9月10日(月)実施

川崎市立商業高等学校レポート2時間目

 2時間目は、1時間目の様々な資金体系の仕組みの続きとなる個人レベルのキャッシュと、企業会計と日常生活におけるさまざまな決済方法について考える授業が実施されました。

 1時間目に学習した「キャッシュ・フロー計算書」から、企業におけるキャッシュに続いて、個人レベルのキャッシュについて考えていきます。
 現金以外のキャッシュとしてカードが使用されているが、カードには誰でも持つことができるものと、条件を満たすことで持つことができるものがあることを確認していきます。誰でも持つことのできる代表的なカードは、生徒たちも日々使用しているICカード型プリペイドカード(PASMOやSuica)です。
 条件を満たすことで持つことができるカードの代表は、ローンカードやクレジットカードです。高校3年生にとってはあまり身近なものとは感じていないようでしたが、「住宅ローン」や「カーローン」など、ローンの種類は耳にすることが多いためか、知っている生徒が多いようです。
 ワークシートに書き込みをしながら、様々なカードについてより詳細を知るためにローン&クレジットのABCを確認していきます。キャッシュカードの貸越機能など、会計業務でも学習した文言が出てくる部分を特に真剣に確認している様子がうかがえました。

 次に、商品売買業における支払手段(方法)としての「手形」「小切手」について、詳しく学びます。
 学習の中で会計処理(作業)を行うことは得意としている生徒たちですが、「手形・小切手とは?」という基本部分についてじっくり学ぶ機会は少ないとのこと。宮下先生は生徒たちが今まで学んできた内容を、より具体化して理解して自分の力にできるよう、ゆっくり説明をしていきます。
 書き込みをしていくワークシートは、手形・小切手のはなしを参考に、生徒たちに必ず理解して欲しい内容を抜き出して宮下先生が作成されたものです。

 手形・小切手は、一定の金額の支払いを目的とした証券であること、手形と小切手の大きな違いは当座預金の残高を元に振出しができるかどうか、支払銀行に支払人の当座預金残高が1円でも不足していると支払は行われない=不渡となる など、ひとつずつ確認を進めました。
 「第1号不渡と第2号不渡が6ヶ月間に何回以上発生すると、銀行取引停止処分になりますか。」の質問に、「3回」「5回」など、先生の予想より多い回数が発表されます。「6ヶ月間で2回です。」という宮下先生の回答に、生徒たちからは「そんなに少ない回数で倒産するんだ。」との感想が聞こえてきました。
 ここまでワークシートに書き込みをしてきた内容は、手形・小切手のはなしの中でより詳しい内容を確認していきます。授業の中で、チェックライターで小切手に記入したことのある生徒たちも、今回のようにひとつひとつの内容を確認し理解を深める取組みは初めてのようで、今日習った内容について記載されているページをじっくり読みこんでいました。

 日々、簿記や会計に関する専門的な教科書を使った授業を受けている生徒たちには、ローン&クレジットのABC手形・小切手のはなしは、馴染みやすく活用しやすい教材として受け入れられたようでした。