4・5時間目
4,5時間目授業は、ライフステージに応じたお金との関わり方を学ぶ授業が実施されました。 生活設計・マネープランゲームの体験を通して、ライフステージに応じたお金との関わり方を理解することが目的です。
7班に分かれ、係を決めたところからゲームはスタートしました。
20歳代では、収入と基本生活支出が決まります。各班がどのような収支になるか、ホワイトボードに引いたカードの番号を記入して比較しました。この時点で、すでに貯蓄がマイナスの班もありました。
30歳代ではまず、結婚・子育が決まっていきました。結婚するか、しないか、結婚する場合は共働きかどうか、結婚した場合は子どもの人数も決まりました。結婚や子育てに関わる費用を計算しながら「こんなにお金がかかるなんて」という呟きも聞こえてきました。
ここまで決まった時点で、20歳代の貯蓄と合わせた貯蓄額を計算し、住居を買うことができるかどうか検討しました。一括購入やローンを組む際の頭金など、大きな買い物をする際の支払い方法について考えます。住居が決まったら、自動車の購入や保険に入るかどうかも決めました。保険については、市原先生からお金はかかるがアクシデントが発生した場合に、保険で費用が補償される場合もあるということが説明されました。
イベント&アクシデントカードを1枚引き、仕事で表彰されたり、病気で入院したりと、自分たちが思ったとおりに人生は進まないこともあるということを体験しました。
30歳代の人生が進んでいく中で、20歳代ではあまり意識をしていなかった思い出ポイントについても目が向くようになり、お金の大切さと、人生の満足感・充実感とのバランスを考え始めたようでした。
40歳代も、30歳代と同様に進め、最後にイベント&アクシデントカードを2枚引きました。 家族構成や、それまでの貯蓄額の違い等によって、各班の様子はさまざまなものとなりました。
40歳代まで体験したところで、時間となりました。
次時は生活設計・マネープランの続きを行い、その結果に対して考察をするということが伝えられ、授業は終了となりました。
5時間目授業は、生活設計・マネープランゲームの体験(50歳代から定年退職まで)と、結果をもとに、それぞれの班で考察を行いました。
50歳代の人生は、結婚し子育てをしていた班は、子育て費用がかからなくなることで、少し余裕が出てきたようです。
車の買い替えを行った後、保険に入るかどうかを決めて、イベント&アクシデントカードを2枚引きました。「株価急落」のカードを引いた班から、「保険は、株価急落にも対応してくれますか」という質問が出てきました。保険は事故や災害、病気など不測の事態に備える金融商品であり、株式投資は、株式という金融商品の特徴を理解したうえで、個人の意思で行っていることなので、株価が急落しマイナスになってしまった場合にも保険等での保障はないということが、市原先生から伝えられました。
60歳になり定年退職を迎え、退職金カードを引いてゲームは終了となりました。
総貯蓄額と思い出ポイントを計算し、班ごとに人生について振り返りを行いました。
収入 | 基本生活支出 | 結婚 | 子ども | 貯蓄額 | 思い出ポイント | |
---|---|---|---|---|---|---|
1班 | ② | ① | ○ | 3人 | 750万 | 27 |
2班 | ② | ③ | ○ | 3人 | 19,550万 | 45 |
3班 | ② | ① | ○ | 0人 | -100万 | 15 |
4班 | ① | ① | × | 0人 | 21,600万 | 30 |
5班 | ③ | ③ | ○ | 2人 | 400万 | 34 |
6班 | ② | ③ | × | 0人 | 18,150万 | 32 |
7班 | ③ | ③ | ○ | 3人 | -1,700万 | 41 |
振り返りを行う前に、市原先生から振り返りを行う際のポイントが伝えられました。
- 収入と基本生活支出のバランスについて
- 家族構成と収入・基本生活支出との関係
- 貯蓄額と思い出ポイントとの関係
- イベント・アクシデントとその費用について
「貯蓄は多かったが、独身よりは結婚をしたかった」、「アクシデントの出費が多く、思うようにお金を貯められなかった」など、個人、班で感想や気付きをまとめていきました。
今回の授業を通して、ビジネスの担い手として金融業者の種類や役割、社会的意義について理解を深めるとともに、個々にライフステージに応じたお金との関わり方について深く考え、今後の生活の中で活かすことができる知識を身に付けることができた授業となりました。