名古屋市立名古屋商業高等学校 講師派遣(1時間目)

 商業科ビジネス基礎のガイダンスとして、金融経済に関する基礎的な理解を目的とした講師派遣授業が実施されました。

 授業の始まりは、講師からの現安倍政権が打ち出している、強い経済を取り戻すための「3本の矢」についての問題でした。 
 ①大胆な(金融)政策 ②機動的な(財政)政策 ③民間投資を喚起する成長戦略  
 括弧に入る言葉を考えましたが、ニュースで耳にすることはあっても、改めて確認してみるとなかなか答えられないようでした。  

 金融政策(Monetary Policy)と金融機関(Financial Institution)を英語で表す際の違いから、「金融機関」というときの「金融」とはどのようなことを指すのか、次の4つの項目から理解を深めていくことが伝えられました。  

  1. 「金融」と「金融機関」  
  2. 銀行の機能・役割  
  3. 直接金融と間接金融  
  4. 企業の資金調達  

 「金融」と「金融機関」では、知っている金融機関の種類・機関名をワークシートに記入しながら考えていきました。民間金融機関には、銀行など預金取扱金融機関と、証券・保険会社などその他の金融機関があること、公的金融機関もあることが理解できました。  

 金融機関というときの金融とは、お金が余っている家計や企業と、お金が足りない家計や企業の橋渡し(融通する)すること、お金を融通する=金融であるということが講師から伝えられました。  

 「銀行の機能・役割」では、銀行の三大業務から銀行の機能・役割について考えていきました。銀行の三大業務は、預金・貸出・為替です。銀行は、預金と貸出の利息の差額から利益(利ざや)を出していること、為替とは、離れたところにいる人同士が銀行を使ってお金のやり取りをする仕組みだということが分かりました。銀行は三大業務をとおして、社会のいろいろなところにお金を流す仲介役として、豊かな社会をつくる役割を担っていることが理解できたようです。

 最後は「直接金融と間接金融」と「企業の資金調達」です。  
 言葉のとおり、金融機関が間に入って間接的にお金をやり取りすることを間接金融、企業が株式などを発行して直接資金を調達することを、直接金融と言います。  
 ここで実際に、企業がどのようにして資金調達を行うのか考えてみました。パン屋さんが資金を調達するためには、どのような方法が考えられるか、4択(A売り上げの一部から資金をまわす B銀行から資金を借りる C株式をさらに発行して資金を集める Dその他)から1つ選びます。そして、それを選んだ理由や、メリット・デメリットを考えていきました。生徒たちはそれぞれに、自分の考えをもとにワークシートに記入をしていきました。 

 最後に本時のまとめとして、  

  • 金融は、社会の色々なところに円滑に資金を供給することで、豊かな社会を支える重要な役割を担っていること。
  • 直接金融・間接金融は、互いに補完しながら企業を支えていることを確認し、授業は終了となりました。 


 これから学んでいく金融経済に関して、興味関心を持つことのできた講師派遣授業となりました。