名古屋市立名古屋商業高等学校 レポート2.3時間

 商業科ビジネス基礎で、「金融機関の役割とライフステージに応じたお金との関わり方」について学ぶ授業が実施されました。

 2,3時間目授業は、金融業者の役割や種類、金融業者のビジネスについて、教科書に記載されている単語を単に暗記するのではなく、間接金融の仕組みを中心に、経済という枠組みとして理解できるようになることが授業の目的です。

 2時間目は、教科書p86の金融業者の確認から授業はスタートしました。 
 資金を必要とする物(資金需要者)と、資金に余裕がある物(資金供給者)の間には、人的・場所的・時間的・量的隔たりがあり、金融業者が両者の間に立って資金の需給を調整し、資金が必要なところに供給しているとことが分かりました。

 企業として組織を作り、資金の橋渡しを行う金融業者を金融機関と言い、銀行、証券会社、保険会社などがあります。

  ここで市原先生は、金融機関(銀行)の役割を、図をもとに説明していきました。経済の三主体である家計から、余裕資金が預金される。銀行は預金をもとに資金が不足している企業に貸出を行い、物やサービスを市場に提供できるよう下支えをしている仕組みが分かってきました。

 金融機関には、出資の主体別に3つの種類があることも確認をしました。民間金融機関、政府系金融機関、中央銀行の出資の主体は「民間」「国」「民間と国」のうちどれが当てはまるのか考えていきました。多くの生徒は、民間金融機関は民間、政府系金融機関は民間と国、中央銀行は国が出資の主体と考えていましたが、正解は、民間金融機関は民間、政府系金融機関は国、中央銀行は民間と国(民間45%、国55%)が出資主体です。名称に惑わされないように正しく覚えておくように、市原先生から注意が促されました。

 日本銀行の3つの役割(銀行の銀行、政府の銀行、発券銀行)については、中学校の公民で習っていることもあり、スムーズに回答ができていたようです。

 続いて、普通銀行のビジネスについて確認をしていきました。

 普通銀行は銀行法にもとづき、個人や企業から預かった資金を、ほかの個人や企業に貸出します。この際、預金者に対してはその種類に応じて一定の利息を支払い、借り手からは一定の利息を受け取ります。借り手から受け取る利息は預金者に支払う利息を上回っており、この差が普通銀行の利益の源泉となっていることが分かりました。

 さきほど確認した家計・銀行・企業の図に説明を加筆し説明を進めることで、普通銀行がどのように利益を得ているのか、銀行が仲介して行われている間接金融の仕組について確認ができました。 

 次時は銀行の三大業務について学び、銀行がなかったらビジネスにどのような影響が出るか考える授業を行うことが伝えられ、授業は終了となりました。 

 3時間目は、銀行の三大業務について学んだ後、「銀行がなかったらビジネスにどのような影響が出るか?」を考え、生徒それぞれがまとめを行いました。 

まとめの内容(抜粋)

  • 銀行がなければ、余剰資金の預け先がなく、自宅で管理しなければならないため、盗難や紛失のリスクが増える。
  • クレジットカードやデビットカードなどが使用できないため、常に手持ちの資金を用意しておかなければならない。
  • 水道光熱費や携帯電話等の支払い(自動引き落とし)ができないため、わざわざ料金の支払いに出向かなければならない。
  • ベンチャー企業が起業したり、企業が新しい事業をはじめようとしたりする時の資金を銀行から借り入れることができなくなるため、新しいビジネスが生まれなくなってしまう。
  • 銀行の一つである中央銀行(日本銀行)は発券銀行でもあるので、紙幣が発券されなくなり、お金でモノが買えなくなる。(物々交換をしなければいけなくなる。)
  • 銀行でお金を借りることができなければ、新しい会社や店舗を設立できなくなり、ビジネスが衰退してしまう。