12月12日(水)実施

神戸市立湊翔楠中学校 講師派遣

 金融と経済について考える発展授業として、講師派遣授業が実施されました。

 授業のはじめに、本時に学ぶ5つの項目を確認しました。

  1. 金融機関の種類 
  2. 銀行の機能、役割 
  3. 直接金融と間接金融 
  4. 企業の資金調達 
  5. 預金と投資

 「知っている金融機関の名前をあげてみてください。」という講師の発問から授業がはじまりました。中央銀行、普通銀行、信託銀行、証券会社、保険会社、ノンバンクなど、金融機関には多くの種類があります。生徒たちは、普段目にしたり耳にしたりしている金融機関を思い出しています。

 では、金融機関がどのような業務を行っているのか、3択問題で確認していきます。証券会社は株を売る人と買う人の仲介をする、保険会社は病気やけがに備えた保険を販売するということは、ほとんどの生徒が知っていました。

 ここで、何度か出てきている「金融」という言葉の意味について、講師から説明がありました。お金が余っている家計や企業と、お金が足りない家計や企業の橋渡し、つまり、資金を融通することから「金融」と言います。そして、資金の融通(橋渡し)を行うのが金融機関だということが分かってきました。

 続いて、銀行の機能と役割を見ていきます。 
 教科書も確認しながら、銀行の三大業務とは何か、生徒に考えてもらいます。預金・貸出はすぐに分かりますが、為替はなかなか難しいようです。離れたところにいる人同士が銀行を使ってお金のやり取りをする仕組みが為替だという説明を聞いて、理解をすることができたようです。また、銀行は、預金と貸出の利息の差額から利益を出しているということも分かりました。 
 銀行は預金・貸出・為替の三大業務をとおして、社会のいろいろなところにお金を流す仲介役として、豊かな社会を作る役割を担っていることが見えてきました。

 次に、間接金融・直接金融と企業の資金調達についてです。 
 言葉のとおりで、金融機関が間に入って間接的にお金をやり取りすることを間接金融、企業が株式などを発行して直接資金を調達することを直接金融と言います。 
 ここで実際に、企業がどのようにして資金調達を行うのか考えてみることにしました。パン屋さんが資金を調達するためには、どのような方法が考えられるだろうかという教科書にも載っている問題です。 
 4択から1つ選び、それを選んだ理由やメリット・デメリットも考えていきます。これまでの4時間の授業で学んできた知識を活かしながら、生徒たちは考えていきます。銀行から資金を借りる場合、期日に金利分も合わせて返済をしないといけない、株式の発行で得た資金は返済する必要はないが、発行までに準備や時間がかかる、利益が出たら配当金を払うなど、それぞれのメリット・デメリットを理解することができたようです。

 預金と投資については、100万円あったら、銀行に預金するか、株式投資をするか、生徒ひとりひとりがそれぞれのメリット・デメリットを考えてみます。
 安全性が高いと収益性が低く、収益性が高いと安全性が低いというリスクとリターンの関係、安全性・収益性ともに高い金融商品はないこと、投資する場合のリスク分散の必要性が講師から説明されました。 

 最後に本時のまとめとして、

  • 金融は、社会の色々なところに円滑に資金を供給することで、豊かな社会を支える重要な役割を担っていること。
  • 間接金融、直接金融は互いに補完しながら企業を支えていること。
  • 資金の出し手である消費者は、預金と投資の適切なバランスを考えることが大切なこと。

を確認して、授業を終わりました。

 授業後も講師に質問するなど、今までの授業の復習と合わせ、新たに金融経済に関して興味関心を持つことのできた講師派遣授業となりました。