクレジットの利用状況は金融機関で共有されているということも確認しました。そして、多重債務の整理のために破産宣告を受けると、その後の生活に様々な制約を受けることも学んでいきました。

 まとめとして、多重債務にならないためにはどのように生活をしたらよいか、生徒一人ひとりが考えました。考え方のヒントとして収入と支出のバランスを考えるグラフが提示されました。収入の半分が借金、支出の1/4近くが借金返済に充てられているものです。実はこのグラフ、日本の財政状況を表わしているものでした。国の財政も個人の家計と同じように考えることができるきっかけとなったようです。

 4時間の授業を通して生徒たちは、賢い消費者としてお金に関する基礎知識を身につけ、多重債務にならないように、返済可能な範囲で計画的にローンやクレジットを活用することの重要性を、実感を持って理解できたようでした。